あの、おなじみの ポッ ポッ ポッ ポオーン という NHKの時報の音は、周波数でいうと、440Hz 440Hz 440Hz 880Hz だそうである。
これは音階(平均律)でいえば、一点オクターヴ「イ」 一点オクターヴ「イ」 一点オクターヴ「イ」 二点オクターヴ「イ」 に相当する。
音楽の道を志す人々は、生まれつきにせよ、練習・訓練の成果にせよ、絶対音感を持っているそうである。
たとえば、国際的なヴァイオリニスト(1926.3.16~)の辻久子さんは、『生まれつきの絶対音階を持っていた』と、日本経済新聞の「私の履歴書」に書かれていたと記憶している。
まだ、二十歳そこそこの頃、OKITAC5090のCE(Customer Engineer)をやっていたころ、自分たちのダンパ(ダンス・パーテイ)のパー券(パーテー券)を売ったりして稼いだ資金でドラムやトランペットなどの楽器を買って、ジャズ・バンドを結成して楽しんでいた同僚から、そんな話を耳にして、小学生以来の音楽の成績ゼロ点を自負して、彼らの仲間には入れる見込みを放棄していた「菜翁が旨さん」に、フト、ムラムラと燃え上ってきたものがあった。
当時、トランジスタ式で主記憶装置には国産初の磁気コアを採用していた日本国内でのベスト・セラーコンピュータであったOKITA5090上をプログラムを作成して走らせて、音楽を演奏してやろう、と、だいそれたことを考えたのであった。
もちろん、ローダーも音楽演奏プログラム専用のものを自作した。
ローダーというのは、コンピュータに業務プログラムを読み込ませるために、あらかじめ主記憶装置のゼロ番地から順に記憶させるプログラムのことで、このローダーを読み込ませるためにコンピュータの操作パネル上に設けられている
ブートボタン(パンチカードや紙テープや磁気テープなどの外部記憶装置からローダーの最初の命令が記録されている一語をゼロ番地に読み込んで、読み込んだゼロ番地の命令を実行するためのボタン)を押して外部記憶装置から順次、プログラムを読み込んで、業務プログラムを読み込むためのプログラムを主記憶のゼロ番地から順次に生成されたプログラムのことである。
この操作は、コンピュータの電源投入後最初にブート・ボタンを押してローダーの読み込みを実行させれば、再度電源投入しない限り、または、プログラマのプログラム・ミスによりローダが破壊されない限り、再実行する必要はないものである。
従って、菜翁が旨さんの音楽演奏を終えたあとは、必ず、この業務用のローダーを読み込ませる必要があった。
話がそれた。元にもどそう。
コンピュータのハードウエアである電子回路を利用する電子音楽である。
当時、コンピュータの代名詞として世界中を君臨していたIBMですら、実現していなかった、電子音楽である。
それを、菜翁が旨さんが、世界で初めて実現させた技術スペックを『OBM MONTHLY NEWS(沖ビジネスマシン販売株式会社社内報)に 昭和41年5月号 に寄稿したものを楽天ブログに随想として転載・公開したものである。
尚、沖ビジネスマシン販売株式会社社はそのご、親会社である沖電気に吸収されている。
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■ 電子計算機を用いて、ソフトウエア上の手法によって電子音楽を演奏する…
ラインプリンタの印字音による音楽の演奏方法はIBM機ですでに実現してが、これは電子音ではない。)
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