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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Sep 27, 2008
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カテゴリ:カテゴリ未分類
本日は朝から、東京財団主催のシンポジウムに参加した。
テーマは日英議会政治の比較であり、まさに自分にとっての関心領域だ。イベントを企画している東京財団の関係者の方が、たまたまネット上で私の名前を見つけられたらしく、こうしたイベントがあることを連絡していただいたのがきっかけである。私は聴衆としての参加であるが、パネラーには、駐日英国大使や、英国貴族院議員、日本の与野党の政治家など、なかなかのメンバーが集っている。勉強会でいつもお世話になっている竹中治堅氏もパネラーの一人に名を連ねておられる。
冒頭のセッションのテーマは、「国会議員と官僚の関係」であり、自分にとって最も興味のある分野だ。英国外務省の官僚であるDavid Warren駐日英国大使がスピーカーを務める。大使は、英国における官僚制がどのように変化していったかを概説された。その内容は、書籍等で紹介され、私の認識しているところともほぼ一致している。大使は、最近、官僚の役割として政策の「delivery」という言葉がよく使われるようになったことを指摘した。確かに、この言葉は私が英国財務省にいた頃にもよく耳にした。その含意するところの一つには、政治家が政策を決定し、官僚がそれを実行するという役割分担がある。また、deliveryという言葉の語感には、行政が国民という顧客へのサービスであるという認識が表されている。
各パネラーの議論はいずれも興味深いものであったが、今ひとつ議論がかみあっていない印象を受けた。やはり、日本と英国の政治、行政の実態に大きな違いがあり、その背景を互いに認識していないためであろう。だが、セッションの終わりに竹中氏が民主党の議員に対して発したコメントは面白かった。「官僚主導から政治主導へと言いながら、民主党はなぜ官僚を攻撃するのか。それによってむしろ、自民党を免責してしまっているのではないか。」これは、日本の政と官の関係の本質を突いた発言である。

シンポジウムを午前中の部だけで抜け出し、政策懇談会へと向う。
本日は、環境省のN氏のプレゼンにより、環境問題をテーマとしている。

テーマ「環境問題はウソかまことか」
地球温暖化は本当に起こるのか?
ここ100年間で地球が温暖化している。太陽活動を含め、不確定要因は多いが、このまま温室効果ガスの排出が増加すれば地球上の平均気温が上昇する可能性が高い。

地球温暖化は人の活動のせいか?
他の要因による気温変化もあるが、数十年単位でみれば人に起因する温暖化が進む可能性が高い。

地球温暖化は問題か?
1~2度程度、2~300年かけて上昇するのであれば問題ではない。
問題は100年という短期間に2~3度上昇し、各地域における気候パターンが大きく変わること。我々の文化や農業、食生活は現在の気候に合わせて形成されており、急激な変化には膨大なコストが生じる。

地球温暖化を完全に防ぐことは不可能であり、2度程度の上昇もほぼ止められない。しかし、適応が間に合う範囲に抑えることで人の生活の豊かさを保つため、できるだけ上昇のスピードを緩め、2度程度で上昇を止めることが目標となる。

既存の技術及び、現在理論的に見込まれている研究成果でも、相当程度温暖化防止は可能。技術開発と普及にどれだけの資源投入を行うかという選択の問題。

非炭素排出エネルギーは有望か?
風力発電は、風が一定の強さ・方向で吹いてくることが必要であり、日本では限界がある。穀物系バイオマスは、現状ではエネルギー生産性が低い。森林バイオマスについては、日本では木材の流通コストが高いという問題があるが、エネルギーとマテリアル利用の組み合わせによってコストダウンが図れる可能性。当面は太陽光、太陽熱と小水力発電が有望であり、燃料電池によって安定供給が可能となる。なお、原子力については、コスト、リスク、ベネフィットのバランスから考える必要がある。

リサイクルは良いことか?
リサイクル自体にもエネルギーを使う。無駄なものは使わない、使えるものは繰り返して使う、ことが優先。

環境問題の本質とは、自然界に存在する資源、エネルギーの人間社会への入力と、人間社会からそれらへの出力の問題。環境問題と資源エネルギー問題は表裏一体だが、日本ではしばしば別々の人々がこれを議論している。科学的な研究によってリスクと対策の社会的なコストをできるだけ明らかにした上で、一定の不確実性を許容しつつ目標を定めるべき政治的な課題。世界全体での戦略と、我が国としての戦略が必要。

ディスカッションのポイント
・京都議定書を取り巻く状況について説明してほしい。
・ 京都議定書に基づき、この春から第一約束期間が始まる。これから2012年までの5年間で、1990年比で6%削減することが求められる。そのうち3.8%は森林吸収をカウント可能。また、海外での削減に協力することによって、それを自国分にカウントするといった工夫により達成を目指す。達成できなかった場合、第二約束期間に持ち越しとなる。排出権取引制度や、環境税による対応が必要となろう。2013年以降の枠組みをどうするかについて、先般の洞爺湖サミットでも議論された。アメリカと中国を取り込むことが不可欠であり、そのためのルールの作り方が求められる。日本は、セクターごとに可能な削減量を積上げる、セクター別アプローチを主張している。また、2050年頃までに世界全体で現状に比べて排出量を半分ぐらいにすることを目指すことが、おおむね合意された。サミットにおいて、各国が共通の土俵に乗ってきたことは成果といえる。
・2050年までに半減の目標には実現性があるのか。
・日本に関して言えば、人口も減少していくので、可能。しかし、日本が半減するだけでは、世界全体で半減には達しないため、さらなる取組みが必要。電線を変えることにより送電ロスを減らすとか、より排出量の少ない車を普及させる等、ある程度現実的な工夫でも相当減らすことはできる。
・日本の環境対策は、節約の精神と合わさった、精神論のような側面が強いのではないか。職場で昼休みに消灯したりしても、実際にはほとんど意味はないのではないか。
・エネルギー供給のシステムを変えた方が効果はある。ただし、エネルギー供給が安くなったからといってたくさん使ってしまっては意味がない。
・コンビニの深夜営業を自粛すべきといった議論があるが、昔のオイルショックの頃の方が省エネに気合が入っていた。あの時は、石油が物理的に「無い」状態だったから危機感が違った。
・現在の生活を前提とすれば、原子力を使わざるをえない。原発を戦略として位置付ける必要がある。原子力を安全に管理する人材をどう確保するか。原子力を使い続けないと、人材が育たず、むしろリスクも増えることになる。
・安全に関して、日本人は全か無かというデジタルな発想をしたがる。リスクをどこまで受け入れるかが問題。
・原発については処分時の問題がある。核兵器などと結び付けられて、左翼のアジェンダのひとつとなり、社会に原発アレルギーが生じてしまっている。リスクコミュニケーションが課題。





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Last updated  Oct 13, 2008 10:34:33 PM
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