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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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May 16, 2010
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私的に主宰する勉強会「政策懇談会」を開催。
今回は、政策研究大学院大学の竹中教授から「鳩山政権の政策決定過程」についてプレゼンをいただき、ディスカッションを行いました。

プレゼンの概要
・鳩山政権の政策決定過程は、首相が指導力を発揮できず、見直しと迷走の連続となり、内閣支持率は急落している。
・民主党内閣においては、官邸主導の強化を試みている。そのために、衆院選マニフェストにも、国家戦略局設置、閣僚委員会の設置と事務次官会議の廃止、行政刷新会議設置等が盛り込まれている。これらはすでにおおむね実施され、さらに政治主導確立法案が国会に提出されている。
・しかし、官邸主導のためによい制度を作っても、それだけではうまくいかず、それを使う人が問題。鳩山政権でも、制度は整っているが、使いこなせていない。
・一連の試みは、自民党内閣における改革の延長線上にある。
・1994年の政治改革において、小選挙区制が導入され、党の総裁・執行部が持つ公認権が死活的に重要となった。また、2001年の省庁再編において、内閣法が改正され、首相直轄で政策を主導できる法的根拠が整えられた。これらにより、官邸主導の制度的基盤はすでに整っていた。
・民主党内閣における官邸主導体制の問題点として、指揮命令系統が法的にはっきりしていない。国家戦略局は内閣官房に置かれるが、経済財政部局は内閣府に置かれている。また、国家戦略担当大臣は内閣府に置かれ、官房長官や、内閣官房に置かれる国家戦略局長との権限関係がねじれている。
・自民党政権における、内閣と党の二元的政策決定が、官僚主導の温床であったという問題意識から、内閣への政策決定一元化が掲げられた。
・自民党政権では、二元的政策決定体制の下、族議員が法案の事前審査等を通じて政策決定に影響力を持っていた。他方、大臣は派閥の順送りで、必ずしも政策に精通していなくてもよかった。自民党政権下でも、政治主導ではあるが、大臣主導ではなかった。
・新政権では各省の政務3役が政策決定の中心となる一方、党の政策調査会が廃止された。しかし、実際には一元化は言うは易く行うは難く、党が内閣の政策に介入した場合、基本的に党の意向がそのまま通っている。
・与党の幹事長は、政治資金の配分、候補者公認など、選挙実務の権限を持っており、これが力の源泉となっている。
・また、日本では、国会議事運営における内閣の力が弱く、法案を提出した後、内閣が審議の順序等に関与できない。国会運営をとりしきる与党議員の影響力が強くなる。
・与党の幹事長や国対委員長を閣僚として閣内に入れれば、内閣の方針に従わせることができるが、日本の場合、閣僚の国会審議の拘束が大きく、物理的に困難。
・また、政権交代後、参議院の役割が改めて問われている。衆議院で3議席しかない国民新党が、308議席を有する民主党に対し大きな影響力を行使しているが、この原因は、民主党が参議院で単独で過半数を確保できないことにある。
・民主党執行部の過半数は参議院議員であり、閣僚ポストも、自民党時代は2つだった参院枠が3つに増えているなど、参議院のプレゼンスが自民党時代より大きい。
・民主党は、小泉郵政解散による衆院選で大敗した後、2007年の参院選で勝利しており、もともと衆院に比して参院のプレゼンス大きかった。さらに、ねじれ国会の下、自民党政権を追い詰めたのは主に民主党参議院議員の活躍であったことが、参議院の発言力を大きなものとしている。
・小選挙区制の導入は、二大政党制につながると言われ、それが実現しつつあるが、衆議院で二大政党制が実現しても、参議院でどうなるかは、選挙制度改革において全く念頭になかった。
・参議院は1人区が多く、二大政党に有利となっている。参議院の抑制機関としての役割を重視する観点からは、参議院では二大政党化しにくいような選挙制度とすべきと考えられる。例えば、ブロック別の大選挙区制とすることにより、適度な規模の中政党が出てくることによって、連立の選択肢を広げることが期待される。
・また、日本の民主主義の根本的な問題として、参議院では4.84倍にも達する定数格差を是正する必要がある。

ディスカッションの概要
・官邸主導の法制度が不完全であるのは確かだが、法制度よりむしろ運用に帰着するのではないか。日本の首相の多くが指導力を発揮できないのは、何か潜在的な問題があるのか。
・しっかりと閣僚や党の要職の実績を積んだ人が首相に選ばれるようにすることが必要。
・三権分立の下で、「二元的政策決定」として問題となるのは、行政府の意思決定過程に与党が関与していることであり、与党議員が立法過程において影響力を振るうこと自体は問題ではないのではないか。本来、議院内閣制の下、党のトップを兼ねる首相が、与党の幹部に対してもリーダーシップを発揮すればよいだけの話であり、やはりトップの資質の問題に帰着するのではないか。
・議院内閣制の下では、本質は三権分立ではなく、権力の融合。民主党政権における「一元的政策決定」は、内閣で決定した政策がそのまま立法府でもスムーズに通ることを想定しているものと考えられる。
・現政権の矛盾は、民主党が衆議院で圧倒的多数を握っていながら、参議院でわずかに過半数に足りないために連立を余儀なくされていること。連立が前提となることによって、首相のリーダーシップは著しく制約される。本来は衆議院に劣後すべき参議院で、かつ少数の政党が政権を左右することは二重の矛盾であり、連立化を促進する方向で参議院の選挙制度を改正することは逆行なのではないか。
・理想は衆参両院で一党が多数を占めること。しかし、最悪なのは2007年の参院選の後のように、参議院で野党第一党が過半数を握っている「ねじれ国会」の状態であり、こうなると国政が停滞する。これを避けるためには、参議院が二大政党にならず、与党が連立可能な政党が複数出てくる状況とした方がよい。また、参議院が劣後すべきというが、日本国憲法上、参議院は実際には衆議院に劣後していない。憲法上、日本はほぼ対等な二院制であり、そうした憲法を国民が選択していることを議論の前提とすべき。
・民主党でもともと構想されていた政策決定の一元化は、政策会議を党との調整の場とする考えであったが、民主党において政調が廃止されたためにそれが機能せず、イメージしていた通りになっていないことが問題。
・衆議院を完全小選挙区にして、参議院を完全比例代表にすべきではないか。
・比例代表では過度に業界代表の意見が反映されるおそれがある。
・ねじれ国会では国政が停滞するのは確かであり、強すぎる参議院の問題は昔からある。これを是正するには、国会の運営を変えるのも一つの手。例えば、一会期内で衆参両方で可決しなくても、衆議院の可決が会期を超えて継続できるようにすれば、法案の成否に対する参議院の影響力は弱まる。
・分配問題と成長戦略が重要だが、具体的にどこに金をつぎ込めば日本経済は伸びていくのか。
・政府が成長分野を定めること自体おかしいという意見もある。やはりインフラの整備が重要。例えば羽田第5滑走路の整備。
・弱い部分に対して、延命治療的な支援をすべきでないという意見があるが、実際にはそれほど国民のセーフティーネットは構築されていないことが問題。
・ミニマムインカムの保障が重要。消費税を上げて社会保障を充実させるしかない。
・福祉に金を入れれば、地方にも回ることになる。ただし、雇用の維持と成長のための政策は分けて考えないといけない。
・国家戦略局は本来、内閣府に置くべきではなかったか。国家戦略室で、マニフェストの主要事項等、内閣の重要政策の調整がなされていないことが問題。経済財政諮問会議ではそれをやっていた。
・内閣府に国家戦略会議を置くというのも一つのやり方としてありえた。諮問会議は、透明性のある形で閣僚級の議論をする場として使うことができた。国家戦略室は組織であって会議ではなく、中でどういう議論が行われているか分からないという問題がある。
・入れ物の問題ではなく、小泉首相が人事権の使い方がうまかったことが、リーダーシップを発揮できた要因。民主党の問題は、政治的な意思が収束できていないこと。組織論ではなく、誰であれ徹底的に意思を収束できる人がいるかどうかが処方箋となる。
・今度の参議院選挙が重要なのは、その後3年間国政選挙が無いこと。国民が嫌がる政策をやるチャンスであり、大連立もありえるのではないか。





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Last updated  May 21, 2010 12:56:13 AM
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