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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Jul 24, 2010
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私的に主宰する勉強会、「政策懇談会」を開催。
今回は、総務省のT氏から郵政改革についてプレゼンをいただき、ディスカッションしました。

プレゼンの概要(文責 高田)
・郵便物は毎年3%ぐらいずつ減少しているが、コストは需要が減ってもあまり変わらず、郵政の経営は苦しい状況にある。
・平成13年以降、郵便貯金の残高も減少している。郵貯には運用制約があり、魅力的な商品を提供できない。
・郵貯は現在、何ら政府からの優遇措置は無く、税金も払っている。他方、預入限度額といった規制がある。
・簡保についても、魅力的な商品が提供できない。がん保険等新しい商品を手掛けることも規制されている。
・現在は郵貯の金利も低いが、今後金利が上昇すれば、郵貯の金利も引き上げざるを得ず、コストが増大するリスクがある。
・郵政民営化法においては株式の売却が義務付けられていたが、現下の状況で株が売れるかどうかという現実的な問題がある。株式総額は9兆円程度あり、最初の上場時に3兆円程度は売らなければならないが、現在の市況では難しい。また、郵貯銀行の株式は全て持株会社が保有しているが、これが低い値段でしか売れなければ、持株会社に売却損が発生するといった問題がある。
・参院選後ねじれ国会となり、改革法案の成否が不透明となっているが、現在は、郵政民営化法が存続しながら、株式の売却義務のみが凍結された状態であり、このまま行けば国有状態が続くことになる。国有状態が続くことは、職員のモチベーションを下げるおそれもある。
・郵政改革法案のポイントとして、金融サービス(郵貯・簡保)についてもユニバーサル・サービスを義務付けている。郵政民営化法においては、郵便についてのみユニバーサル・サービスが義務付けられており、金融サービスは郵便局における任意の業務と位置づけられている。
・また、郵政改革法案では、持株会社・郵便局会社・郵便事業会社を一社化する。これは、郵便事業の赤字を持株会社がもつことを意味する。
・郵政改革法案は、郵政の「国有化」と批判されるが、郵政は現在、国が100%株主であり、国有「化」ということはありえない。郵政改革法案においては国が3分の1以上の株式を保有し続けることが義務付けられるが、同様の株式保有義務はNTTやJTにもあり、「民営化」と矛盾するものではない。
・限度額の引上げが問題となったが、限度額は政令事項であり、現行法下でも引上げは可能。こうした規制は、既存の金融業界、特に地域金融機関を保護するためにあると考えられるが、それを維持し、郵貯銀行の経営を制約し続けることが日本にとって適当かどうか、全体的な観点から考えるべきではないか。

ディスカッションの概要
・郵政改革法案についてはいくつか問題点が指摘されている。最も大きいのは、郵政民営化法に規定されていた株式売却義務が無くなったことであり、事実上、日本郵政について、また郵貯銀行についても間接的に、国の100%保有が継続する可能性が高い。郵政民営化法では、国の株式売却に伴い段階的に郵貯銀行の業務制限を撤廃していくことが想定されていたが、新法案においては、国有のまま、一般の銀行と全く同じ業務を営むことが可能となる。これは、金融機関の競争条件をゆがめるほか、「貯蓄から投資へ」の流れに逆行し、リスクマネーの供給を阻害するおそれがあるとの指摘がある。
・リスクマネーの供給は、現在の民間金融機関に任せていてもうまくいかないのではないか。
・公的関与を残したまま、公社化するというオプションもあるのではないか。今の郵政は中途半端な状況となっている。完全民営化するのであれば限度額を撤廃してもよいが、その方向性が見えないまま限度額を引き上げるのはおかしい。郵貯のお金は利用者から預かっているものである。民間金融機関なのであれば、リスクに見合ったリターンを追求すべきであり、政策金融機関のように使われるのはおかしい。
・郵貯を政策金融に用いるというのは一部の政治家の見解であり、日本郵政がそうした方針を出しているわけではない。
・民営化の方向について、政治的に揺り戻しがあるのは、職員のメンタルに影響するのではないか。組織の進むべき目標はあるのか。
・郵政の社員からすれば、いいかげんにはっきり方向を決めて欲しいとの思いがある。組織の目標が明確に定まっていないというのは確か。
・国際的には、郵政改革法案は、WTOの内外無差別原則に反するのではないかとの議論が強い。
・WTO上、何が本当に問題なのか。堂々と議論すればよい。
・政府は、郵貯には何ら政府保証はないというが、暗黙の政府保証があるかどうかは市場が判断する話。現実には、限度額を引き上げれば、民間金融機関、特に地域金融機関から郵貯への預金シフトが起こるのではないか。
・郵貯の残高は減り続けており、限度額の引上げが実際にもたらす影響はあまりないと考えられる。民間金融機関も、政府による明示または黙示の保護があり、官民の二元論は意味がないのではないか。
・暗黙の政府保証に関していえば、郵貯については、政治的な動きで経営を左右しようとしていることからして、明らかに民間金融機関とは位置付けが違う。民間の場合、メガバンクならともかく、地域金融機関は破綻する可能性が十分あるし、実際に破綻は起きている。民間から郵貯への預金シフトが起き、リスクマネーの供給が減る可能性は十分にある。
・そもそも金融機関については、民間であっても、潰す必要はないのではないか。
・まともな経営をしている金融機関であれば、潰す必要はないし、そもそも潰れることはない。ただし、乱脈融資等をして破綻する金融機関は退出させる必要がある。
・郵政については、本来、経営を改善するために業務を縮小すべきところを、むしろ拡大路線で解決しようとしている。これはJALと同じ構図となるおそれがある。
・郵便局は既に全国に存在する。これをインフラとして活用することは合理的。
・郵便局の存続は、根っこには特定郵便局長の権益保護があるのではないか。
・最近は郵便局長といえど苦しい。いずれにせよ、郵便局のビジネスモデルは古い。例えば郵便局で全面的に地銀の業務を担う等、地域金融を支える観点から大同団結すべき。





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Last updated  Aug 5, 2010 12:22:18 AM
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