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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Feb 6, 2012
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(前日の日記の続き)
・なぜ「消費税」なのか、という議論があるが、消費税は、幅広い財・サービスに課税する性質から、財源調達力が高く、税収が景気や人口構成の変化に左右されず安定しており、勤労世代に負担が集中せず経済活動に与える歪みが小さいといった特徴を有し、社会保障の安定財源としてふさわしいと考えられる。
・消費税については、低所得者ほど所得に対する負担の割合が高い、いわゆる「逆進性」の問題も指摘されるが、これについては、負担と受益を合わせて考える必要がある。社会保障給付を合わせて考えると、当然、低所得者ほどネットの受益は多い。今回、消費税収を社会保障給付に充て、特に低所得者にきめ細やかに対応することは、それ自体が「逆進性」対策としての効果を持つ。
・食料品等に対する軽減税率を導入すべきとの意見は多いが、軽減税率は、「逆進性」対策としては非効率であり効果が低いことは、学問的な議論ではほぼ決着がついている。食料品は高所得者も消費するものであり、かつ高所得者ほど消費額は大きい。そのため、食料品の税率を軽減した場合、金額的には高所得者ほど多く恩恵を受けることになる。軽減税率という方法ではなく、低所得者にダイレクトにお金を渡す方が、低所得者の負担軽減策としては効率的で効果が大きい。
・「ぜいたく品」にのみ高く課税することも、その線引きが極めて困難。例えばフランスでは、キャビアは標準税率であるのに対し、フォワグラとトリュフは軽減税率となっているが、後者はフランスで生産されているからとされる。線引きを巡って政治的な利害が絡むこととなる。
・現在、いつかは消費税を上げなければならないということは多くの人が認識していると思われるが、まずは景気が良くなってから、まずはムダをなくしてから、という「条件付き」の賛成ないし反対が多い。こうした条件論の多くは真面目なものだが、もはや先送りできないところまで来てしまっているのが現実。
・増税をしなくても日本の財政は大丈夫だとの様々な「主張」も、政治の世界に相当根深く浸透しているのを感じる。ひとつひとつ反論はできるのだが、誰しも増税はできればしたくないので、それを避けられるかのような「耳に心地よい」主張の方が、はるかに伝播力が大きい。うまい儲け話に落とし穴が多いように、苦労せず財政が健全化し、社会保障が維持できるような「奇策」は存在しない。もしそんな魔法のような方法があるなら、なぜ欧州をはじめ各国が財政問題に苦しんでいるのかということになる。
・昨年末、消費税を巡る政治的な議論がピークにさしかかっていた12月28日、朝日新聞の朝刊に掲載された社説「社会保障と税 オトナはわかってる?」は秀逸であった。「ムダが多い」「政治家が信用できない」といった、増税に対する様々な反対論も、「将来世代」の視点からみれば、現世代の中で責任を持つべき話であり、将来世代に負担を先送りする理由にはならない。こうして議論を続けている間にも、国の借金は増え続け、現在の政治決定に関与できない将来世代の負担が増え続けていることを忘れてはならない。

<ディスカッションの主な内容>
・「社会保障と税の一体改革」というテーマだが、今日の説明では社会保障のウェイトが少ないのではないか。
・社会保障については次回の勉強会で正面から採り上げる。
・サザエさんの波平さんと今の郷ひろみが同じ年齢という話があるが、「高齢者」についての考え方も昔と今では大きく違ってきているのではないか。
・今は65歳を過ぎても元気な人は多く、そういう人にはむしろ「支え手」に回っていただくことを目指している。
・社会保障費の削減がもっと必要だとの考え方もあるが。
・今回の改革でも一定の効率化策が盛り込まれている。社会保障費への切り込みが足りないという意見がある一方で、逆に、社会保障充実のための増税といいながら充実が足りないという意見もあり、悩ましいところ。いずれにせよ、社会保障を増やす方は皆賛成するが、減らす方は抵抗が強く、難しい問題。
・行革については、様々な取組を進めてきており、さらに法案を提出することとしているが、増税の前提条件としてどこまでやればよいのか、どこかで最終的に判断する必要がある。
・国債は日本国内でほとんど消化されており、国内に資産として残っているから問題ないという意見があるが。
・国債が資産であることに違いはないが、それゆえにむしろ、国債が暴落すれば、それを保有している国内金融機関は大きな損失を被り、金融危機に陥るおそれがある。たしかに、国債の元利払いは国内で金が動くだけであり、大増税すれば国債償還は確実に可能ともいえるが、その場合経済・社会に大きな混乱が生じることになる。そうした混乱を起こさないようにし、国民生活を守ることこそが、財政の役割。
・日本は海外に多くの資産を有しており、海外からの金利収入を財政資金に充てればよいのではないか。
・既に、外為特会の保有する外貨資産の運用益はフルに一般会計の歳入に充てており、財政としての活用がなされている。マクロ経済的には、所得収支で今後、経常黒字を維持していけるかどうかが問題となる。
・年金制度を抜本的に改革し、年金の一元化や、基礎年金の税方式化を行うことについてどう考えるか。
・年金一元化については、自営業者の保険料が急増することをどう考えるかという問題がある。基礎年金の税方式化については、そのために新たな増税が必要となるという問題がある。
・歳入庁の創設についてどう考えるか。
・歳入庁については、検討することが「素案」に示されている。つきつめれば、歳入庁を創設することのメリットが、それに伴う様々なコストを上回るのかどうかという問題だが、少なくとも、一部で言われているように、それだけで10兆円規模の増収が実現するということはありえない。
・地方税についてはどう考えるか。地方議会改革を含め、地方における意思決定のあり方の見直しが必要ではないか。
・「素案」では、偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築することとしている。地方サイドの考えとして、これはすなわち地方消費税を充実することを意味している。消費税が地方にとっても優れた財源であることは事実だが、国の消費税率が上がると自動的に一定割合が地方に行くという仕組みになっている。地域主権の観点からは、地方自治体が住民に向き合うことが重要であり、住民税の改革なども議論すべきではないか。
・ねじれ国会が珍しい事態ではない今日において、国会における合意形成のあり方を問い直すべきではないか。
・ねじれ国会において、各党が政局優先で動く限り、改革の実現は不可能。しかし、政治家を動かすのは民意。改革の棚上げは許さないという民意を作っていくことが必要。
・贈与税を軽減し、資産の高齢者から現役世代への移転を促すことが、経済活性化につながるのではないか。
・まさにそのような考え方から、今回の税制抜本改革では、相続税の強化と共に、贈与税の緩和を盛り込んでいる。しかし、相続税・贈与税には格差の固定化を是正する機能があり、贈与税の軽減は世代を超えた格差の固定化を助長する面もあることに留意が必要。
・ユーロ圏では徴税を強化しており、イタリアでも財政警察が活動しているが、日本でもそうした取組みが必要ではないか。クロヨン問題も最近あまり耳にしないが、依然として残っているのではないか。
・欧州のそうした国々と比べて、もともと日本の税務執行体制は比較的しっかりしていたのではないかと思うが、適正な徴税の強化に取り組む必要性は同感。クロヨン問題については、所得税のフラット化を進めてきたこと等により、あまり目立たなくなってきたのかもしれない。(補足:後で聞いた話によると、個人事業主の法人成りが容易になったことで、クロヨン問題が下火になった可能性があるとのこと。)





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Last updated  Feb 12, 2012 10:26:31 AM
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