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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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May 13, 2012
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私的に主宰する勉強会・政策懇談会を開催。

今回は、総務省の新井誠一氏より、「行政改革の現在・過去・未来」とのテーマでお話をいただき、ディスカッションいたしました。

<プレゼン概要>(文責・高田)
・「行政改革」は、政府や自治体の行政機関において組織や機能を改革すること。
・「行政改革」は、「行政改善」(不断に行われる行政の自己改善活動)と「行政革新」(行政体制自体の変革を伴う、根本的な政治的改善活動)の中間にあり、その時々の政治体制の下で、行政の組織・機能を集中的に改善していく政策的改善活動。
・消費税の導入・引上げなど増税の際には、その前提として行政改革が政治課題となる。
・一方で、行政改革は、国民のサービス向上という側面(例:電子申請・押印見直し)もあり、増税の前提としてのみ位置づけるのではなく、明確な理念を掲げて進めることが不可欠。
・平成13年の中央省庁再編以降、政策評価制度が導入され、民主党政権において、行政事業レビューや事業仕分けが導入されるなど、PDCAサイクルの重要性が増す中で、行政改革における事業レビュー的手法(PDCAのうちCAの部分)の力点が高まっている。このため、行政評価局、行政刷新会議、主計局、会計検査院など各レビュー機関が連携して当たることが重要。
・古来、律令制の導入や明治維新にいたるまで、行政改革は随時行われてきた。
・高度成長期以後は、肥大化した行政組織の整理の必要性が高まり、臨調の設置など、現在に至る行政改革の流れができる。
・大平内閣において一般消費税構想が撤回された後、土光臨調において、「増税なき財政再建」がテーマとなり、その後の行政改革は基本的にこの方針を踏襲する。
・土光臨調が成果を挙げたのは、財界、マスコミと一体であったことが大きい。
・平成9年の消費税率引上げに際しては、橋本総理の「六大改革」のひとつとして中央省庁再編に至る改革がなされたが、増税の前提として明確に位置づけられているわけではない。
・今回の社会保障と税の一体改革においては、「まずは自らの身を切ること」が不可欠とされ、本年1月より行政改革実行本部が設置されている。行革実行法案の提出や、国家公務員給与臨時特例法の実施による人件費カット、新規採用の約6割抑制など、相当な取組みがなされている。ただし、「決められない政治」の影響で時間がかかっている面があることは否めない。また、定数削減など政治改革も道半ばである。
・さらに、5月からは、「行政改革に関する懇談会」が開催されているが、行政改革の成否は政治の責任とリーダーシップ、官民メディアの協力が不可欠。

<ディスカッションの概要>
・行革はこれまでも相当程度やってきたが、世間には認識されず、増税を行う際にはさらなる取組みを求められることになる。どこまでやればよいのか、国民的な合意をつくっていくことが必要ではないか。
・行革は不断の取組み。終わりはない中で、その時々において求められる程度については、政権、内閣が線引きをしてフレームを作って行くことになる。どこまでやるのかを国民に示すためにも、パッケージで、工程表を作ることが必要。今回、行革懇談会の形で、行政の中だけでなく、外部の人をいれて、まずは行革の理念を整理することとしている。
・制度改革も大事だが、「財務省改革プロジェクト」で提言したような、日々の仕事のやり方の見直しを進めることも重要。岡田副総理も関心があるようだが、もっと体系的に取り組むべきではないか。
・行革は、不断の取組みではあるが、ある程度節目節目で集中的に実施すべきものであり、そのためにも日々の行政改善が重要となる。岡田副総理もやる気を持っており、今後、メニュー化して行政事業レビューなどに組み込むことが考えられる。
・特会改革は今回も数合わせではないか。社会資本整備特会の空港整備勘定を自動車安全特会に置くなど、縦割りが維持されているのではないか。
・特会が縦割りの面は、なくはないが、本質的には特会改革は、「母屋と離れ」を一緒にして、見えやすくすること。統合して多くのものが入りすぎると、かえって分かりにくくなる。まずはチェックしやすい形にすることが第一歩。
・行革のメニューは、土光臨調などですでに言い尽くされているのではないか。
・当時と今では、グローバル化や官民の役割など、変わっている面はあるが、土光臨調はたしかに宝庫。今までの臨調をおさらいし、歴史を学ぶことは重要。
・土光臨調における三公社、国鉄民営化や、規制緩和など、あらかたやれるところはやってきており、残っているところは岩盤。土光臨調のときは、小さな政府への世界的な流れがあり、小泉改革も、基本的に小さな政府路線だったが、今、どちらの方向に行くのか。
・自公政権時代は、官から民へ、国から地方へという流れだったが、今はむしろ逆の流れもある。バス・タクシーの参入規制や労働者派遣規制など、規制緩和が行きすぎたとの意識もある。世界的にも、フランスで、公務員を増やすなど、流れが変わりつつある。今は増税なき財政再建は無理。公務員の給与削減など、財政再建に直結するものはやっていくが、それにも副作用がある。今度の行革は綺麗事だけではなく、これまでの修正が必要。
・人を減らすにはアウトソーシングなどをしなければならないが、どういうところで新しい取組みをなしうるか。
・刑務所をPFIでやるのは大丈夫か、という懸念もあるが、そこを突破しなければスリム化はできない。腹を決めてやっていかなければならない。給与と定員の削減について、良くも悪くも、族議員が声を上げるような仕組みがないので、どこまでやったら問題があるかがわからず、メリハリがつけにくい。NPOにアウトソースするような場合も、信頼性が課題。一定の評価基準ができることによって、アウトソーシングも進んでいく。
・メディアの責任もあるが、行政組織を痩せ細らせることが目的ではなく、筋肉質にしていくことが目的。何がメディアに求められるか。
・行政がスリム化するためには、それだけサービス、責任も応分に社会で負担していくことにしなければならない。公務員に対する評価は冷静に行う必要がある。公務員も社会の構成主体であり、公共財として活用するという視点を。役割分担の問題。
・クリティシズムとは本来、「非難」ではない。ジャーナリスムは「非難」ではなく、民間の情報機関として機能すべき。
・公務員の給与引き下げは当然なのか。税金が公務員の懐に入っているという誤解がある。民間企業の人件費引き下げの言い訳にもなってしまう。
・給与削減は奥の手であり、安易にやるべきではない。しかし、今の財政事情と、震災対応のための財源ねん出という必要性があった。
・代替措置なくしてこれだけ下げているのは、裁判で負けるのではないか。
・内閣法制局では、ただちに憲法違反ではない、としている。議員立法なので、一義的責任は立法府にある。
・公務員の給与についてはインセンティブが働かない。GDPや税収に連動させるなど、何らかのインセンティブスキームはできないか。
・人事院勧告は、民間企業の水準と均衡させている。経済情勢に合わせて対応するという発想。インセンティブは十把ひとからげでなく、個々にみて人事評価などでメリハリをつけていく必要。
・ハンセン病患者団体から、対策に必要な人員が行革の流れで削減されているといった指摘がある。こうした陳情が今後国会には来る。その中でも人員削減を進めるのか。
・そういった需要がある分野まで切って実害を生じさせることは行革の本意ではない。一律ではなく、政治的にメリハリをつけることが必要。そういう限界値までやらないと行革はできないことに理解をしてもらう必要がある。
・新規採用抑制に何の意味があるのか。六割削減を来年度以降もできるのか。消費税のためのアリバイではないか。公務員のモティベーション下がることをどう考えるか。
・新規採用六割減は厳しい判断。来年度以降については決まっていない。昨年は三割、一昨年は四割減。なるべく定年まで勤務できるようにするという方針があり、さらには定年延長して、雇用と年金の接続をしていく必要がある。そのためには入る方も抑えていかなければならないが、程度問題がある。定員をどうしていくという全体論をする必要。
・公務員に労働基本権を与えることは、悪い面が出てくる可能性がある。
・労働基本権は、あくまで労使の協調を目指すものであり、そこが逆転しないようにする必要。労使協調が生産性を上げるとの研究もある。
・メディアの役割は大きい。第二次臨調がうまくいったのはメディアの方向性と一致したこともある。
・行革は何のためにするのか。行政の信頼を取り戻すのが最終的な目標。スウェーデンのように行政の信頼があるところでは、歳入が減ったときは、現物給付は維持するが現金給付は減らすという合意がある。行政サービスの中で議論している。しかし日本の場合、行政サービスの議論にならず、公務員を減らせという議論になる。
・行政の信頼を高めることは大きな柱。公務員のマイナスイメージについて、不祥事や不正と政策を分けて考えなければならない。
・行政手続法や情報公開法は、行政の信頼を高めるための法整備。しかし、議事録がないなどということがなぜ起こるのか。
・大震災のときの議事録がなかったことについては、そのときに応じたやり方がある。ルールを作り、より良くしていくことが大事。
・人事給与体系がうまくいっていない。これができたのは戦後。明治時代は官吏の給与は高かった。上に立つ者は範を示す。そこを無視して改革してもうまくいかない。
・歴史を学ぶことは重要。GHQにより導入され凍結されてきた職階制の廃止でさえ五十年間かかってやった。
・政府の効率性は議論されても、効果的な政府が議論されていない。効果的な政府に持っていくにはどうしたらよいか。
・マイナスばかりでなくプラスを指摘することが必要。政策評価も、よいところと悪いところを両方言うようにしている。アウトソーシングも、よいところと悪いところある。よいところを取り入れる工夫をし、広めて行くことが必要。
・増税は政府の機構を維持するためだけにやっているのではなく、福祉関連予算や財政出動などをまかなうために必要。行政改革は政府の中をスリム化するものであり、増税とセットで、というのはロジックとしておかしい。政府が財政支出を行えば、民間に所得が移転する。増税については、それによる国民の受益もみなければならない。
・税金は、国民への行政サービスの対価として徴収されているのであり、国民の負担と受益が対応関係にあるという本質をみなければならない。





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Last updated  Jun 2, 2012 10:12:57 AM
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