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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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May 31, 2014
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私的に主宰する勉強会「政策懇談会」を開催。
今回は、総務省から内閣官房行政改革推進本部事務局に出向されている新井誠一さんから、現在開催されている「国・行政のあり方に関する懇談会」の内容を中心に、行政のあり方の見直しについてお話いただくとともに、ディスカッションいたしました。

<プレゼンの概要>(文責・高田)

・行政改革については、民主党から自民党・公明党への政権交代の後、いったん凍結するものと、そのまま継続するものがあった。
・平成25年10月、翌年4月からの消費税率引上げを予定通り行うことを決定したが、その際、行政のスリム化、歳出見直しにも取り組む方針を表明した。
・こうした方針の下、各省の事業を見直す「行政事業レビュー」は、民主党政権下で導入されたものではあるが、改善した上で継続して行うこととなった。
・事業の検証をオープンに行うことが特徴で、その一部はニコ動で中継もされた。
・特別会計改革も、民主党政権下での検討をおおむね引き継いだ法案が、政権交代後成立した。
・このように、予算や事業の見直しは、政権交代を経てもそのまま継続されている。
・他方、行政組織やガバナンスの見直しについては、政権交代後、いったん凍結して改めて検討した。
・公務員制度改革については、内閣人事局が創設された。この法案は昨年国会に提出されたが、その6年前、第一次安倍政権において、渡辺善美大臣の下で作られた基本法に端を発している。その後、麻生政権下、甘利大臣の下で作られた法案は廃案となった。民主党政権では、公務員への労働基本権の付与とパッケージの法案が作られ、公務員庁の創設が盛り込まれたが、これも廃案となった。まさに、6年越しの改革が実現したもの。
・独法改革についても、6年前、私自身、渡辺大臣の下で取り組んだ改革案が廃案となり。その後の民主党政権の法案も廃案となったが、今回は、ただ数を減らすのではなく、シナジー効果の出る統合を行うという方針で見直しがなされた。
・また、新たに、内閣官房・内閣府の見直しが進められている。
・行革の推進体制としては、行革推進会議があるが、これに参加する民間有識者は大御所クラス。これに対し、新たに立ち上げた「国・行政のあり方に関する懇談会」は、委員の平均年齢が約40歳、17名中10名が女性という、政府の懇談会としては珍しい構成となっている。
・議論のスタイルも新しく、初回で委員の一人から出された意見を受けて、机を取り払って車座で議論する形となった。
・ストリーミングで生中継しており、SNSやツイッターでもリアルタイムでコメントを受け付けている。紙の資料を使わず、委員が各自iPadを持ち、これに書き込むグラフィック・レコーディングシステムを使って議論している。
・内容としては、「官と民の責任分担」、「行政の無謬性や前例主義の打破」、「行政にトライアンドエラー(「永遠のベータ版」)は許されるか」、といったテーマを議論している。これらについて、本日の政策懇談会でも意見をいただきたい。

<ディスカッションの概要>

・官民の責任分担については、「民ができないものは官がやる」というのが基本だが、その分岐点はどこにあるのか。
・行政は関与を最小限にし、「市場の失敗」がみられる分野等に限って行政が介入するという一応の整理はなされてきた。しかし、これは消極的なアプローチであって、何が最小限なのか、本当に必要なのはどこか、という積極的な意味合いの議論はあまりなかった。
・「永遠のベータ版」は、自分がいるような民間企業では当たり前と思っているが、逆に、行政においてそれが許されないというのはどういうことか。
・いったん行政が手を引いても、事故が起きると結局、行政の責任になるといったことがある。
・政府に責任があると思い込んでいるが、実際は国民が政府を選んでいるのであり、責任は国民にある。政府も絶対の正解が無い中で動いている。例えば社会保障制度も国によって違うが、国民が今の形を選んでいる。
・地方でも、社会のモデルが変わってきている。むかしは自分の周りのことは自分でやっていたが、高度経済成長を経て、社会が豊かになると、税金を払って役所にやってもらうようになった。しかし、こうした右肩上がりのモデルが終わった以上、逆に、また自分でやる方向にマインドセットを変える必要。
・行政サービスが一回広がると、やめるのが難しい。切り捨てるのではなく、できる人に委ねていくという発想が必要。例えば尼崎市では、高齢者の見守りを、役所がやるのではなく、牛乳配達や新聞配達の事業所と連携して、配達の際にやってもらうことにした。
・行政の役割をいったん整理することが必要。あえて極論を出すと議論が活性化する。公的年金は本当にいるのか? シートベルトの規制はいるのか? 結婚を役所がオーソライズする必要はあるのか? 等。
・50年後、100年後の日本を考える必要。経済成長と人口減少への対応が不可欠。
・各省縦割りの中、人事を内閣が持つというのは大きな意味がある。
・民主主義国家においては、国と国民は同体。官と民を二元的な対立構造でとらえること自体に違和感がある。国は、マンションの管理組合のようなもので、官僚は、たまたま選ばれた管理人に過ぎない。マンションの管理費、すなわち税金は、結局は自分達のために払っているもの。
・他方で、政府の必要性を否定し、赤字ならば社会保障をばっさり切ればよいではないか、と主張する人達もいる。しかし、企業で不採算部門を切り捨てるように、政府が国民を切り捨てることはできない。人間は、支え合いを必要と考えているからこそ、社会や国家を作っている。
・行政サービスを最も必要とするのは弱者。税をきちんと上げてこなかったことが問題。
・時代とともに変わってきているニーズに、行政が追いついていない面がある。
・懇談会はインターネット中継しており、良い意見も来るが、それほど多くの人がコメントをくれるわけではない。システマティックに、もっと多くの人々の意見を聴く方法はないか。
・メディアを通じて、個々の公務員も積極的に発言をしてはどうか。発信力の強化が必要。
・行政改革は永遠の運動。一時的なものであるべきではない。
・行革本部のようなものは、ほぼどの政権でも内閣に置かれている。また、総務省には行政評価局、行政管理局といった行政改善を進めるための恒久的な組織もある。
・マスメディアによる情報の伝わり方には歪みがある。税金が実際に使われる場所についての情報が少ない。その意味で、民主党政権で行われた「事業仕分け」は本来、画期的だった。
・日本のメディアは、「問題指摘型」の報道に偏り過ぎている。行政についても、良いものは良いとして報じてもよいのではないか。
・国民からのコメントが少ないのは当たり前で、一部の熱心な人を除いては、議論されていることに関心がない、あるいは理解できない。情報の伝え方も相手によって考える必要。
・政府の発表するプランはたくさんあるが、誰が実行するのか。実行できないものは戦略ではない。これだけは必ず実行する、というプライオリティをつけることが重要。
・日本人は感情に流されやすい面がある。事故が起きたときなど、情緒的に規制強化に流れることがあるが、誰かが冷静にそれを止めないといけない。
・「政治主導」が言われる背景には、究極的には、政治家は官僚に比べ、国民にとってより正しい判断をするはずだ、という考え方がある。民主主義である以上、それはある意味正しい。だからこそ、国民が政治家を選ぶ唯一の機会である選挙が重要であり、選挙の際に、判断の材料として国民が正しい情報を得られるようにすることが必要。
・国民が正しく判断していくために、教育の役割は極めて重要。






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Last updated  Jun 13, 2014 06:44:41 AM
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