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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Feb 15, 2018
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2月半ばのこの週に、木、金と有休をとり、土日と合わせて3泊4日でローマへの旅行に行く。旅行に関しては「オフシーズン」だが、美術館や史跡中心の都市型小旅行には丁度よい。日本では、以前に比べれば有休が取れるようになってきたとはいえ、全体としてやはり日数は限られているし、夏休み、年末、ゴールデンウィークといった特定の時期以外には取りにくい雰囲気がある。こちらでは、特に「必然性」が無くても、有休を取りたいときに取ることは全く問題ない。もっとも、フランスでは、2月中~下旬にかけて休暇を取る人は多い。それは、この時期に、学校休暇(vacances scolaires)があり、子どもの休みに合わせて親も休暇を取るからだ。フランスでは学校休暇が実に多く、年末年始及び夏季の長い休みに加えて、冬、春、秋とさらに3回の休みがある。そして、この「冬休み」には、多くのフランス人がスキーを楽しむのである。

ローマにはこれまで3回行ったことがあり、思い入れの深い観光地の一つだ。24年前、大学3年生の春休み、学生向けの格安ツアーで、生まれて初めて足を踏み入れたヨーロッパの地は、ローマであった。そしてその1年後、今度は一人で、36日間かけてヨーロッパを回った卒業旅行の出発地に選んだのもローマである。3回目は英国財務省勤務中だが、これももう14年前になる。 

ローマは、「Da Vinci Code」をはじめとするダン・ブラウンのベストセラー小説、ロバート・ラングドンシリーズの第一作である、「Angels and Demons」(邦題:天使と悪魔)の舞台でもある。ラングドンシリーズは、「Da Vinci Code」ではパリ・ロンドン、「Lost Symbol」ではワシントン、「Inferno」ではフィレンツェ・ヴェネツィア・イスタンブール、そして最新作の「Origin」ではバルセロナと、世界の代表的な都市を、観光ガイドさながらに採り上げており、これらの都市、特に具体的な舞台となった場所の観光客増加にも少なからず寄与していると思われる。いずれ、東京や京都がその舞台となる日も来るのだろうか。 

パリからローマへは、飛行機で約2時間で着く。ローマの主要空港であるフィウミチーノ空港に前回降り立ったのは、大学の卒業旅行の最初だった。夜も遅く、係員もおらず、切符の買い方も分からないままに、同じ飛行機(最も安いアエロフロートである)で降りた日本人の学生達と、とりあえず列車に駆け込んだ記憶がある。現在は、レオナルド・エクスプレスという、市内中央駅(テルミニ駅)へのノンストップの直通列車が出ており、様変わりした感がある。 

ホテルは、ヴァティカン美術館入口に近いという一点の条件に絞って選んである。小さな中級ホテルだが、目の前にはヴァティカンの城壁が見えている。ヴァティカン美術館には、翌朝の入場を予約してあるので、まずは隣接するサン・ピエトロ大聖堂に向かう。

正面に大聖堂のファサードと大ドーム、周囲を、彫像を戴いたアーチが円形に取り囲む巨大なサン・ピエトロ広場はやはり圧巻だ。大聖堂の入場は無料だが、その前にセキュリティチェックのゲートがあり、行列が広場を一周するぐらい延びている。ある程度の混雑は予想していたとはいえ、この列の長さには驚いた。



大聖堂への入場は翌日以降に回すこととし、市内の散策に繰り出す。サンタンジェロ城の前から、天使の像が立ち並ぶサンタンジェロ橋を通って、テヴェレ川を渡る。





ローマ中心部は、比較的狭い区域の中に見所が密集しており、徒歩で充分に回ることができる。ローマの現在の気温は、今朝までいたパリよりかなり高く、冬から春に変わったようで心地よい。

ナヴォーナ広場に出ると、多くの観光客や大道芸人がおり、ローマらしい光景だ。中央にはベルニーニがデザインした四大河の噴水。その正面には、ボッロミーニ設計のサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会が建つ。ベルニーニとボッロミーニは、イタリア・バロックを代表する芸術家であり、師弟かつライバル関係にあったと言われるが、両者の競演も見応えがある。サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会はバロック様式の教会らしく、内部は豪華な装飾に覆われている。外の広場の喧騒とは対照的に、教会内は静謐で敬虔な雰囲気に包まれている。パリでは、「奇跡のメダイ教会」に入ったときに、信仰の場としての教会を実感したが、ローマではそうした場所がそこかしこにあるようだ。

「四大河の噴水」と、その向こうに見えるサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会



次は、パンテオンに向かう。道すがら、サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会に入り、カラヴァッジョの祭壇画3部作を鑑賞する。これらは、一つの美術館の目玉となるぐらいの作品だ。そして、パンテオンに入る。パンテオンとは、「万神殿」、すなわちローマの全ての神々に捧げられた神殿だ。ここには、ルネサンスを代表する芸術家ラファエロの墓もある。このローマの地において、キリスト教の教会と、異教の神々の神殿とは同居しているのは奇妙だが、日本のように、様々な宗教に対して鷹揚な面もあるのかもしれない。

サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会内のカラヴァッジョの祭壇画。黒い背景と光のコントラストがカラヴァッジョの真骨頂だ。


パンテオン


更に、ジェズ教会へと足を延ばす。

ここはイエズス会の教会であり、内部にはイエズス会の創始者であるイグナチウス・ロヨラの祭壇がある。入った瞬間には堂内は薄暗かったが、ちょうどミサのような儀式が始まり、ロヨラの祭壇画が開き、下から聖人像が現れる。そして、堂内が点灯され、まさに天上のような壁画と天井画が映し出される。この演出には、信者ならずとも心打たれる。このロヨラの祭壇の向いには、ジェズ教会のもう一つの見所、フランシスコ・ザビエルの祭壇がある。フランシスコ・ザビエルは、日本に初めてキリスト教を伝えたとされる人物だ。祭壇には、本物かどうか分からないが、ザビエルの腕の一部が聖遺物として祀られている。ヨーロッパの教会にはこのように、聖人の体の一部や、あるいは遺体そのものを、蝋などで固めて安置してあることがしばしばある。我々には少々、違和感のある光景だ。

イグナティウス・ロヨラの祭壇



祭壇画の下から聖像が現れ、照明が点灯する。




フランシスコ・ザビエルの祭壇。丸いケースの中に、ザビエルの腕の一部がある。


初日から大分歩き回り、すっかり日も暮れた。イタリア旅行で常に楽しみなのは食事である。今夜は、ローマでも一、二を争う人気のピッツェリアとしてガイドブックに載っている、「La Pratolina」に行く。席に着くとまず、無料のスプマンテのサービスがあるのが嬉しい。ここにはピザが数十種類あり、その他、前菜やデザートも色々とある。値段が手頃であるからか、日本からの学生ツアー風のグループもいるが、時間が遅くなってくると、地元客で混み出す。前菜にまず、ズッキーニの花のフライを注文する。ズッキーニは日本ではあまり食べないが、フランスでは定番の野菜で、マルシェ(市場)で売っているものなどは、非常に味が濃厚で美味しい。ズッキーニの花も食用で、南仏のニースの名物として記憶していたが、ニースもイタリア国境に近い街であり、もともとはイタリア料理なのかもしれない。衣に包んで揚げたズッキーニとその花に、ピザ専門店らしくたっぷりのモッツァレラチーズとアンチョビーが載っており、大変美味しい。そしてピザには、トマトソースとモッツァレラを主体とした王道にアンチョビーを乗せた一枚と、この店の名が付いた「Pratolina」というものを注文する。ここのピザは独特で、やや厚めだがもちもちとしている。「Pratolina」ピザには、トリュフ味のソースと、たっぷりの生ハムが載り、絶品である。とても美味しく、かつリーズナブルな店で、幸先よい旅行のスタートを切った。

ローマの夜景も美しい






左はトマトソースとアンチョビのピザ、右はトリュフソースと生ハムを使ったピザ「Pratolina」









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Last updated  Feb 28, 2018 06:18:17 AM
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