「子育てと教育の大原則」(糸山泰造著 エクスナレッジ)より
自分の子供には命令しないようにしましょう。・・・・・・
命令文から生まれる影響は「自己否定」「服従」「自尊心の消滅」「恐怖」「繊細さの麻痺」
「無視」「言葉の暴力」「理不尽な征服感への憧れ」そして、「自己存在の無意味さの強制認識(自己存在の否定)」などです。
しかも、これらの言葉がもっとも信頼すべき親からの言葉であった場合には、逃げ道がないので致命的です。他人からの言葉であれば、「お父さんじゃないから」「お母さんじゃないから」と受け流すことができるのですが、親の言葉である場合には計り知れない打撃を与えます。ですから、自分の子供には命令してはいけないのです。
「ああしろ」「こうしろ」と言うたびに「1つ才能を潰し」「1つ卑屈にさせ」「1つ憎しみを増やしている」ということを心してください。・・・・・・・・
「~しろ」の代わりに「~しようか」「~するといいね」「~してみようか」「~してくれるかな」「~するのはどうかな」「~するとすてきだな」「~してくれるとたすかるな」「~する時間ですよ」でもいいですし、事前に声をかけるようにすると、もっとスムーズに準備ができますので、「そろそろ~するといいよ」「もう少ししたら~する準備してくださいね」「きりのいいところで~を考えてね」とでも言って心の準備をさせてあげるといいですね。
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昨晩、改めて読み返してみて、ドキっとした。私の母親はおいしい食事も作ってくれたし、お日様のにおいのするふかふかの布団で寝かせてくれたりする人だったけれどやはり命令口調を使った。食事の味付けをするとき無意識のうちに舌に残っている母親の味付けを基準としてしまうように、自分が受けてきた言葉の使い方というのもなかなか意識しないと変えられないものだ。今だに私は実家の年老いた母と話すとき、そのなにげない言葉に萎縮したりすることもある。 毎日、毎日、意識しよう。せめて子供たちが12歳になるまでは毎日毎日意識しよう。