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2017.10.29
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​​ 品質マネジメントシステムなんぞに関連しておりますと、どうしても、最近のニッサンやスバルなどの「品質問題」、もっと言えば、資格認定された最終検査員出なければできない「最終検査」を、無資格の者がやっていたという件、実は、昨日の日本自動車工業会、豊田章男副会長の発言を聞いてハタと思った事がありまして、ひとつ記事を挙げるかと思いつつ、Ryu-chan6708様の記事を見ていたら、ほぼ小生の言いたいことをズバリと突いておられたので、「今更ながらな~」と思いつつも…

ニッサンの件が露わになったとき、私が真っ先に思ったのは、

 「乾いた雑巾を絞るとまで言われている自動車工業会の事だ。おそらくはトップからのコストダウンの命令に対して、現場はもう方策が無く、仕方なしに人件費の安い、認定前の要員に最終検査をやらせ、コストと生産数量の帳尻を合わせていたんだろう。だいぶ昔だが、茨城の原子燃料会社における臨界事故とまったく同じ精神構造では無いのか」

という事でした。また、スバルの不正が明らかになった時点で、トップの「品質に影響は無かったと思う」ごとき発言、これは「リスクマネジメント」において「実質上影響は無い」という発想を最も忌むべき物として扱うべきはずが、トップ自体がこの「技術屋の驕慢」に陥っている事を見せつけられたと思います。

 加えて、この事実が明らかになった後も、なおニッサンでは完成検査員の資格の無い者が完成検査を行って出荷していたという事例は、すでに「不正を前提とした生産システム」が動かせないものになっていた(正規の検査員が検査をしていたら予定の出荷台数を絶対にこなせないから、現場は悪い、マズいと知っていて、その不正を止められなかった)と推定します。

 その一方、「検査では品質は守れない。工程の安定こそが重要」とは、かのRyu-chan6708様に繰り返しご教示頂いた事ですが、果たして、昨日の豊田章男日本自動車工業会会長代行(トヨタの社長)の発言で、”検査制度については「ルールというものは絶えず状況が変わる。今がベストとなると、いろいろ止まってしまうこともある」と述べ、ルールも状況変化に応じて最適なものに見直す必要性を示唆。国と民間の両方で「より安心安全を守る方法を探り、協力していく」とした。 ”

というところに引っかかりました。報道では「法律で定められた、完成検査員の資格を持つ検査員が」というような言い回しをしておりましたが、工程の安定度が高いからこそ、今法律で定められた「完成検査」の項目と合格の基準があまりにも時代遅れになっている、実質的には大して見るところも無い完成検査に、人件費も高く、養成にも時間のかかった本物の「完成検査員」を充当することが、現場サイドでの感触では「アホらしくて、やってられなかった」 のではないかという小生の推測が、必ずしも「邪推」出ないことの傍証くらいにはなろうかと思います。

 しかも、報道で言う「法律」、実は「どのレベル」なのか?少しでも法律を囓った方であれば、国会で決議し、天皇の名で公布される「法律」、内閣で決める「施行令」、省庁で決める「施行規則」、さらに「大臣告示」や「通達」などの、「どのレベル」であったか、当然「法律」にはそんな細かいことは書いていないだろうと、推測ながら思いますが、いかがなもんですかね?これらには「利権」の臭いを感じざるを得ない物もありまして、報道をうかつに信じてはいけないと思います。

 もちろん、ニッサンやスバルを弁護するつもりは毛頭無く、さらなる鉄槌を下そうというのが趣旨でして、ISO 31000「リスクマネジメント・指針」では、「4.3.1 組織および組織の状況の理解」において、「c.外部ステークホルダとの関係並びに外部ステークホルダの認知及び価値観」を「評価し、理解せよ」と言っています。外部ステークホルダで最も重要なのは「顧客」でしょう。次には「監督官庁」でしょう。いくら技術的に「問題無い」、「完成検査員ではないが同等以上の技能を持っている」者が検査をし、実質何の問題が無かったとしても、日本人の感性は「ヤクがついた」と見なします。そこへ監督官庁の「立ち入り検査」とでもなれば、「ヤク」は決定的になります。この「空気」(山本七平氏のいう”空気”です)を消滅させることなどこれだけの大企業がやらかした不始末、そうそう簡単なことではありますまい。加えて、同指針は、同じ項目で「内部ステークホルダとの関係並びに内部ステークホルダの認知及び価値観」も同様に「評価し、理解せよ」と言っています。派遣社員、臨時社員など、待遇に不満を持つ者が相当いれば、いつ密告されるか解ったものでは無く、しかもその手段はきわめて容易なものとなっているのが昨今の姿です。

 私の持論である「法律は”破ったヤツが悪い”のではない。”破った事にされたヤツが悪い”」から行けば、各社とも、実質的に法令(どのレベルかは置くとしても)違反ですから、そもそもトップマネジメントが「アホのアホ」としか言いようがありません。

 いずれにせよ、「マネジメント」という問題から見て、劣化したと言うより、とうとう地金が出てきたのでは無いかという気がします。敗戦後、こんな神がかり的、精神論的ではダメだ、と奮起され、今日の日本の基礎を作った方々の功績にとやかく言うものではありません。しかし、明治維新に続いて、これも「無理をかけた状態」ではなかったのか?小室直樹に言わせれば、「敗戦で、村落共同体は消滅したが、なんとこれが、本来機能集団であるべき”会社”に地すべり的に転化した」のが正しければ(たぶん正しいと思います)、「身内の和を保つために、言うべきことも言わず、問題があればトップは知らなかったことにして、事務方レベルが腹を切る」という感性が、きだ みのるの作品を読んで感じる「原日本人的」感性が、事務方が腹を切って済むレベルの問題では無いのに、身内はその発想で固まって、ズルズルこういった形になってきてしまったのでは無いか?

 いやな予感ですが、日本という国、今の国際社会では「身の丈を過ぎてしまった」のでしょうか?あらゆる面において?​​





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最終更新日  2017.10.29 21:43:58
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