本末転倒カレー
勤務先の傍にあるカレー屋が、毎朝毎朝、駅頭でビラ配りをやっている。 従業員がふたり、「○○カレーです。よろしくお願いします!!」と、半ば自棄のような大声で連呼している。 朝にあの声はとても疲れる。 ぼくはそのカレーを3回食べたことがある。 最初は、テイクアウトを頼んで待つ間、寒風の下で15分くらい待たされた。店内は10席ほどしかないのに。 2回目は、表面のご飯が干からびていて、とても食べられたものじゃない。ルーはおいしかったのだが…。このご飯、いったいいつよそったんだ? 3回目は、似たような表面の干からびたご飯の上に、猛烈に辛いルーが乗っていた。過去とはまったく味が違うルー……。 こうして、ぼくとそのカレー屋の縁は切れてしまった。 病み付きになりそうな真っ黒のルーは魅力的なんだが、せっかくの昼に嫌な思いはしたくないから。 だから、彼らの行動は本末転倒だと思うのだ。 この界隈では充分に認知されているのだから、そのエネルギーを他に向けたらどうだ、食べ物屋の原点に帰ったらどうだ………。