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2008年04月03日
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カテゴリ:テレビ番組・映画

教育テレビ「知るを楽しむ」の火曜日枠「私のこだわり人物伝」で,コラムニストの天野祐吉氏がカラヤンを取り上げている。オーソドックスに生い立ちから順を追ってカラヤンの生涯が語られる感じかと思っていたら,初回からメディアとしてのレコードの話などが絡んできて個人的には楽しめた。「指揮者としてスゴイ人は他にもいるが,レコードを聴くという『複製芸術』の地位を高めたカラヤンの功績は大きい」という天野氏の捉え方が印象的。

氏によると,19世紀までは,芸術はコピーよりもオリジナルが重要だという意識が支配的だったという。絵画の写真をいくら見ても仕方ない,美術館で本物を見なければダメだ,というように。その意識を初めて変えたのが映画だ。映画にはそもそもオリジナルが存在しない。各地の映画館でスクリーンに映写されるコピーがそれぞれオリジナルのようなものだ。ただのコピーであり娯楽でしかなかった映画は,黎明期の巨匠たちの尽力により芸術として認められるようになる。


しかし音楽では,レコードによる録音技術が発達しても,「コピーよりオリジナル」という意識は依然強かった。レコードという「缶詰音楽」を聴くということは,コンサートで聴いた演奏を再現することに過ぎず,生演奏よりも下だと見なされていた。(もっとも,こういった意識は現在でもあるかもしれない。個人的には,オーディオとライブでは求めているものが本質的に違うように感じている。この方の説明がしっくりくる。)それを変えたのが,録音時のテープ編集だ。グレン・グールドカラヤンらは,曲ごとに何度も録り直しもっとも良い演奏だけをつなぎ合わせ,時には曲中でも部分的にテープ編集を行い,理想の演奏を追求した。


こういったテープ編集をツギハギ演奏だ,邪道だと非難する向きもあるが,カラヤンは世界各地を演奏旅行で周り,指揮者としての実力を見せつけることで,こういった批判を跳ね返す。このあたり,ライブを否定したビートルズと対照的かもしれない。ビートルズはライブ活動を停止することでスタジオ録音の技を磨き,ライブでは決して聴くことができない,レコードの音の価値をよりいっそう高めた。

4月8日の早朝に再放送があるようだ。第2回はカラヤンの「見せる指揮」ということで,視覚が聴覚に与える影響などにも触れられるかもしれず,楽しみ。最近テレビでよく見かける天野祐吉氏は独自のCM評などがおもしろいが,この「カラヤン」もクラシック専門家にはない彼らしい取り上げ方が良い。

余談だが,続いて11時から放送された爆笑問題のニッポンの教養は「編集工学」についてで,話題が何となくリンクしているようでおもしろかった。そういえば今回の松岡正剛氏は同じ「私のこだわり人物伝」で白川静を語っていた。「知の巨人」と呼ばれるだけあって,さすがに幅が広い。



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最終更新日  2008年05月17日 15時49分08秒
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