3.ニューカッスル病(にゅーかっするびょう) |
ウイルス名 | ニューカッスル病ウイルス(Newcastle disease virus) |
特 徴 | ニューカッスル病ウイルスは、パラミクソウイルス科に分類されるマイナスで、1本鎖のRNAウイルスでエンベロープを保有している。
鳥類における感受性は広く、50目の鳥類の内、27目236種で自然または実験感染が成立する。
鶏、ホロホロチョウ、七面鳥、クジャク、ウズラ、キジなどは最も感受性が高いが、ガチョウ、アヒルは発病しにくい。
自然感染が認められている野鳥は50種以上にのぼり、分離されるウイルスの病原性も一様ではない。しかし、病原性の強弱はF遺伝子の配列で、ある程度推測できる。感染鶏から鼻水、涙、排泄物に多量のウイルスが排泄されて、鶏群内で伝播する。ウイルス保有鶏の導入、感染野鳥の侵入、汚染物あるいは人による持込によって他の鶏群に伝播する。
発症鳥は、緑色下痢便、奇声や開口呼吸などの呼吸器症状、 脚麻痺や頚部捻転などの神経症状を示す。
肉眼所見では、腺胃や盲腸扁桃などに見られる出血性潰瘍が強毒株の感染鶏の特徴的な病変である。 |
被害状況 | 日本ではワクチン普及以降、1992年から発生は激減している。
1999年11月にはワクチン未接種愛玩鶏に発生があった。 |
防除法 | 診断法としては、ウイルス分離およびペア血清でのHI抗体価上昇などをみる。
ワクチン接種によって日本ではほとんど制御されている。
愛玩鶏から分離されるウイルス株も鶏に対する病原性、遺伝子配列から強毒ウイルスと考えられるので、今後も注意すべき伝染病である。 |
その他 | ニューカッスル病に罹った鶏は、通常は産卵が停止する。万一、その鶏が卵を産み、それを人間が食べたと
してもニューカッスル病のウイルスは人には感染しない。ニューカッスル病は、鶏の病気である。
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