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七国峠の たまご    -小林養鶏農園-

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たそがれの写真家@ Re:猛暑と大雨 そして秋(11/01) お久しぶりです。 最近の異常気象は本当に…
2006年03月24日
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カテゴリ:自然卵
鶏の代表的な病気をご紹介します。当園では体力を維持し病気にかからないか、軽くすむよう研究しております。

1.家禽コレラ(かきんこれら)
ウイルス名家禽コレラ菌(Pasteurella multocida)
特 徴家きんコレラの病原体は、Pasteurella multocida(パスツレラ ムルトシダ)と呼ばれており、グラム陰性の短桿菌(たんかんきん)で、血液寒天上に良く発育する。この菌は莢膜およびO抗原の血清型で15型に分類され、そのうち血清型5:A、8:A、9:Aが、鶏、あひる、七面鳥、うずらの家きんコレラの原因菌となる。症状は、集団的に相次いで急性経過で倒れ、皮下の出血、漿膜面の点状出血、心外膜面の点状出血、肝臓の多発性巣状壊死がみられ、多くは急死する。菌を含む飼料や飲み水による経口感染が多い。
日本に存在していないといわれているが、家畜伝染病に指定され、海外病の一つである。
被害状況70%以上の急性敗血症で死亡する。
家禽コレラの発生は日本では確認されていない。(我が国での発生はない)
防除法特にない。
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2.家禽ペスト(かきんぺすと)
ウイルス名トリインフルエンザAウイルス(H5およびH7亜型)の強毒株
特 徴家禽ペスト型強毒株を含むA型インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に分類されるマイナスで、8分節のRNAウイルスでエンベロープを保有している。
トリに感染するA型インフルエンザウイルスのH5およびH7亜型の中には鶏、七面鳥、あひる、うずらに全身性に感染し100%近い致死率のウイルス株がある。これを法定家畜伝染病と定義している。
1997年香港では、家禽ペスト型ウイルスに感染した18人中6名が死亡する症例があり人獣共通感染症の一面も考慮しなくてはならない。
被害状況1997年にイタリアでH5亜型、オーストラリアでH7亜型による家禽ペストが発生した。現在、世界中に蔓延しつつある。
防除法診断法としては、ウイルス分離が決め手となる。
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3.ニューカッスル病(にゅーかっするびょう)
ウイルス名ニューカッスル病ウイルス(Newcastle disease virus)
特 徴ニューカッスル病ウイルスは、パラミクソウイルス科に分類されるマイナスで、1本鎖のRNAウイルスでエンベロープを保有している。
鳥類における感受性は広く、50目の鳥類の内、27目236種で自然または実験感染が成立する。
鶏、ホロホロチョウ、七面鳥、クジャク、ウズラ、キジなどは最も感受性が高いが、ガチョウ、アヒルは発病しにくい。
自然感染が認められている野鳥は50種以上にのぼり、分離されるウイルスの病原性も一様ではない。しかし、病原性の強弱はF遺伝子の配列で、ある程度推測できる。感染鶏から鼻水、涙、排泄物に多量のウイルスが排泄されて、鶏群内で伝播する。ウイルス保有鶏の導入、感染野鳥の侵入、汚染物あるいは人による持込によって他の鶏群に伝播する。
発症鳥は、緑色下痢便、奇声や開口呼吸などの呼吸器症状、 脚麻痺や頚部捻転などの神経症状を示す。
肉眼所見では、腺胃や盲腸扁桃などに見られる出血性潰瘍が強毒株の感染鶏の特徴的な病変である。
被害状況日本ではワクチン普及以降、1992年から発生は激減している。
1999年11月にはワクチン未接種愛玩鶏に発生があった。
防除法診断法としては、ウイルス分離およびペア血清でのHI抗体価上昇などをみる。
ワクチン接種によって日本ではほとんど制御されている。
愛玩鶏から分離されるウイルス株も鶏に対する病原性、遺伝子配列から強毒ウイルスと考えられるので、今後も注意すべき伝染病である。
その他ニューカッスル病に罹った鶏は、通常は産卵が停止する。万一、その鶏が卵を産み、それを人間が食べたと
してもニューカッスル病のウイルスは人には感染しない。ニューカッスル病は、鶏の病気である。

4.家禽のサルモネラ症(かきんのさるもねらしょう)
ウイルス名ひな白痢菌、鶏チフス菌
特 徴この菌はひな白痢の病原体であり、Salmonella Pullorum(サルモネラ プローラム)と呼ばれている。
ひな白痢は、家禽サルモネラ感染症のうち家畜伝染病に指定されている2週齢までの幼すうの疾病である。
本菌は卵黄に菌が含まれる「介卵感染」で広がり、幼すうの白色下痢を伴う敗血症死する急性疾患である。 
成鶏では菌が臓器や組織に潜み、無症状な保菌鶏となることが多い。
鶏チフス菌(Salmonella Gallinarum:サルモネラ ガリナルム)は、ひな白痢菌と血清学的には同一であるが、生化学性状や病原性が異なっている。
一般的には鶏チフス菌は 成鶏に対して病原性が強い。
被害状況日本では、1923~1924年にかけて確認されて以来、全国的に発生してきた。その後、我が国では全血急速凝集反応による保菌鶏の摘発淘汰が進み、最近の本病の発生は著しく減少し、ほぼ撲滅された。
日本では、鶏チフスの発生はない。
防除法ひな白痢は、全血急速凝集反応あるいは血清凝集反応により保菌鶏を摘発淘汰(とうた)し、種鶏群を正常化する。鶏チフスもひな白痢と同様に対処する。

5.鶏 痘(けいとう)
ウイルス名鶏痘ウイルス(fowl poxvirus)
特 徴鶏痘ウイルスは、ポックスウイルス科アビポックスウイルス属の2本鎖DNAウイルスで、エンベロープを保有している。
成熟ウイルス粒子の形態はレンガ状で、250nm×354nmである。ウイルスDNAのサイズは288kbp、GC含量はおよそ35%である。監視伝染病の対象になるのは、鶏とうずらである。
気管や口腔、食道などな粘膜に病変が形成される粘膜型では接触感染により伝播する。この型の発生は、晩秋から春に多く発生する。夏にカやヌカカによる機械的な伝播による発生では、皮膚に病変が形成される皮膚型の鶏痘が起こる。鶏の潜伏期間はおよそ4日である。
致死率は、粘膜型でやや高いが、2次感染がなければ低い。鶏痘は、鶏の種、齢、性などに関係なく一様に感染し、開口呼吸、鼻汁漏出、顔面腫脹などの症状を示し、皮膚には丘疹・びらん・痂皮を形成したり、粘膜にチーズ用皮膜を形成する。
被害状況鳥類における痘瘡は古くから認められており、1929年Woodruffらはウイルスを分離している。
この病気は、日本を始め世界中に常在している。
現在はワクチンの普及や衛生管理技術の向上により鶏痘の被害は著しく減少している。
防除法臨床・疫学検査と、肉眼病変や細胞室内封入体(ボルリンゲル小体)の検出から診断が可能であるが、確定
診断にはウイルス分離・同定が必要である。
ウイルスを接種された鶏胚の漿尿膜には、白色で大型のポックができる。生ワクチンを翼膜に接種して、接種部位にポック様病変(発痘:はっとう)が認められれば、このワクチンは有効である。

6.マレック病(まれっくびょう)
ウイルス名マレック病ウイルス(Marek's disease virus-MDV))
特 徴MDVはヘルペスウイルス科アルファーヘルペスウイルス属のエンベロープを持つ2本鎖DNAウイルスで、3つの血清型があり、そのうち1型のみに病原性がある。
MDVの病原性の程度は株により様々で、非病原性株、弱毒株、病原性株、高度病原性株に分類できる。
ウイルスは皮膚の羽包上皮細胞で増殖し、フケと共に皮膚から環境に放出され、この汚染したフケが気道から侵入することで鶏は感染する。
ヘルペスウイルスであるMDVでは、環境へのウイルス放出が常時起こるためウイルスの伝播力は大変に強い。
マレック病はCD4陽性のヘルパーT細胞の腫瘍で、神経及び内臓に腫瘍病変を作る。侵された末梢神経は腫脹し浮腫を起こすため、病鶏は脚弱、翼麻痺、斜頚などを示す。また、内臓の腫瘍は病原性の強いMDVによるもので、鶏は高率に死亡する。
マレック病の組織病変は、大小リンパ様細胞の増殖からなる腫瘍性病変と、大小リンパ球の集まった非腫瘍性反応性病変からなる。この組織病変が他の腫瘍性疾病であるリンパ性白血病や細網内皮症との類症鑑別の決め手である。

続く。





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最終更新日  2006年03月24日 19時13分09秒
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Re:鶏の病気   匿名 片岡 さん
名古屋コーチンをペアで飼育していますが オスの方が最近歩き方がおかしく 関節が外れる様な感じで歩いています。餌は良く食べますし、メスと庭で遊んでいますが気になっています (2010年07月27日 01時04分00秒)

Re[1]:鶏の病気(03/24)   小林養鶏農園 さん
動物衛生研究所です。参考にして下さい。
http://niah.naro.affrc.go.jp/index-j.html (2010年08月13日 23時07分15秒)


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