テーマ:映画鑑賞(1113)
カテゴリ:洋画-1970年代
★★★
鑑賞No:01990 製作:1971年 監督:アラン・J・パクラ 出演:ジェーン・フォンダ/ドナルド・サザーランド 科学者トム・グルンマンが行方不明になって数ヶ月。グルンマンの友人で私立探偵のジョン・クルートはグルンマンの捜索を依頼され、唯一の手がかりであるコールガールに宛てた手紙をもとに、売れっ子のコールガール、ブリーに近づく。しかし、ブリーは最近、彼女の身の回りで起こる不気味な出来事もあり、口を閉ざすが・・・・。 ちょっとスローペースのサスペンスで、途中退屈さも感じてしますが、後半の謎解きの期待は膨れる展開となっている。ただし、意外性や大ドンデン返しはないので、期待が膨らみすぎると落胆も大きい作品。 作品ジャンルはサスペンスながら、観ているとコールガールと私立探偵の淡いロマンス映画でもあります。また、当時の大都会ニューヨークで女性一人が生きていく大変さ、孤独感を良く描いた映画ともいえます。ジェーン・フォンダはこの作品でアカデミー主演女優賞を獲得しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
1971年製作じゃ随分古い映画ですがジェーン・フォンダがアカデミー主演女優賞を取った映画じゃ見たくなりますね。
早速探して見ます・・・有難うございました。 (2011年02月04日 01時30分13秒)
いつも楽しく、この「シネマ大好き!」を見ています。
ここで紹介されている、映画の数々により、かつて観た映画の事が走馬灯のように甦ってきます。 紹介されている映画について、私の感想もコメントしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。 私は1970年代の映画が、特に好きで、それぞれ愛着のある作品が多いですね。 そして、今回紹介されている「コールガール」について。 "屈折した人生を送る女と私立探偵の男の心のふれ合いを中心にコールガールの生態や大都会の断面を鋭く捉えた秀作ミステリー 「コールガール」" この映画「コールガール」の主演女優のジェーン・フォンダは、1960年代後半にヴェトナム反戦運動に目覚め、自分自身でFTAという反戦グループを設立し、その反戦運動の同士でもあった、ドナルド・サザーランドとタッグを組んでこの映画に出演した、いわば、1970年代を象徴する女優だと言えます。 監督は、当時、デビュー作のライザ・ミネリ主演の「くちづけ」を撮り、後に「大統領の陰謀」という社会派の政治サスペンス映画の秀作を、そして「推定無罪」というサスペンス・ミステリーを撮ったアラン・J・パクラで、当時、バリバリの反戦女優でラディカルなイメージだったジェーン・フォンダから最高の演技を引き出し、この一作を契機に演技派女優へと開眼させていったのです。 ペンシルヴァニアにある研究所の科学者グルマンが、謎の消息を絶って数カ月。彼の上司ケーブルは、警察の捜査がはかどらないのでグルマンの幼友達で警官のクルートに依頼します。 そして、私立探偵になったクルートは、ニューヨークで生計を立てて、舞台女優を目指しているというコールガールのブリー(ジェーン・フォンダ)に宛てて、グルマンが書いたという猥褻な手紙を手掛かりに捜査を始めます。 クルートはブリーに捜査の協力を求めますが、警察への恨みを持つ彼女は、冷たく彼を追い返したりします。 そこで、クルートはブリーと同じアパートの一室を借り、彼女を監視する中で、ブリーの心が和らぎ、やがて彼女の協力でクルートの捜査線上に、意外な人物が浮かび上がって来て。 この映画の邦題から受ける印象は、何かアメリカのコールガールの生態でも描く風俗映画のような感じですが、ところが、この映画は大都会ニューヨークに渦巻く甘美な情事の謎を、ハードボイルド・タッチで解明していくミステリー仕立てになっています。 そして、この映画の最大の見どころは、私立探偵となったクルートが丹念に謎を解いていく過程と、彼と舞台女優志願のコールガール、ブリーとの人間的な反目と結びつきに、このドラマの面白さが秘められていて、それと併せて、ニューヨークという砂漠のような荒涼とした大都市に住む人間の"無限地獄のような孤独や不安定な心理"に焦点を絞って描いた、優れた心理ドラマになっているのです。 そして、このジェーン・ファンダが演じるブリーという女性の、大都会の中で他人との深い関わり合いを持つ事を極力嫌うヒロイン像というのは、人間同士のコミュニケーションが希薄になっている現代社会の在り方を象徴する人物像になっていて、華やかできらびやかに見える大都市生活の裏側に潜む感情を、醒めた眼で冷ややかに見つめるアラン・J・パクラ監督の演出のうまさに引きずり込まれてしまいます。 また、ブリーという女性の全てを受け止める男の役を静かな抑えた演技で好演するドナルド・サザーランドのうまさにも唸らされます。 ニューヨークのハーレムでの現地ロケを敢行し、大都会の裏側の生々しい生態をリアルに映像化したゴードン・ウィリスの撮影が、我々観る者の心に冷え冷えとした臨場感を持たせる効果を与えてくれます。 (2023年02月20日 17時07分49秒) |
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