水上・尾瀬ツーリング半年振りにまともなツーリングに出掛けました。 とりあえず群馬と新潟の県境に跨る谷川岳の絶景ポイントを目標に、関越自動車道に乗って北上。 2006年7月14日(金) 朝の6時過ぎに自宅を出発し、世田谷通りから渋滞が始まろうとしている環八で練馬ICへ。 練馬から目的地のICまでは距離的には140キロちょっとなので、トロトロペースでも2時間で水上ICへ到着。 今月に大型自動二輪を取得したが、大型バイクなら高速はさぞかし楽だろうなぁ。 もし高速をこの先進めば、10キロ以上ある長い関越トンネルをくぐってもう新潟県である。 インターを出て国道291の終点を目指す。 山間で救助訓練のようなものをしていて、ヘリコプターが間近に着陸するのを見れた。 国道はだんだん狭くなり、山の奥深くへと入って行く。 そして目の前に断崖絶壁の絶景が視界に入ってきた。 9時過ぎには目的地の一の倉沢へ到着。 駐車場には3台程の車しかいなかった。 登山途中の光景ではなく、駐車場の目の前でこんな絶景が見れるから不思議だ。 残雪のとの境目もすぐそこだし、登山道はここからスタートになる。 画像をクリックすると拡大します。 写真を撮っていたおじさんが話し掛けてきてくれました。 「これから登るの?」 「いえいえ、僕はこんな山登れる腕と体力はないですよ。」 「そうなんだ。一見登山者の格好にも見えなくはなかったから。笑」 確かに今日はリュックに荷物を詰め込んで持って行っただけなので、ジャケットも着ていたしでそう見えるかも知れない。 おじさんは目の前の山には何度も登ったらしく、コースを周ると13時間程かかるようだ。 頂上からの景色は素晴らしく、ここの駐車場なんか豆粒にしか見えないって。 13時間かぁ・・・。 上からの景色も見てみたいが、とてもじゃないが素人には辛そうだ。 現にこの山は遭難者も多く、登山道の入り口付近には多数の石碑が岩や土の壁に埋め込まれていて、花が手向けられていました。 見るからにとても涼しい気持ちの良い場所で、自然の冷風が吹いてくる。 水もとても冷たい。 まさしく大清水っていうやつ。 ここの雪は夏でも完全には溶けないのかな? ネットの情報通り、写真で見るよりも実際に行って見た方がスケールの大きさを実感できました。 さて、次は元来た道の途中にあった有名な駅を見に行く事にする。 日本一のモグラ駅と言われているJR上越線の土合(どあい)駅だ。 道端のベンチで休憩。 JR上越線土合(どあい)駅。 駅前の広場は全て砂利で、バイクを乗りつけるのにひと苦労。 電車の本数が一日に数本しかなく、お客や駅員さんは誰も居なかった。 普通はホームに入るには入場券が必要だが、券売機もないし誰もいないのでそのまま改札を突破。 この駅、上り大宮・上野方面のホームはそのまますぐの地上にあるのだが、下り長岡・新潟方面のホームは486段の階段を下りた地下にあるのだ。 どうしてこのような作りになったのかというと、土合駅からの下り方面は次はもう上越国境になり、さっき一の倉沢を見てきたあの谷川岳を、長大なトンネルで越えていることに関係しているようです。 つまり土合駅の下りホームは長大なトンネルの途中にできているってことだそう。 無人という事と建物が古く、地下の下り線へは薄気味悪い通路を奥へと進んで行く。 そしてありました。 地下深くへと続く、無数に下りていく階段が。 何と下の方は靄がかかって見えなくなってました。 画像をクリックすると拡大します。 へなちょこな私は下の不気味さと上りの辛さを考えて、下のホームには行きませんでした。 下り線を利用して苦労して階段を上って来たお客さんに、ねぎらいの言葉が掛けられています。 でもこの駅を利用するお客さんのだいたいは登山客らしく、こんな階段はへっちゃら? 見学して待合室で休んでいると学生らしき10人位の集団が車で乗りつけて、見学しに例のホームへと消えていった。 やっぱり有名な所なんですね。 次は「夏が来れば思い出す遥かな尾瀬・・・」の歌で誰にもなじみの深い場所で有名な尾瀬へ向かうことに決めた。 しかしまだこの時は辛い登山をしようとは思ってもいなかった。 国道291から県道水上片品線を30キロほど進む。 車が少なく、かなりいいペースで狭い山間のルートを走ることが出来ました。 前の車に追いついても、何度もすぐに譲っていただきました。 やはりこういった狭いステージはSRVの得意なジャンルであり、軽量な普通自動二輪でひらひらとコーナーをクリアしていく楽しさも忘れられない。 11時半に大清水の駐車場に到着。 ここは尾瀬沼に向かう登山道の入り口だ。 ここから尾瀬沼までは6.5キロで片道2時間以上は見なくてはならないが、せっかく来たので写真でしか見たことのなかった尾瀬の湿原をこの目で見たいと思った。 そんな訳で、ひと口サイズのあんドーナツ10個入りとペットボトルの飲料を売店で買い込み、尾瀬沼に向けて歩み始めた。 ・大清水(駐車場・売店) →→ 一ノ瀬(休憩所) = 登り 1時間 傾斜の緩い普通の林道を3キロ程歩く。 ・一ノ瀬(休憩所) →→ 三平峠 = 登り 1時間30分 ここから残りは傾斜のきつい登山道へ。 ・三平峠 →→ 三平下(休憩所・売店・山小屋) = 下り 10分 三平下へ下ると、目の前には尾瀬沼が広がる湿原地帯へ。 一ノ瀬までは緩い傾斜なのですが、やはり上りであることには変わらないし砂利道で歩きにくい。 ヘビが道を横切ったりしてビックリ。 すれ違った人は1人だけで、今日は平日だから全然人が居ないのかなと思っていたけど、そんなことはなく後で分かりました。 一ノ瀬の休憩所まででちょっと疲れ始めた。 一ノ瀬の休憩所で少し休み、再び出発。 ここからは本格的な登山道になった。 傾斜もきつくなり、道幅もぐんと狭くなる。 ここでは沢山の登山者が下山してきた。 自然教室かなんかで訪れた小学生の集団や年配のグループなど、やはり有名所なので人は沢山居ました。 私は登山初心者なので、みんな右側通行で、すれ違った人からは「こんにちは」の挨拶が掛けられたりで少しとまどい気味。 小学生の子供達も元気に挨拶してきました。 どこの売店でもゴミ箱は存在しないのでゴミは必ず持ち帰り、トイレはチップ制だった。 この辺一帯は国立公園で、登山ハイキングのマナーなのですね。 それが分かると、私からも積極的に挨拶しました。 ただし前から団体さんが来られると大変です。笑 実際に熊よけの鈴が付いた杖を持った登山者も多かったです。 私は何もない・・・。 いやー、しかしはっきり言って登山は辛い。 ちょっとしたハイキングコース位なのかと甘く見ていましたよ。 もう汗だくで拭いても拭いても顔から汗が湧き出て、顔の熱気で曇ったり汗の滴でメガネが見難くなるし、Tシャツも雨に降られたようにびしょびしょに。 温泉に入る予定だったので、タオルは持参して来てたんで良かった。 水分も常に補給。 ちゃんとしたハイキングシューズや登山靴ではないので、やはり足も痛くなってきたし。 まぁ、これもいいトレーニングになったであろう。 登山道の脇にある岩清水と呼ばれる湧き水。 雨が豊富なこの地帯では所々に水が流れていて、登山者の喉を潤しているようだ。 すごく冷たくて自然のミネラルウォーターで、私もペットボトルに詰め替えて先を進む。 すれ違う人が途切れて1人になると、辺りは清流のせせらぎの音と鳥の綺麗な囀りしか聞こえなくなる。 癒されます。 13時過ぎに三平峠到着。 ここを過ぎると少し下りが続き、すぐに尾瀬沼の目の前の三平下へ。 ようやく目的地である尾瀬沼へと辿り着きました。 三平下でベンチに座って休憩し、下で買ったあんドーナツの甘い物で体力を回復。 足もマッサージしました。 ここからは尾瀬沼の外周である湿地帯コースを1時間程散策。 残念ながら天気は曇りがちでしたが、素晴らしい景色と自然が拝めて疲れを忘れさせてくれました。 画像をクリックすると拡大します。 水芭蕉の花は咲いていませんでした。 調べると春から初夏にかけて咲くみたいで、ちょうど咲く時期が終わった感じですね。 葉が芭蕉の形に似ているのでこの名前が付いたようです。 再び三平下に戻ってベンチで休憩し、14時半に元来た道を引き返して下山開始。 またあの行程を戻る事を考えると辛いですが、戻らなければ帰れない。 ほとんどは下りになるので時間は早くなるが、無数の段差を下る時に膝に負担がかかりそう。 途中で雨が降ってきました。 しかしなぜだかリュックの中には折りたたみ傘が入っていたので難を逃れる。 下山するにつれて雨は止み、木々の間から日差しが入ってきました。 16時半過ぎに、無事に大清水の駐車場へと下山する事が出来ました。 もう足が痛くて痛くて。 でもやはり何か達成感みたいなものを感じられたので良かった。 往復17キロ以上の登山ハイキングで、いい運動になりました。 また無理し過ぎ? 大清水でしばらく休んで、再び5時間ぶりのバイクに跨る。 次は帰るついでに登山の汗と疲れを取るため、温泉へ入ることにした。 今回は事前に調べていかなかったので、これといって決めている場所はなかったのだが、幸い群馬県のこの周辺には沢山の温泉地がある。 とりあえず大清水から少し下った帰り道の尾瀬戸倉温泉で探してみる。 目に留まった旅館の日帰り入浴を利用。 看板には日帰り入浴は16時までと書いてあって時間はすでにオーバーしていましたが、直接聞いてみると全然OKとの事でした。 ラッキー。 先客が2人居ましたが、私と入れ替わりに出た感じなので浴室は私1人で貸切状態に。 いやー、いいお湯でした。 これぞまさしく極楽です。 尾瀬温泉「戸倉の湯」 アルカリ性単純硫黄温泉です。 疲れもだいぶ取れて、さっぱりしたところで17時半に出発。 途中給油をして、帰路に着くために関越自動車道のインターを目指す。 赤城山付近の田園地帯。 その後、18時半に関越自動車道を昭和ICから帰りました。 川越ICを越えて三芳パーキングエリアまで一気に走って休憩し、練馬ICから混んでいる環八をひたすらすり抜けして、21時半に自宅へ無事に到着。 もう平日のツーリングはこれで最後になりそうです。 お疲れ様でした。 後で知ったのですが、20時50分頃の関越自動車道の所沢IC付近で、自転車で本線を走行していた人が何台もの車に轢かれて亡くなったそうです。 私が所沢ICを通過して10分後の出来事でした。 3時間通行止めになったそうです。 走行距離 460キロ 戻る |