情報子(11) 構子(1)
6番目は構子です。 文の枠組みとなるものや、語と語のつなぎ、文のつなぎになるものを構子と呼びます。 接続詞なども基本的に構子に入るほか、only のように文全体を捉えて何らかの価値、意義などの判断を下すものは構子と考えることができます。 clearlyに関してはすでに書きました。動子に直接かかるものとちがって、文全体を受けて「~であることは明らかである」のように文をまとめる働きがあります。英語では前に来ますが、機能そのものはこれとまったく同じです。動子で終わる言語と動子が主語の次に来る言語とでは、構子の使い方がまったくちがうわけです。 そういうことを頭に入れないで、なんでもかんでも英語の語順で訳す人がいますが、これは明らかに間違いです。 Surprisingly, Interestingly, それぞれ「驚いたことに」、「興味深いことに」と訳す人がいますが、Surprisinglyであれば、「~であるとは驚きである」とする選択肢も、単にさりげなく「なんと」を入れておく方法もあります。Interestinglyも同じような方法で処理することができます。 それにしても、こういうものをいったいどこまで機械的に処理できると思っているのでしょうか。せっかく翻訳者が「驚き」がわかる文にしているのに、わざわざその前にもう一度「驚いたことに」をつけるチェッカーがいます。 Importantlyまでは「重要なことに」(もちろん、変ですが)かろうじて日本語になります。でも、Increasinglyと来たらどうするつもりなのでしょう。まさか「増大しつつあることに」とでもする気なのでしょうか。 情報子の考え方はそういう猿芝居に終止符を打つためのものです。