初心者のアプローチ(1)
ある小学生のお母さんから「息子(小4)がトランペットを始めるのですが、上級生の音を聞いているととても変な音なのですが・・・・」という質問がありました。そこで、初めて楽器を持つ小学生の練習方法や注意点をまとめて書いてみようと思います。今までの記述と重複する部分も多いと思いますが、楽器を吹けない親御さんや小学校の先生向けになるべく噛み砕いた説明をするつもりです。また、ご意見・分かり辛い部分の用語についての解説についてのお問い合わせ等は、メールまたは掲示板にお寄せ下さい。トロンボーンを始める際にも共通点があると思いますので、参考にしてください。小学生の殆どが楽器を始めるとき、音の出し方を専門の先生に習えることはまれだと思います。そこで子供たちは上級生の音を聞き、どのように音を出すかを想像するところから練習が始まるのが普通です。ここで殆どの子供が想像することは、唇をぴったり閉じて息を出し、ビーという音を出している(口でおならの真似をする要領)と考えるようです。初心者(すでに何ヶ月か吹いている子供)に音はどうやって出しているか質問すると、閉じた唇に息を強く吹き込む(バズィングもどき)をしていると答えが返ってきます。ここで第一の問題が発生します。マウスピースのみを使った音出しやバズィングは上級者(音の出し方を知っている人)がやる場合には問題はないと思いますが、初心者がやる場合唇が振動(本当に唇が振動するかどうかの話は別として)しづらいため、どこかに抵抗が必要になります。そこで殆どの子供は首を下げる又は下顎の下側に力を入れることで唇の振動を得る方法を無意識のうちにとっています。(特にトロンボーンの子供に顕著に現れるようです)みなさんもお試しいただけばおわかりになると思いますが、マウスピースだけで口にあて通常より広めのアパチュアをつくりゆっくり息を出し(このとき唇が振動しないように)首を下げてゆくと唇が振動を始めるのです。もう一つの悪い吹き方である顎の下側に力を入れる方法でも同じ結果が得られます。(これを試す場合は顎の下側を指で押してみると良いのではないでしょうか)この方法で唇の振動させると、音がつまり(上ずり)おなじみの小学生サウンドが出せます。しっかりした発音のできる方が、楽器をつけて同様のことをすれば音色に相当悪い影響があることを実感できると思います。顎の下側からのどにかけてのリラックスして、のどを閉じないで発音させる練習をさせて下さい。できればマウスピースだけの練習は、上記の留意点を踏まえた上で音が出せるようになるまで避ける方が賢明だと思います。首を下に向けない、顎下に力を入れないを守って正しい発音を身に付けてください。次回は息について書こうと思っています。