|
カテゴリ:浄土ヶ浜殺人事件
「……」 いままで、90歳近い高齢でも、かくしゃくとした老人にばかり出会ってきた美雪は戸惑った。 自分の祖父も、藪中荘の家主の雲隠徳蔵も、歩行、記憶ともにしっかりとしている。 加齢にともなう物忘れはあるが、よく見る人の顔を忘れるということはない。 そして、秋山の肥満した体格と、トイレの近さを見ると、糖尿を抱えているのは明らかだった。 (ストレスの多い人生だったんだわ…あまりに、周りに気を遣いすぎて過ごすと、かえって物忘れが激しくなるって聞いたことがあるもの) 美雪は思った。 これ以上、何も起きまいと思って部屋へ戻ると、宮蔵がテーブルに両肘をつき、頭を埋め込んでいた。 「藤原さん、あなたが通う大学の歴史の設立過程は、まだ大正時代に行ってませんよ」 「秋山さんは、トイレに立ったきり忘れちゃったんですよ」 「じゃ、明日から続きがあるのですか?…それとも、また最初からですか?」 「そんなこと、わかりませんよ~」 美雪は困った。 「しかし、災難ってあるものですねぇ…執事が、歩くのすらおぼつかない老人を引き連れてこようとは」 「大丈夫でしょうか。秋山さん、具合が悪そうだったわ」 「あの、小林静という体育教師は、介護福祉士の資格を持っているそうなので、あまり心配はありませんが、いざ体調が悪くなったとき病院はどうしようかな。かかりつけ医は…」 宮蔵は腕組みをして考え込んだ。 「看守が介護福祉士!?」 「彼は県立保健大学出身なので…しかし、いまの20歳代は基本的に、優しいですね」 「…ほんと、人は見た目によらないわ。それなら、さしあたり安心でしょう」 美雪はほっとした。 <つづく> ☆こちらの小説は、2009~2010年にBlogで連載していたものです。 ☆人気ブログランキングに参加しています。トップページのバナーをクリックして下さると嬉しいです。 ランキング参加中です。 励みになります、ポッチをお願いします 人気ブログランキングへ おかげさまで、20位以内です。 みなさまありがとうございます<(_ _)> ☆連載ミステリー『浄土ヶ浜殺人事件』は、無料メルマガ『まぐまぐ!』 でも配信中です。 登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ここ数日、晴天と昼の蒸し暑さが続いていたので、早朝の水やりに出ていました。 夜は冷えてくるけど、なんだ、かんだ言ってまだ気温が高めなんですね。 水やりだけでいいか、と思っていたら茄子が実っていたりして驚いています。 10月半ばで、このくらい収穫ってめずらしいです。 この時期は皮が固くなってるから、浅漬けには合わず、茄子炒めにしていただきました。 味が濃くなって美味しいです~ きのうの夜、朝日ニュースターでフィギュアを観ようとしてたら、野球に変わっていました(^^;;; もうシーズンもクライマックスですからね~ 野球はそろそろストーブリーグの時期ですね。それとサッカーも。 サッカーでは嫌な話がありましたね。 フランスの国営TVででGKの川島選手をからかった話ですが・・・ さすがに、失笑すらできない話だった かなり昔から思ってることですが、外国のコメディアンは本当に質が悪いんですよね・・・ 日本でもバラエティの企画には賛否両論渦巻くけども、外国のTVは悪質すぎる時がありますね。 ずっと前、アメリカでは大統領だったクリントン氏の娘チェルシーさんの容姿を(歯の矯正中)マネしてこき下ろす、なんて朝飯前でしたから・・・ とにかく容姿に対するバッシング(西洋欧米社会では最低の行為)が凄かったんですが、現在チェルシーさんはキレイに成長して国会議員と結婚しました。 とてもじゃないけど、コメディアン達がたちうちできる立場の人ではないのです。 意外と、日本人より嫉妬深く執念深いんですよ、白人社会というのはね・・・ そんな中で川島選手に対するバッシングが続くというのは残念をとおりこして吐き気を催しました。 本人はBlogで大人の対応をしてるけど、観てるほうの腹の虫はおさまらないですよね。 フランスの国営放送による、日本に対するバッシングでもありますから、これはフランス人の総意と思っていいでしょう。 あ~、最近続く海外から入る子供じみた話にうんざり。
頭にきたから、もっと応援するわ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 17, 2012 02:23:08 AM
[浄土ヶ浜殺人事件] カテゴリの最新記事
|