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November 15, 2012
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カテゴリ:浄土ヶ浜殺人事件

(たしかに賢い犬だわ。皆、おなかをすかせていてストレスもたまっているのに、暴れもしないで、ドッグフードの順番がまわってくるのを待ってる。…自分の分がちゃんとある、というのをわかってて、大人しく待ってるんだわ)
 美雪は、劣悪な環境の中で、なんのしつけもないまま成犬になっても、どこかきちんとしているその犬なら、なんとか面倒を見られそうだと思った。
 犬のまわりに、女性たちが集まりだした。
「行きましょう。シロを先に取られては困る」
 宮蔵は、急いで駐車場へ走ったので、美雪もつられた。
 阿部と、拓海の周りには、ゆうべ観光バスの運転手と駆け落ち騒ぎを起こした、ツアー客の佐和田理子と、友人の相馬かおり、井原千賀子がいて、一心不乱にドッグフードを食べる犬たちに見入っていた。
「かわいいわぁ~、一匹、連れて帰りたいけど、フェリー乗せられるやろか」
 かおりが、茶色いシバの雑種を見て、目を細めていた。
「うちも飼いたい!でも、ダンナに相談しないと…」
 千賀子が呟いた。
 理子は、じっと犬たちを眺めている。あいかわらず無口だったが、どこか吹っ切れたような表情をしていた。
 清水幾子と、川野百合子が彼女たちに混ざって犬の様子を見ていた。そして管野拓海と、3人の容疑者が一箇所に揃った、と思うと、美雪は少しだけ緊張した。
「管野君、その白いのは藤原さんが飼うから」
 宮蔵が言った。
「へぇ、飼ってくれるんだ。美雪ちゃんならいつか猫飼いそう、って思ってたけど意外だなぁ。ま、ひとり暮らしは不用心だからな。雄だし番犬になる。こいつはいい犬だよ。いまリードつけてやる」
 拓海は、自分が乗ってきた軽乗用車、白いミラのトランクから、赤い首輪とリードを取りだし、白い犬に装着して、美雪にリードを渡した。
「名前はシロだ」
「宮蔵さん、もうちょっとカッコイイ名前にしてくださいよ~」
 阿部があきれた。

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<つづく>

☆こちらの小説は、2009~2010年にBlogで連載していたものです。

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Last updated  November 15, 2012 07:04:46 AM



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