大切にすべきもの
鳩山首相の所信表明演説が終わった。 野党からは具体性に欠けるという「お決まり」のコメントが報道されていたが、そのお決まりのコメントを言われ続けてきた「自民党」も野党になれば同じように言うのだから、なんというか、面白いよね。 所信表明演説の中身はさておき、それよりも最近気になっているのが、メディアが言い始めた「マニフェストに縛られすぎだ」という論調だ。 いろいろな言い方があるが、例えば、「有権者はマニフェストすべてに賛成して民主党に託したわけではない。」とか、「マニフェストよりも現実的な対応を重視すべきだ」といった辺りが多いようだ。 だが、私はそういった主張には大いに反論がある。 マニフェストを掲げそれを国民に問うという形式の選挙を行った以上、掲げたマニフェストからの転換は、再度解散して国民に信を問う、という必要があるのではないか。 これまでの政権党だった自民党は、「選挙公約」を大切にしてこなかった。その際たるものが小泉元首相の「公約の一つや二つを破ったところで何の問題もない」というあの答弁だ。 これでは政治の信頼回復どころか、「やっぱりな」というあきらめが蔓延してしまう。 民主党は愚直なまでに「マニフェスト」にこだわるべきだ。そして政策転換をするときはきちんと解散して選挙を行うべきだ。そうしてこそ民主党が主張してきた「政治が国民の手に戻り」「国民の生活が第一」だという政治姿勢がはっきりするのではなかろうか。