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Cafe Shelly
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コーチ物語 ~明日も晴れ!~
第一話 舞い降りたコーチ 前編
第一話 舞い降りたコーチ 後編
第二話 人生の転機予報 前編
第二話 人生の転機予報 後編
第三話 走れ、はしれ、走れ! 前編
第三話 走れ、はしれ、走れ! 後編
第四話 伝えたい言葉 前編
第四話 伝えたい言葉 後編
第五話 オレのやり方 前編
第五話 オレのやり方 後編
第六話 私の役割 前編
第六話 私の役割 後編
第七話 愛する人へ 前編
第七話 愛する人へ 後編
第八話 対決!ファシリテーター 前編
第八話 対決!ファシリテーター 後編
第九話 疾走!羽賀コーチ 前編
第九話 疾走!羽賀コーチ 後編
第十話 迷える子羊 前編
第十話 迷える子羊 後編
第十一話 結婚行進曲 前編
第十一話 結婚行進曲 後編
さすらいのファシリテーター
第一話 その会議、私が請け負った 前編
第一話 この会議、私が請け負った 後編
第二話 仕組まれたシナリオ 前編
第二話 仕組まれたシナリオ 後編
第三話 救われた女神 前編
第三話 救われた女神 後編
第四話 閉ざされた道 前編
第四話 閉ざされた道 後編
第五話 わんわん大行進 前編
第五話 わんわん大行進 後編
第六話 それがおまえのやり方か 前編
第六話 それがおまえのやり方か 後編
第七話 心の行方 前編
第七話 心の行方 後編
第八話 最後に笑う者 前編
第八話 最後に笑う者 後編
第九話 誰がために鐘は鳴る 前編
第九話 誰がために鐘は鳴る 後編
第十話 その男 前編
第十話 その男 後編
第十一話 嘘と真実 前編
第十一話 嘘と真実 後編
第十二話 それが答えか 前編
第十二話 それが答えか 後編

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第五十三話
ようこそ カフェ・シェリーへ


~ 登場人物 ~

マスター 四十代半ばの渋みを持った話し好き
お客さんに人生について語るのが得意

マイ 二十代のかわいい店員でお店のアイドル
でもホントは・・・

お客様 カフェ・シェリーにはなぜか人生の悩みを持った
人が集まってきます
今日のお客様はあなたかもしれませんよ

  Writing by たぬきコーチ 古賀弘規

Cafe Shelly は一ヶ月で一話完結となる連載小説です

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Cafe Shelly [全2779件]

2012.02.10楽天プロフィール Add to Google XML

第五十三話 虹色の人生 その10 
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

私は早速そのコーヒーカップを手にとった。

コーヒーといえばスターバックスとかでしか飲まない。

しかも飲むのはコーヒーじゃなくて、甘いものばかり。

純粋なコーヒーを飲むのは久しぶりじゃないかな。

口に近づけると、まずはコーヒー独特の香りが漂ってくる。

コーヒー通じゃない私にも、その香りの心地よさが伝わってくる。

一度思いっきり鼻でその香りを感じた後、いよいよ味に突入。

黒くて熱い液体を舌の上に流しこむ。

苦い、けれどそれは同時に心地よさを感じさせる。

安心感、その言葉が頭に浮かんだ。

と同時に、目の前にいる不安そうな表情の、まだ見たこともない人の顔が浮かぶ。

だがその不安は私の前で笑顔に変わっていく。

あ、この感覚。

私が前に先生にカウンセリングをやってもらった時のあの感じだ。

心に不安を抱えていたときに、先生に話を聴いてもらって前に進もうという気持ちになった。

今度は私がそれをやる番。

不安を抱えている人を私の言葉で救ってあげる事ができれば。

そんな考えが頭の中でどんどん展開していった。

「お味、いかがでしたか?」

マイさんの言葉でハッと我に返った。

「何か感じるものがありましたか?」

マイさんがもう一度私に聞いてくる。




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最終更新日時 2012.02.10 06:46:13
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2012.02.09

第五十三話 虹色の人生 その9
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

「魔法のコーヒーってことしか知らないんですけど…」

「じゃぁ、とりあえず飲んでみましょうか」

私は気がついたらカウンターに陣取り、先生の行動をじっと見ていた。

カラン・コロン・カラン

入口のドアが開き、ただいまーという可愛らしい声。

「あ、マイ、おかえり。

こちら、高橋さんといって学校時代の保護者の方だよ」

マイさんって、確か歳の離れた先生の奥さんだったな。

噂には聞いていたけれど、実際に見るのは始めてだ。

髪が長くて、清楚な感じでとてもかわいらしい。

「初めまして、マイといいます」

「こんにちは、高橋愛といいます。

周りからはよく愛ちゃんと呼ばれています」

なんだか私、図々しいな。

そう思いながらも、なんとなく話しやすい雰囲気に引き込まれてしまう。

「高橋さん、夢を持ちたいそうだ」

「わぁ、ステキ。

自分から夢を持とうという気持ちがあるのは素晴らしいですよ。

愛ちゃんがどんな夢を見れるのか、楽しみだな」

マイさんはエプロンをしながらそう話しかけてくる。

マイさんから愛ちゃんと呼ばれて、なんだか親しみが湧いてきた。

「はい、おまたせ。

当店自慢のシェリー・ブレンドです。

飲んだらぜひどんな味がしたか、感想を聞かせてくださいね」




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最終更新日時 2012.02.09 06:43:25
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2012.02.07

第五十三話 虹色の人生 その8
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

うれしい、私のことを覚えていてくれたんだ。

「お久しぶりですね。

学校を辞めて以来ですから。

よしえちゃんは元気ですか?」

娘のことも覚えていてくれたんだ。

「よしえはアルバイトをしながらパソコンの訓練校に通っているんですよ」

「へぇ、それは楽しみですね」

「それでね、先生。

私、今悩んでいるんです」

懐かしさもあるけれど、それ以上に自分の話を聴いてもらいたい。

そんな衝動からか、あつかましくも先生に話をもちかけた。

先生は嫌がりもせずに、ニコニコした顔で「どんなことですか」って聴いてきてくれた。

だから私、遠慮せずに話を始めてしまった。

「私、夢を持ちたいんです」

「夢、ですか」

「えぇ、覚えていると思いますが、私病気を持っているでしょう。

今はそれと戦うのに必死で。

毎日どうやって暮らしていこうか、その事ばかり考えてしまって。

だから毎日が辛くて…」

「なるほど、だから目標となるものが欲しい。

そういうことですね」

「はい。

何か見つかるでしょうか?」

「そうですね。

じゃぁ私から一つお薦めがあります。

うちのオリジナルコーヒー、シェリー・ブレンドを飲んでみませんか?」

「それって、魔法のコーヒーですか?」

「あ、ご存知でしたか」




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最終更新日時 2012.02.08 04:50:05
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第五十三話 虹色の人生 その7
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

いや、先生は裏切らないはず。

勝手にそう決めつけ、自分の人生に一つの希望を持ちながら一夜を明かした。

翌日、午前中から早速カフェ・シェリーに足を運んだ。

「確かこのへんだったな…」

この通り、道はパステル色のタイルで敷き詰められて、道の両端にはレンガでできた花壇が並んでいる。

道幅は車一台が通る程度ではあるが、そんなに狭さを感じない。

「あ、ここか」

その通りの中ほどで黒板に書かれた看板を発見。

そこには「Cafe Shelly」という文字が書かれてある。

なるほど、このビルの二階だったんだ。

今まで二階のお店なんて気にとめたことはなかったからな。

早速階段を一歩ずつあがる。

私は病気を持っているせいで階段をあがるのは苦手。

なのに今日に限っては足が勝手に進んでいく。

カラン・コロン・カラン

扉を開くと、心地よいカウベルの音。

それと共に響いてくる「いらっしゃいませ」の声。

店内に入ると、コーヒーと甘いクッキーの香りが私を包み込む。

なんだか心地いい空間。

カウンターを見ると、あのカウンセラーの先生がカップを磨きながらにこやかに私の方を向いて微笑んでくれる。

「先生、お久しぶりです。

覚えていますか?」

「あ、高橋さん、でしたよね」




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最終更新日時 2012.02.07 06:34:26
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2012.02.06

第五十三話 虹色の人生 その6
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

「ただいまー」

待望の時がやってきた。

「おかえり。

ね、先生の喫茶店わかった?」

「お母さんせっかち。

まだ返事来ないよ」

「そ、そう…」

かなり期待をしていただけに、よしえのその言葉は私の気持ちを一気に沈ませた。

とその時、よしえの携帯からメールの着信音が。

「どれどれ、美由紀からだ…あ、ここなんだ。

お母さん、先生の喫茶店わかったよ」

このとき、私の頭の中が急に明るくなった感覚を覚えた。

「どこどこっ」

思わずよしえの携帯を覗き込む。

「ほら、街中のレンガの花壇の通り。

あそこにあるんだって」

あの通りか。

何度か通っているけれど、そんなところに喫茶店があるなんて気が付かなかった。

「お店の名前はカフェ・シェリー。

なんでも魔法のコーヒーっていうのがあるみたいだよ」

「魔法のコーヒー?」

「なんだろう、これ。

それしか書いてないから、どんなのかわかんないや」

「わかった、ありがとう。

明日早速行ってみるね」

カフェ・シェリーに魔法のコーヒーか。

私の期待は高まった。

これで人生が開けるかもしれない。

私はつい過度な期待を持ってしまうというクセがある。

それで何度も現実とのギャップで落胆して落ち込んで痛い目を見たことがあるのに。




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最終更新日時 2012.02.06 06:32:02
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2012.02.05

第五十三話 虹色の人生 その5
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

「あ、あの先生。

確か喫茶店を開いてるって聞いたよ」

「喫茶店なんだ」

「先生は前からコーヒーが好きで、自分のお店を持つのが夢だって言ってたから」

先生も夢を叶えたんだ。

「それ、どこにあるかわかる?」

「うぅん、私は知らないけど…高校の同級生に聞けばわかるかも」

「ぜひ調べて、お願いっ」

「まったく、どっちが娘だかわかんないね。

わかった、調べておくね」

「ありがとう」

よしえの言葉を聞いて、なんだか心が落ち着いてきた。

カウンセラーの先生に会えるかもしれない。

会ったら今の私のことを聞いてもらいたい。

そういえばあの頃、よく学校に通って相談を聞いてもらったな。

そのおかげで勇気ももらえたし、いじめに対して立ち向かう気力にもなっていた。

今度もあんな気持ちで活動的になれるかな。

その日の夜は珍しく睡眠薬のお世話にならずに眠れることができた。

翌日は朝からそわそわ。

よしえから早く連絡がないかな。

そのことばかり考えて、携帯を握りしめて待ち構えていた。

時々メールが入るけれど、よしえからじゃないのを確認するたびにガッカリ。

そうして気がついたら夜になっていた。

よしえは学校からすぐにアルバイトなので、夜十時過ぎないと帰ってこない。




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最終更新日時 2012.02.05 16:28:09
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2012.02.04

第五十三話 虹色の人生 その4
[ Cafe Shelly 第五十三話 ]  

「よしえちゃん、最近なんだか生き生きしてるね」

「うん、学校とても楽しいんだよ。

高校と違って、いろんな年代の人がくるし。

お母さんより年上の人も来るよ」

私はもう五十を過ぎている。

そんな年齢でもパソコンを習おうと思うなんて。

そう思いかけたときに、よしえからこんな言葉が。

「今度次の生徒募集を始めるんだって。

お母さんも通ってみたら?」

私がパソコン?

とんでもない。

そもそもパソコンなんて使うつもりもないし、よしえと違ってどこかに就職しようなんて気持ちもないし。

けれど、興味はある。

毎日よしえから聞かされている授業内容、先生たちの言葉、そして年代を超えた友達付き合い。

こういったものに心を惹かれる。

「でも、病気があるし…」

「大丈夫。

実はね、クラスメイトの中で結構うつを患った人って多いんだよ」

これは意外だった。

そんな人でも学校に通えるんだ。

だんだんと興味は湧いてきたけれど、今一歩前に進むことができない。

私、どうしようかしら。

こんなときに相談できる人がいればなぁ。

そう思ってポツリとこんな言葉をつぶやいた。

「あのスクールカウンセラーの先生がいれば相談するのになぁ」

あの先生に相談すればなんとかなるかもしれない。





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最終更新日時 2012.02.04 07:25:13
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