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テーマ:映画レビュー(889)
カテゴリ:映画 ア行
『イカとクジラ』を観ました
ある不器用なインテリ家族の多感な年頃の2人の兄弟が、 両親の離婚という大問題に直面して、 様々な心の葛藤を経て成長していく姿をユーモアを漂わせつつシビアに綴る 悲しくも滑稽な悲喜劇です >>『イカとクジラ』関連 原題:THE SQUID AND THE WHALE ジャンル:ドラマ/コメディ 上映時間:81分 製作国:2005年・アメリカ 監督: ノア・バームバック 出演: ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェシー・アイゼンバーグ、 オーウェン・クライン、ウィリアム・ボールドウィン 【ストーリー】 1986年、ブルックリン。16歳の兄ウォルトと12歳の弟フランクの両親は共に作家。 しかし父バーナードはかつては脚光を浴びたものの、現在は長くスランプが続いていた。 一方の母ジョーンは『ニューヨーカー』誌での華々しいデビューを控えた新進作家。 そんなある日、兄弟は両親から離婚することを告げられる。 そして、兄弟は共同監護という形で父の家と母の家を行ったり来たりの生活が始まる。 やがて、弟はストレスから学校で奇行を繰り返すようになり、冷静に受け止めていたかに 思われた兄もまた学校で問題を引き起こしてしまう…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 全米が笑って泣いた! 映画&文学&ロックと“不完全家族”に愛を込めて 大昔の人気作家で最近は低迷中、自分以外の全ての人をけなし、 自分を偉くみせようとする父親と、 今人気作家で恋愛遍歴を赤裸々に子供に話す母親。 このインテリ夫婦が離婚することになって父親を敬愛し、 中身のない人間になりかけの16歳の兄ウォルトと、 母親大好きの12歳の弟フランクは動揺するわけですね しかも週ごとに両親の家を行ったり来たりする共同監護というシステムにより、 諦められない家族の絆と、見たくない事まで見ざる負えない複雑な状況に追いやられ、 心を傷つけられていく兄弟が哀れです 行きつく果てはビールに、盗作ですもんね…。 インテリの両親は、何を考えているのか? 僕にはさっぱりだけど、その奇想天外な考え方と行いが時に笑えたりします 親父が救急車で運ばれるときとか、全てにおいてイタイんです 子供を大人と同等に扱おうとしているのか?どうなのか良く分かりませんでしたが、 インテリの両親を持つと本当に苦労するんだな~と思わされます。 問題行動を起こし、八方塞になったウォルトがカウンセリングで 楽しかった思い出として思い出したのは、 幼いころ自然史博物館で母とみたイカとクジラの格闘しているジオラマを見たときの恐怖。 怖くて指の隙間から見たのに、その日の夜に母親と話しているときは 楽しかったという不思議な思い出。 不可解なタイトルの由来でもある兄ウォルトの幼少時代の恐怖のトラウマとなっている 複雑なその思い出と対面できたとき、ウォルトは真実に気づくわけですね。 う~ん、深いです。 人間の駄目な部分を徹底的に描き、家族とはなんだろう、 子供にとっての親とはなんだろうといろんなことを感がさせられるリアルな映画でした ハチャメチャな両親を演じたジェフ・ダニエルズとローラ・リニーの演技は 流石ですが、問題行動を起こす兄弟を演じたジェシー・アイゼンバーグと、 オーウェン・クラインの演技もベテラン俳優に負けずに光ってます ジェシー・アイゼンバーグはアン・ハサウェイ主演の海外ドラマ『ゲッド・リアル』で 弟役を演じていた俳優ですね。 あのドラマでもなかなか熱の入った演技で良かったことを覚えてます オーウェン・クラインは、ケビン・クラインの息子さんだそうで 2人とも今後の活躍が期待されますね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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