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テーマ:映画館で観た映画(8343)
カテゴリ:映画 ア行
『アウェイ・フロム・ハー君を想う』を観ました
認知症という悲劇に直面した老夫婦の心の葛藤と深い愛を静かに見つめる 感動ヒューマン・ドラマです >>『アウェイ・フロム・ハー君を想う』関連 原題:AWAY FROM HER ジャンル:ドラマ 上映時間:110分 製作国:2006年・カナダ 監督: サラ・ポーリー 出演: ジュリー・クリスティ、ゴードン・ピンセント、オリンピア・デュカキス 【ストーリー】 結婚して44年になるグラントとフィオーナ。 決して良き夫とは言えない過去もあるグラントだったが、いまはフィオーナを深く愛し、 夫婦仲良く穏やかな日々を送っていた。 ところがやがて、フィオーナをアルツハイマー型認知症の悲劇が襲う。 物忘れが激しくなったフィオーナは、ついに自ら老人介護施設への入所を決断する。 施設の規則で入所後30日間、面会を許されなかったグラント。 そしてようやく訪れた面会の時、フィオーナはグラントを覚えていないばかりか、 彼の前で車椅子の男性オーブリーに対し親しげな振る舞いを見せるのだった。 その後も日増しに深まっていく2人の仲を目の当たりにして動揺を隠せない グラントだったが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 君を幸せにできるなら、 この孤独を受け入れよう 今週末の5月31日公開予定のサラ・ポリー監督、ジュリー・クリスティ主演の 映画を試写会にて一足お先に鑑賞してまいりました 『死ぬまでにしたい10のこと』、『あなたになら言える秘密のこと』 の実力派女優サラ・ポーリーが、若干27歳にして長編映画監督デビューを飾った 作品は、人間の尊厳、夫婦の愛のあり方、様々な要素を巧みな映像と心理描写で 描いた人間ドラマでした アルツハイマーに侵され介護施設に入所することを決断する妻フィオーナを演じたのは、 多くの賞賛が寄せられ、ゴールデングローブ賞主演女優賞をはじめ数々の映画賞を受賞し、 2007年アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされたジュリー・クリスティ。 65年の『ダーリング』でオスカーを獲得している女優さんでございます 最近の作品では賞レースから遠ざかってましたが、この作品でカムバックしました サラ・ポーリー監督の本作は、ジュリー自身、 他の女優にこの役をやらせたくないと思うほどだったそうです。 半端でない彼女の意気込みの高さが伺えます そんな彼女、年齢を重ねてはいるものの気品があり、本当に美しいです 記憶を失う怖さ、忘れたい記憶を呼び覚まされたときの切なさ、 どれが現実で、どれが演技なのか分からないフィオーナの心理を 巧みに捉え演じきっているのが素晴らしかったです 対して、夫グラントを演じたゴードン・ピンセントも 愛する妻と離れる寂しさ、妻の記憶から自分が消え、 他の男と親密になる妻を見守るしかない歯がゆさ、 妻の記憶が戻ったり消えたりする中で疑心暗鬼になりつつも、 妻にとって最良であろう現実を受け入れる姿は、 切なくも揺るぎない大きな愛情を感じました 輝くばかりの美しさを持つ若き日のフィオーナや、グラントの浮気相手などの 過去の記憶を映像化して、現実に起こっているシーンにはさむ事で 人間心理の複雑さを効果的に表現している部分が印象的です どこまでも続く白い平原と、湖のほとりの可愛らしい家、 美しい冬のカナダの映像も必見です 近年よくあるアルツハイマーを取り上げた映画とはちょっと違って、 何でも実況中継してくれるおじいさんに笑わされたり、 隠された女性の本心を知りちょっとショックを受けたり、 深い愛情にジーンとしたりしながら、 静かに夫婦のあり方、人間の尊厳について考えさせてくれる大人の映画でした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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