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テーマ:映画館で観た映画(8310)
カテゴリ:映画 タ行
『チェンジリング』を観ました
クリント・イーストウッド監督がアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えた 感動のミステリー・ドラマです >>『チェンジリング』関連 原題: CHANGELING ジャンル: ミステリー/ドラマ 製作年・製作国: 2008年・アメリカ 上映時間: 142分 監督・製作: クリント・イーストウッド 出演: アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ ジェフリー・ドノヴァン 【ストーリー】 1928年、ロサンゼルス。シングルマザーのクリスティン・コリンズは、 9歳の息子ウォルターを女手一つで育てる傍ら電話会社に勤め、 せわしない日々を送っていた。 そんな彼女はある日、休暇を返上してウォルターをひとり家に残したまま 出勤する羽目に。 やがて夕方、彼女が急いで帰宅すると、ウォルターは忽然と姿を消していた。 警察に通報し、翌日から捜査が始まる一方、自らも懸命に息子の消息を探るクリスティン。 しかし、有力な手掛かりが何一つ掴めず、非情で虚しい時間がただ過ぎていくばかり。 それから5ヶ月後、ウォルターがイリノイ州で見つかったという朗報が入る。 そして、ロス市警の大仰な演出によって報道陣も集まる中、再会の喜びを噛みしめながら 列車で帰ってくる我が子を駅に出迎えるクリスティン。 だが、列車から降りてきたのは、ウォルターとは別人の全く見知らぬ少年だった…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を どれだけ祈れば、 あの子は帰ってくるの──? ”チェンジリング”とは“妖精が置いていく醜い子”の伝説がベースになっている言葉らしく、 取り換えられた子供の意味を持つそうです。 そんな題名のこの映画は、5ヶ月間の失踪の後、警察が連れ帰ってきた息子が 全く別人だったことで警察と対決することになる シングルマザーのクリスティン・コリンズの闘いを描いたストーリー。 とは言っても、彼女自身には警察の不正を正そうとか、 組織の横暴に活をいれようとかいう大それた行動を起こそうとする意図はなく、 始めから終わりまで一貫して愛する息子を取り戻したいだけだという とても素直な感情に、母親の愛情の深さに胸が締め付けられる想いがするのです。 国家権力の腐敗を描く社会派映画でありながら、おぞましい事件を取り巻く サスペンス・ホラーの様相も持ち さらに、息子を奪われた母親と周りの人々との関わりを描くヒューマン・ドラマも、 母親の子供への深い愛情をも描き、涙腺が緩むようなシーンまでもありました。 こんなにいろいろな要素が詰まっているのに、ストーリー展開が心地よいスピードなんです。 周りの景色や、クリスティンの洋服、音楽、当時のアカデミー賞の件など、 1920年代のどこか高級感を感じるような、 クラシックな雰囲気を醸し出しているのもすばらしく いろんな角度から楽しめる映画になっていました。 主人公クリスティン・コリンズを演じたアンジェリーナ・ジョリーは いつものセクシーでゴージャスな魅力を 隠し、常に涙を浮かべながらなんとか息子を取り戻そうと奮闘する母親の姿を熱演してます。 当時の警察の横暴の前では個人など無力で、 あの手この手で警察の都合の良い様に事実を捻じ曲げられ、 悲惨な状況へと陥れられていく様子にはぞっとしました。 そんな絶望的な時代にもクリスティンの気持ちを汲み取り、 助けてくれるグスタヴ・ブリーグレブ牧師や、 精神病院でのキャロル、たまたま暇だったのが彼で良かったレスター・ヤバラ刑事など、 良心の人々との出会いがあり、支えられ、クリスティンは母親としての強さを増していくのです。 グスタヴ・ブリーグレブ牧師を演じたのが、ジョン・マルコヴィッチですが、 どうにも怪しい役を演じることが多い彼を ついつい疑ってかかってしまう自分に嫌気がさすほど良い牧師様です。 クリスティンのピンチに颯爽と駆けつけ助け出す姿は、ヒーローのようにカッコ良い ジェフリー・ドノヴァンが演じた憎たらしいJ・J・ジョーンズ警部や、 ジェイソン・バトラー・ハーナーが演じた犯罪者の猟奇さの怪演も光ってます。 時に怒りを感じ、時に涙を浮かべ、手に汗握りながら、 映画の中のクリスティンの人生に見入っていた142分間。 暗く、重い内容の映画なので、何度も観たいと思える作品ではないのですが、 ささやかな希望の光を垣間見せる優しいラストシーンも秀逸でした。 イーストウッド監督は神の粋に到達したのではないかと思えるほどの 完成度の高い映画だったと思います
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