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カテゴリ:映画 タ行
『題名のない子守唄』を観ました
『ニュー・シネマ・パラダイス』の巨匠ジュゼッペ・トルナトーレの監督が、 北イタリアの港町を舞台に、忌まわしい過去を抱える美しきヒロインの 愛と謎に満ちた物語を描くミステリー・ドラマです >>『題名のない子守唄』関連 原題: LA SCONOSCIUTA THE UNKNOWN WOMAN ジャンル: ドラマ/ミステリー/サスペンス 上映時間: 121分 製作国: 2006年・イタリア 監督・脚本: ジュゼッペ・トルナトーレ 出演: クセニア・ラパポルト ミケーレ・プラチド クラウディア・ジェリーニ 【ストーリー】 北イタリアのトリエステ。 この街にやって来た一人の女性、イレーナ。 ウクライナ出身という彼女の過去も、ここへやって来た理由も、誰一人知らない。 やがて、彼女はある家族に近づいていく。それは、貴金属商を営むアダケル家。 そして偶然を装い、アダケル家のメイドになることに成功、夫婦の一人娘テアの 子守役も兼ね、次第に家族の信頼を獲得していくが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 女は 哀しみを食べて 生きている ジュゼッペ・トルナトーレ監督と言ったら『ニュー・シネマ・パラダイス』、 『海の上のピアニス』なんかの心温まる作風のイメージですが、 この作品は、ビックリするほどジュゼッペ・トルナトーレ監督らしい作品ではありませんでした。 じわりじわりと謎が解けていく展開と、ダークで刺激的な映像と音楽、 ミステリアスな雰囲気にゾクゾクするサスペンス映画としての見事な面白さがありました。 今までとは全く違う新たなジュゼッペ・トルナトーレ監督の手腕に驚きです。 ウクライナ人のイレーナは、貴金属商を営むアダケル家の見えるアパートに住み、 現役メイドに近づき、ついにはアダケル家のメイドになる事に成功するわけですね。 彼女は誰で、何が目的で、なんでこんなことしてるんだろう? そんな疑問が消えないまま、ストーリーとイレーナの行く末が 気になってしょうがなくなってしまうんですね。 イレーナの謎の行動の数々、時折はさまれる衝撃的でエロティックなフラッシュバック。 彼女の過去が少しずつ明らかになるにつれて、謎の行動の意味が分かっていくという 上手い展開で目が離せませんでした。 高級感漂うダークな街並みと、効果的に用いられる音楽が ミステリアスな雰囲気をさらに醸し出していて、 よりサスペンス気分を盛り上げることも忘れません。 イレーナを演じたのは、チェーホフ作品などの多くの舞台劇に出演していたという ロシア出身のクセアニア・ラパポルト。 全く違う人間に見える過去と現在を見事に演じて分け、 ヨーロッパの社会が抱える闇に巻き込まれた女性の悲しみと 強い想いを熱演していてすばらしい。 心が痛むような壮絶な過去とその代償を知り、すっかり気分が落ち込んだ後に、 実にジュゼッペ・トルナトーレ監督らしい展開が待っていて、ジーンときてしまいました。 流石は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督です。 そんな憎い演出も光るサスペンスとしても、 一人の女性の人生のドラマとしても見応えのある映画でした。
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