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カテゴリ:映画 サ行
『ゾンビーノ』を観ました
凶暴なゾンビがハイテクアイテムで調教され、人間のペットとして活用される 小さな町を舞台にした新感覚のゾンビ映画です >>『ゾンビーノ』関連 原題: FIDO ジャンル: コメディ/ドラマ/ホラー 製作年・製作国: 2006年・カナダ 上映時間: 124分 監督・脚本: アンドリュー・カリー 出演: キャリー=アン・モス ビリー・コノリー ディラン・ベイカー 【ストーリー】 かつて地球では何かの拍子にゾンビが大量発生し、人間を襲い始めた。 ゾンビ戦争と呼ばれたゾンビと人間の戦いは長きにわたったが、ゾムコン社が開発した 特殊な首輪が、そんな人間の危機を救った。 その首輪をはめたゾンビはおとなしく従順になり、現在では家事も出来るペットとして 一般家庭でごく普通に飼われるようになっていた。 ウィラードという平和な田舎町に暮らす友だちのいない少年ティミー。 彼の家でも、完璧主義の母ヘレンが世間体を気にしてゾンビを飼うことに。 最初はゾンビに関心のなかったティミーだったが、ある日、いじめっ子から守ってくれた のをきっかけに友情が芽生え始める。 そのゾンビをファイドと名付け、少しずつ心を通わせていくティミーだったが…。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 僕のはじめての友達は ゾンビだった… ゾンビの生みの親 ロメロ監督の時代から、知能を持ったり、高速で走ったりと いろいろと多種多様な変化をもたらし、僕らを楽しませてくれているゾンビたち。 そういえば、『バイオハザードIII』でアリスの敵のアンブレラ社のアイザックス博士が 「ゾンビを飼いならせるぞ♪」なんて言って無情な研究をされておりましたが、 この映画ではまさにそんなゾンビのペット化、メイド化した世界が繰り広げられております。 かつて世界では死者がゾンビ化する放射能によって、ゾンビ戦争が勃発。 身内さえも殺し合う大混乱に陥った世界に、彗星のごとく登場したゾムコン社。 ゾンビの人の肉を喰いたい欲求を制御できちゃう特殊な首輪(リモコンおしおき機能付き)で、 赤ランプ点等時のゾンビはおとなしくて、まるでペットのように従順であります。 そんなこんなで、一家に一体ゾンビを飼うことが主流になったという斬新な設定のゾンビ映画でございます。 古き良きアメリカの50年代の郊外の街にゾンビというミス・マッチさ、 ポップな雰囲気もあり、懐かしのメロディも心地よいのに、庭にはゾンビがつながれていると言う滑稽さ。 公園でキャッチボールしたり、少年と心を通わせたかと思うと、ゾンビ本来の本能が目を覚まし、 隣のお婆さんを喰っちゃうグロさ、パパを悩ます高額な葬式ローンとか、 子供がゾンビを殺したり、埋めたり、 意地悪の度を超えた残忍な子供ゾンビをあっさりと轢き殺したり、撃ち殺したりのPTA真っ青の描写あり。 ママとパパとゾンビの三角関係(?)まであるというとんでもないブラックな笑いに満ち溢れております。 ご近所から浮きたくないママ役には、『マトリックス』のキャリー=アン・モス。 ポップでレトロな衣装もお似合いで、相変わらずお美しい。 ゾンビのファイドには、 ビリー・コノリー。 ママとティミーには噛みつかない愛情を持つ特殊なゾンビをガーッという唸り声と 表情とノロノロ歩きで魅せてくれております。 ゾンビ化した父親に喰われそうになったトラウマを抱えるパパにはディラン・ベイカー。 心の傷が深すぎて息子ともうまく関係を築けない父親役が実にハマってます。 そんな感じで壊れかけたキャラクターを演じたキャストも意外に豪華であります。 ティミー一家のゾンビ ファイドとの悲しい別れ、取り戻し大作戦は まるで「名犬ラッシー」の世界のよう。 しかし、素直に感動を呼ばない残虐さいっぱいのブラックさと滑稽さ。 そんなこんなで、ラストまで斬新な世界観を惜しげも無く展開させる、 ピリリと風刺の効いた挑戦的なゾンビ映画でした。
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