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綾辻さんのデビュー作にして、超有名作の再読です。
「館シリーズ」の第一作でもある訳ですが、これが一番好き という人も多いようです。 講談社ノベルズで出たのが1987年、文庫が1991年。 本屋で物色していた時に新刊で置かれた文庫版を見つけて購入しました。 面白すぎて、ホントにびっくりしたことを憶えています。 当時、私が社会人だったのか、大学生だったのか、高校生だったのか・・・ は差し控えますが、 ノベルズの文庫化だとは気がついてなかったので、次作の文庫が刊行されるのを本屋で物色しては待っていました。 「館シリーズ」の8年のブランクの間に私は結婚したので、他の文庫本と一緒に売って処分してしまいました。 それ以来の再会ですが、改めて読んでみてもホント面白いです。 あの有名なアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を意識して書かれたものだと思いますが、 クリスティの「タネ」より綾辻さんの方がずっと凝っているし、非凡ですね。 クライマックスの 「○○○○です」 の部分を読んだ時のショーゲキは第一級でした。 この時は「息をのむ」ではなくて、「えっ・・・」とホントに声が出てしまいました。 すごいんですよ。「まだあった! 大トリック」 と言われるのもふむふむ。 綾辻さんが「新本格派」の最初と言われていますが、確かにその頃はこういう推理小説はなかった感じでしたので。 以下はネタバレなので、これから読もうという方はここでおしまいね♪ 各章が「島」と「本土」と交互に構成されているのは、使われているトリックと「本格」であるせいでしょうね。 両方並行して書かないと「本格」の約束である「フェアである・データを伏せない」に反してしまうからですね。 「江南くんと守須くん」が「本土側」の人間として出てきますが、江南くんはこの後もずっと登場するので、 確か、守須くんが犯人だったなあと踏まえて今回は読んでいったのですが、いろいろ工夫がありますね。 彼はアリバイ作りをしていますが、そう思って読むと結構不自然(笑 毎日、バイクで遠くまで絵を描きに行って帰ってきてるし(大学生って暇だから泊まってもいいのに) 急に、謎解きに深入りしないって態度急変して不自然だし・・・ でも、文章のせいか最初は全然不自然を感じなかった。 まあ、「島」と「本土」と両方に登場してるなんて思わないし・・・(笑 「島」に渡ったみんながお互いをサークルの通称である、海外ミステリ作家の名前で呼び合っているから、これが可能になる。 しかも、「守須くん」なので、何となく「モーリス・ルブラン」を連想する。 「島」にいる「ヴァン・ダイン」とどんどん雰囲気が離れていく。これも計算の上かなあ? よく考えたらルブランは「ルパン」シリーズなので、ミステリ作家としてはぱっと名前が出ない。 ミステリとしてはルブランよりヴァン・ダインの方が有名かな? 彼も賢いということなんでしょう! などなど、改めていろんな感想を持ちました。 島田荘司さんが、「すごい才能がでてきた」と強力推薦したのも納得ですね。 これがデビュー作なんてほんとに驚きです。 次作の「水車館の殺人」も手元に控えています。楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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