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ペルザー家虐待の連鎖
“It”(それ)と呼ばれた子(少年期)、というシリーズ本があります。 (楽天では少年期しか出てこなかったので、リンクは少年期。 シリーズで、この前後もあります) 全米史上最悪、といわれた虐待を生き抜いた、 デイヴ・ペルザーが自叙伝的に書かれた本です。 もう、とてもマトモには読めないすごい本です。 あたしがこの本に出会ったのは、タロウ出産後すぐくらいだから、 かれこれ3年くらい前になるかと思う。 本屋で、「高校生の間でクチコミで広がってる」って紹介があって、 活字離れを指摘されて久しい高校生の間で? 口コミで大ヒット?? 正直、「はあ~~~~~!???」って感じで手にとったの。 そしたら、壮絶なタタカイの記録でさ。 圧倒されちゃったのよ。 で、「Itと呼ばれた子」の著者、デイヴ・ペルザーには、 4人の男兄弟があって、その中の一人が今回の著者。 先に「Itと呼ばれた子」を読むと分かるんだけど、 この著者は、デイヴへの加害者でもある。 あたしは、加害者、ってことにひかれた。 あたしは自分の事を、被虐待児だと思ってる。 思ってる、というか、そう思うことにしたw だけど、あたしの妹二人はあたしほど苦しんでるみたいに見えない。 あたしたちは同じ家族だったのだから、 当然妹たちも「機能不全家庭」に育ったはずなのにね。 下の妹は実家を嫌って鉄砲玉になっちゃったから、 あたしと同じように苦しんでる所があったのかもしれないけど、 上の妹は母とも実家とも、そつなく良い距離感でつきあってる。 自己主張も、ちゃんとしてる。 なんで、同じ家庭で育ってこんなに違いが出るんだろうって、 とっても不思議だったの。 だから、ペルザー家の兄弟の場合、どうだったんだろうって、 手にとってみたんだけど……。 スミマセン、あさはかでしたorz あたしは、精神的虐待を受けてきたって思ってるけど、 はっきり言って、それ以外の虐待は全く受けてない。 小さい頃に叩かれたことくらいはあるだろうけれど、 記憶にも残ってないし、大して痛くなかったんだと思う。 育児放棄なんてこともされてないし、性的虐待も受けてない。 ペルザー兄弟、ぜんっぜん、規模が違いましたorz 当然っちゃ、当然だよね。 彼らは性的虐待以外の全てを受けてたんだもの。 著者(リチャード)は、「Itと呼ばれた子」の著者(=デイヴ)が家を出て行くまで、 積極的に虐待に参加していた。 そう仕向けたのはほかならぬ母親だけれども、 リチャードはデイヴへの虐待に必死だった。 そして、デイヴが救出されてから後、母親の虐待の的となる。 虐待自体は、デイヴのほうが壮絶だけれども、 リチャードはデイヴのように救出されることもなく、 延々と虐待を受けることになるのだ。 生命の危機を何度も感じさせるような、母親。 リチャードは、この試練はデイヴへの虐待に加担した罪だと認識する。 ACには、試練を「自分のせいだ」と考える傾向があるというけれど、 (それはあたし自身も持っている傾向だけれど) リチャードもこの傾向を強く持っている。 この傾向を持っていると、逃げ場が無い。 そうそう。 この本を読みながら、思い出したことが、一つ。 「Itと呼ばれた子」の1巻があまりにも衝撃的たっだんだけど、 その本をあたしは母親に貸したのね。 その感想、なんだったと思う? 「私はあなたたちに手伝いをさせなかったわねえ……」 耳、疑いましたよ。 そういう感想になるか!???? てーか、この奴隷以下の扱いを「手伝い」って枠に括るか!???? あたしは母親の神経を疑った。 確かにあたしは家事がとってもニガテ。 それは母があたしに勉強ばっかりさせて、 人生の勉強をさせなかったせいだと思うから、 それはそれで当たらずとも遠からず、なんだけれど、 この壮絶な虐待告白本を読んだ感想が、そう来るか!??? この奴隷以下の扱いを、「手伝い」って枠に入れちゃえる、母。 あたしが母親に別個の人格を認めてもらえなかったこと。 この二つが、カチリとはまりあうような気がして、納得したんだった。 この本、オススメかどうかって言うと、かなりビミョー。 典型的虐待のケースを読みたいのであれば、 「Itと呼ばれた子」ともども、とってもオススメ。 ものすごい衝撃を受けると思います。 虐待って、この人たちみたいなケースもあるし、 あたしみたいに精神的虐待しか受けてないケースもある。 これに程度をつけること自体、ナンセンスだとは思うけれど、 敢えてピンキリをつけるなら、 この兄弟は間違いなくピンかキリかの極端な事例に入るし、 あたしは反対側の端っこにいる。 だから、この人たちを基準に虐待を語られるとするなら、 それは虐待の定義をあたしたちから遠ざけることになると思う。 だから、彼らみたいな極端な事例がクローズアップされるのも、 虐待への認知って視点を持って言うなら、どうなんだろって思う。 ただね、事例じたいは極端でも、やっぱりACがもつ心の軌跡は一緒みたい。 共感する所も、やっぱり多いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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