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2006.06.20
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カテゴリ:本@AC関連
生きながら火に焼かれて
文庫版はコチラ→生きながら火に焼かれて

3年位前、出版されて大反響になった本です。
興味はあったのですけれど、やっと文庫化したので読むことが出来ました。
(やっぱさ、ハードカバーは通勤電車に向かないっしょ?)

シスヨルダンという、アラブ圏に生まれた女性(=著者、スアド)の証言録。
彼女が生まれた村では、女性に人権というものは全く認められず、
人生の一切に対して楽しむ権利も、知る権利も、選ぶ権利も認められていない。
それどころか、殴る蹴るの酷い肉体的虐待に晒されて生きているのだ。

彼女が、掲題の「生きながら火に焼かれる」という惨事に見舞われるのは、
婚前交渉をもったため。
彼女が生まれた国では、結婚前の女性は男性と話してはならない。
いや、話してはならないだけでなく、「話したとされてはならない」のだ。
実際に話したかどうかは重要ではなく、話していたと噂が立つだけでもいけない。
それは「娼婦」として軽蔑される行為だからだ。

彼女は非常に厳格にその因習を守っていたけれども、
結婚を申し込んできた(と思われる)男性と婚前交渉を持ってしまう。
たった3度の性交渉で、彼女は妊娠。
どんなに固く秘密を守っても、せり出す腹は隠せない。
彼女は「娼婦」だと決定される。

家族に「娼婦」が居ることは大変な不名誉で、破滅を意味する。
そのため、家族が「娼婦」を殺害するのだ。
それが「名誉の殺人」。

彼女は義理の兄によって、火あぶりにされる。
幸い彼女は一命をとりとめ、「名誉の殺人」の証言者となる。

はっきりいって、理解できない。
こんな世界が、存在するのか!??
あまりにも女性を軽視されている。
文中でも何度も母親が生まれたばかりの女児を殺害したことが書かれる。
女児は全く、生きる権利すらないのだ。
そしてそれは、罪の意識すら持たれないほど「普通のこと」なのだ。

理解できない、などといってはいけないのは分かる。
この世界には異文化があるのだ。
「女には全く価値が無い」という文化があるのだ。
それが尊重されていい物か悪いものかはまた別問題であるけれど。

この文庫本には、日本の読者に向けたメッセージが特別につけられている。
とてもすばらしいメッセージ。
一言一句残らず、ここで紹介してしまいたいくらい、すばらしいメッセージ。
読んでいたのが電車の中でなければ、私は声を放って泣いていただろうと思う。

是非、読んで欲しい。
アダルトチルドレンの自覚がある人には、共感する所も多いと思う。
(彼女が受けてきたのは、性的虐待以外の全ての虐待でもあり、
 ACの理解がある人ならこの本の中に何箇所でもACの特徴を読み取れると思う)
ACの自覚がある人には、最後の特別のメッセージは強い光になって届くと思う。

文庫化される前に読んでしまった人にも、最後のメッセージを読んで欲しい。
日本人に対して、過分とも言える謝辞がついています。
絶対、感動します♪






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Last updated  2006.06.20 12:26:14
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