379837 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

あたしはあたしの道をいく

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Category

2006.11.27
XML
カテゴリ:本@AC関連
さらば、悲しみの性新版

すごーく古い本です。

たぶん、あたしが小学生の頃の本じゃなかろうか。

中学1年で著者の講演を聞いたときには、既に出版されていて、

かなり話題の本になったはずだから。



中学一年といえば、かれこれ20年近く前のことになる。

避妊がどうのこうの、なんて話をされたって、

こっちはまだ胸もペッタンコ、初潮もまだ、なんて年頃。

「避妊って何?」状態だったんだけど、あの講演はちゃんと覚えてる。

話が上手い先生でね、話に引き込まれた。



この本を書かれた当時は、広島の総合病院の勤務と書かれているけれど、

今は独立してクリニックを開かれています。

あたしがタロウを妊娠したとき、最初に受診したいと思った先生が著者だったんだけど、

残念ながら、出産には対応してない小さなクリニック。

「えー、講演の時にはあんなに出産のことを言われてたのにィ」と不満だったの。

出産ってすばらしいのよ、なんてことを言われてたから、

この先生のところで出産することが出来たら、幸せだなあって思ってたしね。

ものすごぉく、残念だった。



さて、「さらば、悲しみの性」。

気にはなりつつ、そんな感じで十年越しの初読。

すごい本でした。

性に目覚めた思春期に、一度は読むべき本よ、コレ。



低容量ピルが解禁されたのは最近のことなので、

そういう面では情報として古いところもあるのは致し方ない。

他にも医学的に古い情報になってしまったものは、ありうると思う。

だけどね、「悲しみの性」「喜びの性」の根本は変っていない。



性について無知な男と、性について無知な女が睦み合う。

これってとても怖いことなんだよね。



あたしも性についてとても無知な人でね。

荒れてた時代を思い返すと、本当に怖いなって思う。

あたしは幸いにして、望まない妊娠の経験は無いけれど、

それは全く持って「ラッキー」の範囲でしかなくてね。

あの時はそういう風にしか出来なかったと分かっているんだけど、

それでも思い返すととても怖いことだと思う。



著者はね、この本の中で何度も女性がNOを言うことを提言してる。

傷付くのは、女性なのだからと。



喜びの性、つまり嬉しい妊娠でも、内診ってあるんだよね。

専用の台に上がって、引っくり返ったカエルみたいな格好で「中」を見られるわけ。

セックスの陶酔の中ではなく、シラフでこの格好、かなり恥ずかしい。

相手は医者、プロなんだからって言っても、「ご開帳」の状態で座ってるのは、

ものすごく屈辱的なものでね……何度経験しても、慣れない。



お互いの合意の下でのセックスの結果なんだから、

お互いに責任をって言う男性がいる、という関連でこの内診を書かれる。

内診台や手術台の上で脚を開くのは、男性ではなく女性。

腹の中を探られ、かき回され、腹の中の命を掻き出されるのも女性。

これが、お互いに同じだけ責任を持つということだろうか、と。

圧倒的に女性が傷付くのだ、と。



女性はもっと自分の体を大切に。

女性はもっとNOを。

著者はそう何度も書いている。

今のあたしもそう思う。



だけど……

それに納得できないあたしもいる。

あたしの中の、あたしが喚く。



自分を傷つけるために性を選んだ女性はどうすればいいんですか、先生。

あたしは自分を傷つけたくて仕方が無かったんです。

性は母の一番嫌がることだったんです。

母の一番嫌がることで、自分を傷つけたかった。



男性と二人きりになって、NOを言うことの怖さを知ってるんですか。

腕力ではかなわないことが分かってるのに。

男性、特に特定のパートナーには従うものだと洗脳されているのに、

そう育てられてきたのに、それを出来ないのはとても悪いことだと言われてきたのに、

その既成概念に抗うことがどんなに怖いことか、知らないんですか。



あたしも将来、タロウやハナコに教えなくちゃいけない時期が来る。

そのときが来たら、あたしはこの本をタロウやハナコに読ませたいと思う。

情報として古いものは確かにあるけれど、本質は変らないから。



性の喜びも、性の重みも、怖さも、知識として知っておく必要はある。

一通り経験しなくちゃ分からないこともあるけれど、

知識として持っておくことは、とても大切なことだと思うから。

それだけでも、きっとあたしが母親から受けた性教育よりは

きっと随分マシだと思うから。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.11.27 12:53:18
コメント(3) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.