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2007.01.12
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カテゴリ:本@AC関連
保育園は、いま

えー……

一昨日の日記で、えらく滔々と述べ立ててますが、

基本的にこの本のウケウリです(笑



とてもいい本。

保育園の成り立ち、問題点、課題、今後の展望、日米の比較など、

著者の実体験を織り交ぜながら、とても丁寧に書かれている。

保育士テキストで一通りは頭に入れていたツモリだったんだけれども、

なかなか理解できなかったところが繋がった感じ。




ただし、初版が1997年、つまり10年前。

数字や実情を扱う本としては、致命的に古い。

しかも、ここ数年は少子化と子育て支援について注目されていて、

ものすごい勢いで制度が変わっている。


だから、この本が出版されてから改善されたことも、

たくさんあるだろうと言うことを、念頭に置いておく必要がある。



ただ、少子化・子育ての面で急速に制度が変わりつつあるとはいえ、

この本で取り上げられた問題点は、依然として残っていると思う。



例えば、タロウやハナコが通う保育園は、


朝7時半から夕方6時半までの保育を、月曜から土曜まで行っている。

前にお世話になっていた保育園は、朝7時から夕方6時だったので、

保育園によって多少の違いはあるだろうと思う。

夕方の6時半(6時)以降も延長保育があるが、

それも今の園が7時半まで、前の園が8時までしかない。

延長保育がある保育園は良いほうで、公立保育園ではかなりの確率で延長が無い。



つまり、とても一般的な働き方をしている人のニーズには合致している。

朝8時前に子どもを預けて出勤、9時前に会社に着いて仕事。

5時に仕事が終わって、6時頃には保育園に着く。

土曜日の出勤もたまにあるけれど、日曜日はお休み。



が。

働き方が多様化している今、このモデルケースに合致しない人も多い。

販売業の人たちは、出勤が遅く夜も遅い。

看護士さんたちには夜勤がある。

土日出勤がある代わりに、平日がお休み。

モデルケースに近い就業をしている人でも、残業や出張が無い人は少ない。

こういう人たちは、どうしているのか?



そこに、認可外保育園(託児所)のニーズがある。

ただし、認可外保育所は経営者や働く人の意気込みによって大きく左右され、

保護者から認可保育所より良い評価を受けるような所もあれば、

沢山の問題を抱えている所もある。

どんなに問題があっても、少なくとも家に子どもを放置しておくよりはマシなわけで、

親としては預かってくれるだけでもありがたい、と言いたいことも言えずにいる人も居る。



母親が働くことで最初の障壁が、この保育の問題。

父親の収入が安定していて、経済的に母親が働く必要が少なければ、

子どもを質の悪い保育所に高額の費用を払って働くことに抵抗があるのは当然で、

母親は働くことを諦めてしまう。



でも、昔の日本にはあった地域の繋がりが今の社会では失われているから、

専業主婦の母親は密室育児に陥りやすく、酷いストレスを抱えてしまう。

専業主婦だから子育てがラクだ、というのは幻想に過ぎない。

共働き家庭以外の家庭を支える拠点として、ここにも保育園のニーズがある。



保育園のシステムがこんなにも長く変わらない理由に、

安易な逃避の場所を作ることになるのでは、という議論があるようだ。

長時間保育が可能になれば、親は子育てを「外注」するようになり、

育児放棄に近い状態になるのではないか。

子育ては親がするのが本当だから、ある程度規制をかけて、

安易な逃避が出来なくなるようにしておく必要があるのではないか、と。



そもそも長時間労働がおかしいのだから、それに伴う長時間保育もおかしい。

と、切って捨てることは簡単だけれども、実際に長時間労働の実態があり、

それは容易には変わりそうに無いという現状では、

二重保育や弊害がある保育で乗り切る以外に手が無い。



確かに、遅くまで預かる保育所や宿泊保育に対応するところも出来たけれど、

それはごく一部に限られているから、地域的にも限定されて、利用に高いハードルがある。



まだまだ、保育にかかる問題は山積されたままだ。

この本が書かれて10年、まだまだ過渡期のままだ。

色々な疑問が解消され、色々な問題が見えてきた本。

とってもオススメ。







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Last updated  2007.01.12 12:27:45
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