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あたしはあたしの道をいく

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2007.04.12
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カテゴリ:本@AC関連


母親から子どもに対して行われる暴力について、

男性特有の、とても理論的で緻密な視点で書かれた本。

直接的に数字を扱っていないにもかかわらず、

とても冷静に書かれている。

今まであたしが読んできた本は、感情の部分に関わるものが多かったので、

ものすごく新鮮な感じを受けた。



『母という暴力』、については最初違和感があったけれど、

「母という暴力」と「母の暴力」は厳密に分けられており、

この本の中で語られているのは「母という暴力」について。



確かに、日本の児童虐待は母によって行われることが多いけれども、

それが「母の暴力」によるものなのか「母という暴力」によるものなのかでは、

意味合いが全く違うのではないかと思う。


たとえば、子どもが皿を落として割った時に行われる暴力。

日本の場合は、父親より母親の方が圧倒的に子どもに関わる時間が長いために、

「子どもが皿を割る」という現場に居合わせる確率も、母親の方が圧倒的に高い。

そのために父親よりも母親が折檻する確率の方が高くなる。

これは、「母という暴力」ではなく「母の暴力」だと言う。


そうではなく、「母」という存在の根源に関わる暴力を見ていく。

良妻賢母思想や男尊女卑思想を基とする、母親のありかたに関わるもの。

乳房・子宮という母親の根源に関わるもの。

女性の社会進出と、時代の変遷により生じてきた、それらの思想と現実の乖離。



著者は、根源的に女性は暴力と無縁ではいられないという。

この言葉、ちょっと極論っぽいけど、すごく説得力がある。

あたしは既に二児の母だから、二回も「子どもを生む」という暴力を働いている。

子どもを生む、それ自体が一つの暴力であることを、あたしは否定できない。

それは、この本を読むまでもなく、以前から感じていたことなんだけどさ。

そんなことを考えてるあたしは、この本、すごく納得した。

まあ、出産前だったら怒ってただろうけれど(笑

「女性は生む機械って発言した某大臣といっしょだろー、プチッ」って感じで(笑

既に母親になっちゃってる立場だからこそ、読めたものかもしれない。



とても細かく、冷静に書かれている。

人が人を育てる過程で発生するのが児童虐待なのだから、

人が感情を持っている以上、感情を置き去りにした理論は空しい。

でも、感情にばかり焦点を当てるのではなく、

一歩離れた、冷静な視野で原因と現状をみていくのは必要なことだ。



ところで、この本。

商品リンクは「増補版」なんだけど、

あたしが読んだのは「増補版」では無いのよね~。

気になるわ、「増補版」。






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Last updated  2007.04.12 11:15:40
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