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紅萌ゆる

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2013年01月13日
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カテゴリ:時事ネタ
 昨年末の政権交代は2009年以来のものとなった。3年数ヶ月前に歴史的な政権交代を成し遂げた民主党は、マニフェストを文字通り『棚上げ』し、ひたすら民意を裏切り続けた。今回の政権交代は至極当然の結果といえよう。

 この3年間、こと税制改正に関して言えば、発足当初はこのコラムでも期待を込めてエールを送ったが、最初の平成22年度税制改正の『一部』以外は、ほとんど評価に値しない、まさに『悪夢』のような税制改正が年々繰り返されてきた。
 税制改正の分水嶺は、コラム#29(http://www.asahi-area.com/bk/column/f29.htm)に詳しく記載しているが、平成22年6月22日の閣議決定『財政運営戦略』であろう。この閣議決定をもって年々の税制改正から『理念』がなくなってしまったと小生は考える。本来極めて『政治の世界』である『税制改正』が、『官僚』の手に完璧に委ねられた。爾後、税制についての、知識も見識も現場感覚も何ら持ち合わせていない(としか思えないような)民主党の政治家はひたすら『政治主導ごっこ』を演じたように小生には見える。その究極の姿が某総理の『政治生命を賭けた消費税増税』というのは、ある意味『悲劇』を通り越して『喜劇』ですらある。

 未だにマスコミは『消費税増税は必要』と盛んに喧伝しているが、デフレ下での増税はまさに『角を矯めて牛を殺す』ことになりかねない。漸く今回の2回目の政権交代で、前回のコラム(http://www.asahi-area.com/bk/column/f53.htm)でコメントした附則18条にスポットライトが浴びるようになったが、果たしてこの増税圧力をはねのけることが可能であろうか?新政権は頻りに『4月〜6月期の経済指標』をベースに増税の可否を判断すると言っている。それこそ20年前のアメリカ大統領選挙の際のクリントン陣営のスローガン "It's the economy, stupid!" 「経済こそが問題なのだ、愚か者!」が今の日本に当てはまるというのも不思議な気がする。
 で、その経済成長は今後をウオッチするとして、先手を打っている官僚の発想方法とはどういうものだろうか。実は用意周到な準備がなされている。まず与党は、選挙後早々に8%に消費税を上げた場合には複数税率の導入を検討するという『公明党の選挙公約※』をあっさり反故にした。
※公明党マニフェストより引用:『軽減税率の導入など、低所得者対策の確実な実行 消費税率8%引き上げ段階から、確実に低所得者対策を実行します。法律上は、食料品など生活必需品等へ「軽減税率」や……』
これは至極もっともなことで、以前のコラムでも小生が再三指摘しているように、わが国の消費税法は世界に類を見ない『ガラパゴス消費税法』であり(このコラムの#47、#48、#49をWEBでご参照頂きたい)その仕組みの抜本的な改革をすることなく、複数税率なんぞ導入できるはずがない。

この点、財務省はどう考えているのだろうか?以下、財務省が昨年作成した「参考資料」(http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/sankou.pdf)から関連する資料を引用してみよう。そのタイトルは「消費税率の国際比較」と「複数税率の問題点」という、OECDやEUの標準税率と食料品に対する適用税率を一覧表にまとめたものである。

 
消費税比較.jpg

まずこの「消費税率の国際比較」というグラフである。EUやOECDなどの税率を棒グラフにして表示している。軽減税率を導入している国は、その軽減税率を色分け及び税率を別記することで同じ棒グラフでわかるようにしている。

低所得者への配慮.jpg

次の表は「複数税率の問題点」というタイトルである。
この「複数税率の問題点」の赤いまるでかこまれている所に注目してもらいたい。結論は「諸外国の食料品の軽減税率は10%程度の水準」とされているが、これは極めて恣意的な邪な意図が感じられる資料である。
 確かに前述の棒グラフからOECD(日本を除く)の単純平均値を計算すると『標準税率が19.1%、軽減税率が9.5%』、EU諸国は『標準税率20.9%、軽減税率11.2%』となる。
 財務省の理屈は、『標準税率は概ね20%、食料品(軽減税率)は概ね10%だから、今回の消費税率のアップに関しても、仮に3年後に10%の税率になったとしても、依然としてEUやOECDの平均食料品税率並みであり、わざわざ複数税率の仕組みを導入する必要はないし、税率の水準も10%程度で、何ら問題はない』というもの。敢えて指摘するが、これは明らかに『愚かな政治家』や『不勉強なマスメディア』をミスリードさせるための、ためにする議論である。数字そのものに誤りはないが、そもそもEUやOECD諸国の税率を加重平均することにどれほどの意味があるのか全く理解不能である。

繰り返しになるが、EUやOECD諸国の中には日本と経済的に同等ではない小国(一般的にかかる国々は概して税率が高く、かつ複数税率ではなく単一税率である)が数多く含まれており、かかる国々の税率を単純平均することにどれくらいの意味があるのだろうか?例示しよう。

例:EUのルーマニア:単一税率で24%
  EUのラトビア :単一税率で22%
  EUのリトアニア:単一税率で21%
  OECD,EUのデンマーク:単一税率で25%
いかがだろう。日本の税率とルーマニア、ラトビアやリトアニアの税率比較に何の意味があるのだろうか?そのココロは、EUとかOECDとかを前面に出すことにより、財務省の主義主張を正当化しようしているだけなのである。

前掲で小国は言い過ぎかも知れないが、日本が比較対象とすべきはG8先進国のイギリス、フランス、ドイツ、カナダ、イタリアではないだろうか?
  イギリス :複数税率で食料品は0%
  フランス :複数税率で食料品は5.5%
  ドイツ :複数税率で食料品は7%
  カナダ :複数税率で食料品は0%
  イタリア :複数税率で食料品は10%
(尚、世間ではあまり知られていないが、G8のうちアメリカは国税(連邦税)としての消費税はそもそも存在しない。)
 で、上記資料の手法で単純平均を行うとG8先進国(日本を含みロシアとアメリカを除く)の食料品に対する平均税率は4.6%となり、現行のわが国の消費税率(5%)は、こと食料品という観点からは、すでにG8先進国では高い部類に属していることがわかる。

 ところが、財務省は頻りにこの資料を『参考資料』として用い、与野党を問わず『愚かな政治家』にインプットし続けることで、晴れて消費税率のアップに成功したのはご高承の通りである。

 資料からもわかるとおり、財務省は『複数税率の導入』や、『食料品を非課税』なんかにするつもりはさらさらない。又、この意を受けた『愚かな政治家達』は、『10%を越えたら、複数税率を考えなければならない』というニュアンスの国民を舐めきったコメントを盛んに、マスコミを通じて発信し続けている。(NHKや民放の政治討論会なんかを聞くと、与党も野党もほとんど笑えるほど、この資料の結論に『洗脳されている』のがわかる。)

 今一度言う。日本の消費税率が10%になるとすれば、それは間違いなく単一税率であろう。そのココロは現行の仕組みで複数税率にすることは不可能だからである。そうなれば、食料品など他のG8先進国では社会的弱者保護等の観点から低税率とされているものまでが、10%という高税率の国になってしまうのである。これほど苛酷な社会的弱者を虐める消費税制は、他のG8先進国には存在しないことにいい加減、気付くべきである。

 思うに、マイナンバー法(コラム#45をご参照)を可及的速やかに復活・導入して、カナダ式の『GSTクレジット』を導入するしか、社会的弱者を守る道は残されていないと考えるが、どうだろう。


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最終更新日  2013年01月13日 08時13分51秒
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