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テーマ:鬱病(2268)
カテゴリ:うつうつ
昨夜,『精神科ER 緊急救命室』を読み終わりました。筆者は東京都立府中病院で3年
間,精神科救急を担当した精神保健指定医です。精神科救急なので,本にはうつ病以 外のことも書いてありますが,ここではうつ病に関する部分について紹介します。 抗うつ薬が開発される以前は,うつ病に対する有効な治療法は電気けいれいん療法ぐ らいでした。しかし,以前は,精神科病院では治療以外の目的でこの治療法を使われ てきたという負の過去を背景に持っている治療法なので,この治療法の選択をためら う精神科医も多いそうです。傾向としては,「箱根の関所」を境として,東では積極 的にこの治療法を選択し,西では消極的なのだそうです。 現在は全身麻酔をしてからこの治療法を行うし,回数も6回~12回が目安になってい ます。この治療法を実施する前には,患者や家族の同意はもちろんですが,その他に, 脳のMRI,脳波,心電図,胸部X線写真,採血などの検査を行って,その結果大丈夫な らば電気けいれん療法を行うことになっています。電気けんれん療法は略して ECT (Electro Convulsive Therapy) と言われています。 負の背景というのは,以前は病院内において,病院職員の意のままに動かない入院患 者に対して,治療としてではなく,「懲罰」としてこの治療法を使っていたそうです。 「懲罰」として使っていたのですから,その頃は全身麻酔をしないでこの治療法を行 うのが普通だったのでしょうね。 以前私が読んだ本には,マレーネ・ディートリッヒも電気けいれん療法でうつ病の治 療をしながら仕事をしていた,ということが書かれていました。彼女の時代だと全身 麻酔はしなかったんじゃないかなぁ,多分。なにしろ数十年前のことですから。数十 年前からうつ病に有効な治療法であることはわかっているので,抗うつ薬よりもその 有効性には歴史があります。 これがその本です(↓)。ハードカバーです。 精神科ER 緊急救命室 著者:備瀬哲弘 出版社:マキノ出版 サイズ:単行本 ページ数:302p 発行年月:2005年08月 ISBN: 9784837670469 本体価格:1,500円 (税込 1,575 円) 送料無料 ◆Amazonマーケットプレイスには古書もあります。『精神科ER 緊急救命室』 その後,文庫本化されました(↓)。 精神科ER 緊急救命室 集英社文庫 著者:備瀬哲弘 出版社:集英社 サイズ:文庫 ページ数:302p 発行年月:2008年11月 ISBN: 9784087463743 本体価格:590円 (税込 620 円) 送料無料 ◆文庫本もAmazonマーケットプレイスの古書があります。『精神科ER 緊急救命室』 ポチッとね♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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