新聞社
新聞社ー破綻したビジネスモデルー(新潮新書)【電子書籍】[ 河内孝 ] そもそも2007年のものつまり今から16年前平成19年に書かれたものだ。 だからもう旧聞だ。 特に第五章,IT社会と新聞の未来図,はもう一度見直さなければならないだろうな。 このうち 米国新聞界のIT戦略には,3つの流れがあります。 ニュース・コンテンツを完全に有料化したウォールストリート・ジャーナル,一部を有料化したニューヨークタイムズ,ニュース提供は無料にして,アクセス数を稼ぎ広告収入で採算を取ろうとするワシントン・ポストと,その他ほとんどの新聞社。は,朝日新聞なんかじわりじわりと有料化を進めている。 無料で読める記事などもうないんじゃないか。 つまり著者が書いた時点では,アメリカでは,という条件付きだったのが今や,日本においても,という話なのだ。 この本が書かれた時代朝読が謀議をしていたらしい。 著者は元毎日の取締役。 毎日はもうとっくに三大紙からはじかれている。 そこで著者はこう考えた。 第一段階:現在の新聞界に,読売,朝日の二大紙に対抗できる第三極を作る。 (略) 第二段階:「新聞社がITをやる」から「ITの中に新聞機能が包含される」ビジネスモデルへの転換。 ということらしい。 けれど第三極ができたとは聞かない。 また今持って先の抜書の通り新聞社がITをやる状態が続いている。 たしかに16年前の本を現在読めば16年前の予測が検証可能だし,16年前までの事実も盛られているから新聞業界を論じるには欠かせない一冊ということはできる。 そういう意味では100円本も役に立つということだ。 ただ現在を論じるには甚だ危うい。 ほんの難しさを感じる。(7/16記)