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思ったよりよかった

去る6月某日、アメリカから一時帰国(帰省)したダナンさんを囲み、楽しくくつろいだ時間を過ごしました。
そんなほんわかしたスペースを、ある身内関係者が報告白レポートにして送ってきました。私たちにとってこの言葉ほど嬉しい誉め文句はありません

テーマ 「思ったより・・・」




【国際交流デー】

 映画実行委員会、委員会日。
 さらに委員会終了後、英語版への翻訳をされているダナンさんを迎えての懇親会。
 とり急ぎ、一同ご挨拶をしてから本題、と思ったところ。
 坂下監事が、こんな事を口にする。
「あれ、ひょっとして実家は○町?」
 ダナンさん応じて曰く。
「はい、○○食堂のとなりの…」
「ああ!」
 当然ながら、ここからしばらくの間○町ローカルの話題が続いたのであった。


 そして、これを「掴み」として、いよいよ本題。
 ダナンさんからは翻訳作業にあたって壁になった部分についていくつかお話をいただいた。
 例えば、カントリーのマスターが弘樹に向かって喋る言葉は、表に出ている言葉以上に裏に含むところが大きく、表現に苦しんだという。
「他には、何か?」
「節々に、日本的だなぁ…と思うところが」
「例えば」
「お母さんが専業主婦で、子供の面倒はお母さんがほとんど見ているところとか」
「ああ!」
「男の人が徹底的に仕事中心に物を考えているあたりも、当然そうですよね」
 その他にも、テレビは基本的にCATVまたは衛星であるという事。やはり日本と比較して治安は悪いという事。さらには、牛肉の禁輸措置を除いては、ほとんどあちらではニュースとして日本が取り上げられる事はない、という事。理由は、当然というべきが、「アメリカに利害が絡むか否か」という判断基準に依るものらしい。

 そういうものは、我々も「知識」としてある程度理解してはいるつもりだった。ただ、こうして「厳然たる事実」として目の前に出てこない限り、それを有効に活かす所までは辿り着かないものなのだろう。


 いっぽう、こちらからは映画を撮るに至ったいきさつ、撮影中、撮影前後の逸話などを。
「役名を、実はけっこう周囲の実在の人物から借りてたりするんです。キクエさんとか、サオリちゃんとかは、もうモロに身内の名前なんですけど」
「実は撮影入ってから気が付いた事があって」
「?」
「『今日、キクエさん来るの?』って言ったら、『どっち?』ってなっちゃって」
「あ~」
「おかげでしばらく混乱したんですよね…」
「あ、でもキクエさんに関してはすぐ区別がつくようになったじゃないっすか」
「え?」
「ほら、『キクエさん』っていうのが役者さんのほうで、『キグエさん』が本物(?)のキクエさん」
「おお!」
「そうだそうだ!」
 正直に言います。
 宮古弁の脚本だったら、マジでまったくわけがわからなかったと思います。

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※(フミニャンより補足)ここに出るサオリとかキクエは、ATNのPTA鬼母さんの筆頭役であり実在はしませんが、その役を買って出てくれた同名のサオリとキクエが、本当に宮古に実在します。キクエと菊枝は別人で、きくえじゃなく菊枝は本当は喜久枝ではなく、え~と、・・・あの

んー、こんがらかって説明できないので、詳しくは、ぜひDVDでご確認下さい 
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「ところで、映画はご家族にはお見せしたんですか?」
「翻訳を手伝ってもらった、お義母さまには」
「なるほど」
「で、困ったのが、『どういうストーリー?』って聞かれた時で…」
「どう答えたんですか?」
『グーニーズ』みたいな話、って」
「なるほど」
 子供たちの大冒険。そして成長。ほんのちょっぴりの切なさ。
 そういう意味では、確かにグーニーズかもしれない。
「良かった~」
 撮影監督の歩くんが、そう呟いた。
 意図したとおりに撮れていた事に対して、そう呟いたのだと思ったのだが。
「『インディージョーンズみたいな話』って言われたらどうしようと思った」

雄太(マッチョ)「さあ! タイムカプセル掘るぞ!」
美咲(金  髪)「ちょっと! 何か根拠でもあるの!?」
駿介(子  供)「こいつにそんなのある訳ないじゃん…(嘆息)」
美咲(金  髪)「オーマイガー!」

 すごいATNが脳内再生されました。
 これが歩くんクオリティ。

 とりあえず、嫌な脳内映像を振り払うべく、話題を切り替える。
「そう言えば、この映画について皆さんが口を揃えた感想っていうのがありまして」
「はあ」
『思ったより良かった』なんです」
 それを合図に、一同はそれぞれの表現で「思ったより」の意味を説明にかかる。
「そう、必ず『思ったより』が付く」
「自主映画っていう時点で漂う嫌な予感って、あるじゃないですか」
「とりあえずそれは無い、っていう事で頂いたと思うんですけど」
「微妙っちゃ微妙な感想なんですよね」
 そこで再び歩くんが一言。
「もういっそ、『思ったより良かった』をキャッチコピーにしちゃえ」
「という事は、こう、ポスターの脇に…


















omotta.jpg




って」
 直後、一同異常にテンション上昇。
「ダナンさん、英語だと何て言うんですか!?」
「ええっ!? 急に振られても…」
 ダナンさん、しばし熟考ののち。
"It's better than I expected"…かな?」

 つまり英語版は…。






















eomotta.jpg




「おお、思ったよりいいぞ!」
「思ったより良かった!」
「ベター・ダン・エクスペクティッド!」
「イエー!!」
 さらにテンション上昇。


 本日の流行語大賞。
 
思ったより良かった。

以上


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