オレは昔、スキーのプロになろうと本気で思っていた。
だから、スキー場のバイトもしていた。
なにしろ、スキー場のバイトは暇だ。大雪や吹雪だとリフトは動かせないので閉鎖だ。
オレのいたところは、上級コースなので閉鎖になると何もする事ない。
ロープウェー、ゴンドラと乗り継ぐ所
(スキー好きなら分かるかも?)なので、ピステン(雪上車)で上に行き
まず、リフト下の急斜面(もちろん深雪)を滑り、雪を潰す。
言っておくが遊びで滑ってるんじゃないぞ。リフト下がちゃんとしてないと
脱索の時、下から登っていくの大変だからな。
一通り雪かきが終わると、滑りタイム。
下が滑れなくても、上の方は平気という事が良くあるんだ。
または、林の中のリフトは動かせるが、ゴンドラは無理とか、
だから、もう滑り放題新雪タイムだ。リフト下はかなり難しいが、
コースは固めてある上に新雪だからサイコー。
客もいないのでコース外もOK。
そして、昼は豪華な食事。
なにしろ、厨房も暇なので、手をかけて作る。
ちなみに、普段はスキー場内のレストランの持ちまわりだ。
(一箇所に決まってるスキー場もあります)
すごいのは、これを言うと完全スキー場判明だが、
ヘリでお偉いさんが来る時だ。
この時はナゼか決まってステーキが出る。
都内の系列ホテルで食べたら、エライ高いよ。
4月過ぎると毎日お宝探しだ。
雪がとけて落し物が毎日顔を出す。
小銭、100円ライターは数え切れず、高級ライター、サングラス、帽子、
毎日いろんな物を拾う。
地元のおっちゃん連中(主任とかをやっている)は、毎日リフト下を歩いて帰るくらいだ。
オレが拾ったもので驚いたのは、キジの死体。缶ビール20本。炭と生肉バーベキューセット。
きっと、どこに置いたか分からなくなったんだろう。
ビールはおいしく頂きました。キジは主任が持って帰りました。
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