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医療報道を斬る

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2007.11.15
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カテゴリ:医療
 自分の年金を家族に横取りされ家にも入れて貰えない人が、料金も払わずにホテルに居座り、ホテルのレストランで只飯を食べ続けることは不可能だろう。すぐに警察に逮捕されるだろうし、ホテル側がたたき出しても非難されることはないだろう。でも、同じことでも、病院だと警察は逮捕してくれないし、たたき出したら非難轟々で、保護責任者遺棄の疑いで捜査されたり行政指導を受けたりする。


保護責任者遺棄:堺の病院、全盲患者を公園に放置 糖尿病で入院、職員が連れ出す
記事:毎日新聞社【2007年11月14日】

 堺市北区の新金岡豊川総合病院(豊川元邦院長)の職員4人が9月、糖尿病で入院していた全盲の男性患者(63)を連れ出し、大阪市西成区の公園に放置していたことが分かった。職員らは放置直後に匿名で119番通報し、男性は救急隊に保護された。患者は治療費を滞納していたほか、トラブルも多かったといい、職員らは「退院可能なため知人に引き取らせようとしたが、断られたので放置した」と説明。病院側も事実を認めている。大阪府警西成署は既に保護責任者遺棄容疑で同病院を捜索し、カルテなどを押収している。

 同病院や堺市保健所によると、男性は約2年前から入院費用など治療費を滞納。約3年前から退院可能な病状だった上、自宅が判明したため、職員4人が9月21日午後1時ごろ、男性を車に乗せて大阪市住吉区内にある男性の自宅を訪れた。しかし、同居する前妻が本人の持病を理由に引き取りを拒否したことから、同2時20分ごろ、西成区内の公園で男性を降ろして放置した。

 職員らはその際「60代の男性が公園で倒れている。目が見えないらしい」と119番通報し、男性は保護された。救急隊員が同病院に問い合わせ、職員が放置を認めた。

 男性は約7年前に入院。治療費が滞納状況となり、備品を壊すなどトラブルもあったという。豊川院長の次男の泰樹薬局長は「職員の判断でやったことだが、とんでもないことをした。申し訳ない」と話している。

 また、同保健所は、院長らが従業員の監督を怠った行為が医療法違反にあたるとして先月、改善策を提出するよう病院を行政指導した。

 同病院は83年に開設。病床数183床。【高田房二郎、花牟礼紀仁】

 ◇「誰も指示せず」現場の判断強調??病院会見

 堺市北区の新金岡豊川総合病院では、体調を崩したという豊川元邦院長に代わり次男の泰樹・薬局長らが会見した。何度も頭を下げたが「なぜ放置したか分からない。誰も指示していない」と、あくまで現場の職員の判断だったと強調した。一方で「放置するくらいなら、自宅に男性を降ろした方がよかった」とも発言し、患者軽視の姿勢も見え隠れした。男性にはまだ謝罪していないという。

 確かに放置した職員は悪いと思うけど、「何とかしろ」と言う圧力はあったのではないかと思う。確かに「捨ててこい」とは命令してはいないだろうが、相当の圧力がなければ放置などしないのではないか。4名の職員だけに責任を押しつけることにはもちろん反対だが、病院の窮状を放置して責任だけを押しつけている行政やメディアにも苦言を呈したい。

 入院している必要もないのに居座り、料金も払わず、傍若無人な態度で他の患者も居着かないような状況が事実なら、謝罪などしたくないだろう。私は医療関係者だから病院の事情もよく分かるが、毎日新聞の記事だと、患者にも多少問題があったかも知れないが、なんて酷い病院だろうと言う感想を持つ人も多いのではないかと推察する。同じ事例でも、視点が異なるとこれほど違う記事になるものかという実例をお見せしよう。

「患者置き去り」の深刻背景 医療費不払い、退院拒否に暴言
jcastニュース 2007/11/14

大阪府堺市の私立新金岡豊川総合病院の職員らが全盲の入院患者男性(63)を公園に置き去りにした「事件」は、入院費用の不払いなどのトラブルが背景にあった。置き去りについては府警が捜査しているが、全国の病院では最近、治療費の不払いが深刻になっている。回収できなければ病院の負担になる。単純な患者虐待事件ではないのだ。

3年前には退院できる状態に

患者男性の公園置き去りがあったのは、2007年9月21日。各紙の報道などによると、豊川総合病院が男性の退院を決めたことを受けて、職員4人が本人の意思に反してこの男性を車に乗せ、大阪市住吉区のマンションの男性宅に連れて行った。が、男性の障害基礎年金などを管理していた前妻(63)がいて、男性の帰宅を断られた。前妻は自らの持病を理由にしたという。そこで、4人は、西成区の公園に連れて行って男性をベンチに座らせ、救急車を呼んだうえで男性を置き去りにした。
不審に思った救急隊員が男性に聞いたところ、置き去りが分かり、連絡を受けた府警西成署が保護責任者遺棄の疑いで捜査している。男性は、その後別の病院に入院しているという。

堺市保健所が病院側から受けた説明などによると、患者の男性は7年前に糖尿病の治療でこの病院に入院したが、3年前には退院できる状態になった。病院側は、退院して自宅から通院するか全盲の入所施設に移るよう促したが、男性は「自分がなぜ動かなければならないのか」と退院を拒否。看護師やヘルパーに対し度々暴言を吐いたり、ベッド近くの備品を壊したりするようになった。あまりに大声を出したり暴れたりするため、病院側が他の患者への迷惑を考えて、6人部屋に移したという。

さらに、男性の前妻が2年前から入院費用を男性の年金で払わなくなった。未収金は、185万円に上っているという。豊川総合病院総務課の鈴木信夫次長は、J-CASTニュースの取材に対し、「前の奥さんとなかなか連絡が取れなかったと聞いています。なぜ払わなくなったか詳しい事情は分かりません。男性本人は、払われていると思っていたようです」と説明する。

未収金が増え、病院によっては経営に影響
この置き去り問題は、話をまとめると、退院拒否や入院費未納、暴言などのトラブルに困った病院職員らがなんとか自宅に帰そうとして失敗。苦肉の策として、救急車を使って他の病院に移ってもらおうとしたらしい。

全国の病院では最近、暴言など患者のモラル低下のほか、治療費の不払いが問題になっている。特に、未収金の問題は、病院を悩ませているようだ。不払い分を回収できなければ病院が負担することになるだけに、日本医療法人協会などからなる四病院団体協議会が06年12月、保険者である自治体などの肩代わり請求を求めて集団訴訟を起こす動きを見せたほどだ。協議会関係者は、「推計では、ここ3年間で未収金が増える傾向になっています。病院によっては経営に影響が出るほど、かなり深刻と言えます。なんとか対策を考えなければ」と話す。

厚生労働省でも07年6月、こうした動きを受けて、未収金問題に関する検討会をスタートさせ、対策を練り始めている。

豊川総合病院でも、未収金の問題はやはり深刻なのか。総務課の鈴木次長は、患者男性のケースについて、「(前妻との)交渉が甘かった」と反省したうえで、「一般的な話ですが、医療保険の個人負担分が増えたこともあって、未払いのケースが出ているようです。未集金に悩んでいるのはうちだけではありません」と明かした。

ただ、患者男性を置き去りにしたことに対しては、鈴木次長は、「起こしてはならないことで、お詫びしたい。前の奥さんと自宅で十分に話し合いをして、理解されるようにもっと努力すべきだった」と話している。堺市保健所でも10月末、医療法に定められた職員の監督を怠ったとして、文書で病院を行政指導している。


 この記事だと、最終的に行ったことは非難されても仕方のないことだが、病院もまた被害者であることがよく分かる。むしろ、患者や、年金を管理している前妻は善意の被害者などではないことが分かる。黒字の病院でも利益率は微々たるものだ。未収金があればすぐに赤字に転落するだろう。まして、営業妨害まであれば、どうにかして追い出したいのは当然だ。その様な状況を放置しないですむシステムを構築するのが行政の役目ではないのか。自分たちの怠慢を棚に上げて行政指導とは何事だろう。いかん、また血圧が上がってきた。






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Last updated  2007.11.15 16:23:56
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