バベルの図書館－或る物書きの狂恋夢

　しばらく更新が空きましたので。とっても古い話になりますが。だからこうしておずおずと書いているのですが。『ソルト』、観てきました。アンジョエリーナ・ジョリーにあまり肩入れできなくて、彼女の出演作をあまりまじめにみた記憶がないのですが、『ウォンテッド』ですっかりノックアウトされ、ニュアンスもテイストも違うけど、アクションがすごいということで観に行きまして。
　なんか、役柄のせいもあるけど、『ウォンテッド』の時に比べて脂っ気が抜けたなぁ、姐さん。役柄で鶏がら（苦笑）。ま、ロマンティシズムなき現代スパイ劇なので、なんだか痛々しいシーンやストーリー展開もあり。『ソルト』だけに、どこかしょっぱい。あ、今日は親父ギャグばかりだな。
　けれど、ちょうど良い尺に、束の間も息をつかせぬキレのよいハードアクションの連続。その殺陣も、女性スパイという設定をかみ砕いて完全に自分のものとしたアンジェリーナ・ジョリーによる、従来にない武道の型を取り入れているとかで、なんか、忍者みたいでした。例によって、かなりのアクション/スタントのパートを、自身でこなしているというので、いやはや頭が下がります。
　ちょうど、ロシアの女性スパイのニュースが全米を騒がせていたタイミングでの日本公開。壮大なプロモーションか。と、猜疑心の塊になりそうだな、スパイ映画観てると。
　関係ないですが二点（笑）。『アイアンマン2』観て、『ソルト』観たら、ロシア訛りの英語が、なんだかスロー再生した吉幾三氏の声みたいに聞こえてならなかったのですが。それと、ストーリーは意外に荒唐無稽なほど壮大で、物語中盤から合衆国大統領が登場するワケですが、これが酷い。どう見ても、オードリーの春日氏にしか見えないので、途中から『ヒックとドラゴン』になっちゃったのかと思いましたよ。（了）


［初版・映画ポスター］『ソルト』


アンジェリーナ・ジョリー／ウォンテッド