4.「若大将シリーズ」大学生編VOL:2

(文中敬称略)
東宝映画『若大将シリーズ』大学生編作品編VOL:2

『ブルーハワイに錨をあげて、太陽に歌へ波を切れ!恋のヨットに若さが躍る!』
ハワイの若大将

ハワイの若大将

●データ:‘63年8月11日封切 東宝スコープ:94分 併映作品:マタンゴ
製作:藤本真澄
監督:福田 純
●興行成績
推定番組配給:2億9200万円
推定入場人員:295万人
●主なキャスト
田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・中里澄子/(星 由里子)・南野明子/(北 あけみ)・石山新次郎/(田中邦衛)・江口 敏/(二瓶正也)・平岩/(中丸忠雄)・大川夏子/(清水由記)・戸井田教授/(平田昭彦)・赤塚/(堺 左千夫)・常吉・板前/(藤木 悠)・石山新介/(三井弘次)・古屋老人/(左 卜全)・上田/(上原 謙)・ジェーン上田/(ハヌナ節子)
●あらすじ
京南大学ヨット部のキャプテンの若大将の田沼雄一は練習中、中里澄子の操るモーターボートに衝突され、ヨットの修理費捻出のためダンス・パーティを計画した。
パー券を売り歩くうち、先輩の平岩と同じ化粧品会社の宣伝課に働く澄子と再会する。
パーティが盛会だったのは、ヨット部入りを条件に青大将の石山が券を買い占めてくれたからだ。
学期末試験の日、雄一は青大将に答案を見せたことがバレて停学処分となり、父親から勘当された。
他方、父親の新介の指金でハワイの古屋老人に身柄を預けられ、ハワイの大学に入ることになった青大将は、又もやカンニングが露顕して不合格。
新介の懇望もだしがたく雄一は青大将をつれ戻すためハワイに向った。
だが、青大将は古屋家を飛び出したあと、パスポートと財布を紛失して途方にくれている雄一に、ジェーン上田が十ドル紙幣を恵んでくれた。
化粧品の宣伝のためハワイにきていた澄子と夏子に会い、雄一は地獄の仏の思いだ。
翌日から青大将探しをはじめ、やっと豪華なヨットにトグロを巻いていることが判った。
奇縁にもジェーンの父親の上田のヨットであり、彼女は古屋老人の孫娘でもあった。
日本へ帰る旅費を作るため、雄一と青大将は古屋老人の経営する食堂で働くが、青大将は、澄子が雄一に心をよせているのに気がつかず夢中になった。
そんなある日、澄子は赤まむしと異名をとった赤塚とドライブに出かけた。ハイウェイを突ッ走るスポーツカーを、雄一と青大将が追った。
●楽曲リスト
ハワイの若大将、HONKY TONK PARTY、DEDICATED、SWEETEST IF ALL、ラブリー・フラ・ガール
海の若大将

『2年ぶりだぜ若大将!夏のしぶきを浴びて歌いまくるぜ泳ぎまくるぜ!』

海の若大将

●データ:‘65年8月8日封切 東宝スコープ:99分 併映作品::フランケンシュタインン対地底怪獣
製作:藤本真澄
監督:古澤憲吾
●興行成績
推定番組配給:3億4400万円
推定入場人員:314万人
●主なキャスト
田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・芦野澄子/(星 由里子)・南野明子/(北 あけみ)・石山新次郎/(田中邦衛)・江口 敏/(江原達怡)・秋山悦子/(重山規子)・大町英子/(藤山陽子)・酒井昌江/(沢井桂子)・左平/(藤原釜足)・海江田/(佐原健二)
●あらすじ
浅草で老舗のすき焼き屋『田能久』の若大将の田沼雄一は、京南大学水泳部のエースだ。
スーパー・マーケットのレジスター芦野澄子、ミュージカル・スター秋山悦子、同級生の大町英子などみんなが若大将の大ファン。
若大将の父親の久太郎は、息子を商科へ入学させたのだが、雄一は内証で水産科に籍を置き、遠洋航海を目標に航海学と水産学を勉強中だ。
その若大将が級友の江口と共に三カ月間の停学になってしまった。
理由は、江口が試験の当日青大将の石山新次郎のカンニングに協力したのを発見され、関係のない若大将が巻き添えをくってしまったのだ。
学校に呼び出された久太郎は、雄一が無断で水産科に入ったことを知って激怒、勘当を宣言した。
若大将はこれを機会に航海術を勉強するため、船長の青大将や事務長の江口らと共に小さな船『光進丸』に乗りこむことになった。
ところがこの『光進丸』に、悦子への意地から澄子がこっそり乗りこんでしまった。
やがて船は八丈島に着いた。島の若者連中はほとんど東京へ行き、島はじいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんだけの三ちゃん漁業で細々と生計をたてていた。
人手不足を知った若大将は、青大将、江口らを動員して漁業を手伝った。そこで若大将は、漁師左平の孫娘昌江を知った。
やがて船は島を離れ、青大将たちは東京に帰った。
ところが昌江は若大将のことが忘れられなくなり、父親の左平が昌江の思慕を若大将に伝えに東京にやって来た。
一方の澄子もこれを察し、なかばヤケ気味に青大将とドライブに出かけた。
が、澄子の心情を察した青大将は、そのまま車を競技場に走らせた。
その頃、日豪対抗水泳競技大会は始っていたのだ。
苦戦だった若大将も、澄子の応援で盛り返し優勝した。
若大将はオーストラリア留学が決り、澄子との愛を誓いあった。
●楽曲リスト
海の若大将、ブーメラン・ベイビー、恋は紅いバラ、君が好きだから、お玉杓は蛙の子

エレキの若大将

『エレキで歌いまくる加山雄三!!若さとパンチの青春大作!』

エレキの若大将

●データ:‘65年12月19日封切 東宝スコープ:94分 併映作品:怪獣大戦争
製作:藤本真澄
監督:岩内克己
●興行成績
推定番組配給:4億7000万円
推定入場人員:328万人
●主なキャスト
田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・星山澄子/(星 由里子)・石山新次郎/(田中邦衛)・江口 敏/(江原達怡)・秋山悦子/(芝木優子)・大町英子/(松原光子)・由紀子/(丘 照美)・幸江/(金子富美子)・規子/(松本めぐみ)・隆/(寺内タケシ)・赤田/(ジェリー藤尾)・松原路子/(北 あけみ)・路子の父/(上原 謙)・司会者/(内田裕也)・仁科/(二瓶正也)・井沢/(黒沢年男)・ブルージーンズ
●あらすじ
京南大学対西北大学のアメリカン・フットボール対抗試合は、若大将の田沼雄一の奮闘もむなしく、青大将の石山の作戦無視のために京南大学が敗れた。
やがて卒業シーズンとなり、後任の主将に雄一が選ばれた。
部員を売収して、なんとか主将の地位を得ようとしていた石山は、部員を相手に大荒れしたが、中に割って入った雄一のとりなしでおさまり、仲直りのパーティが開かれた。
その帰途、石山の運転する車が、ライトバンと衝突し、ライトバンに乗っていた若い女性の澄子は気絶してしまった。
石山は一緒に乗っていた雄一を拝みたおし身代りを頼み、雄一は事故を示談にして解決した。
しかし、車の修理代を父親に断られた石山は大弱り。
仕方なく雄一の発案でテレビのエレキ合戦に出て賞金を稼ごうということになった。
ところが、いざ本番となってエレキのメンバーが一人足りず、近所のソバ屋の出前持ちでエレキ狂の隆を誘ってメンバーに引き入れた。
雄一と隆のギターは冴え、不良エレキ・バンドでシャークスのリーダー赤田の脅迫にもめげず、見事優勝した。
ところが、その夜、赤田を応援に来ていた令嬢路子や澄子らとともにクラブに行った雄一は、うさ晴らしにきた赤田とふとしたことがら喧嘩し大乱闘。
警察沙汰になって、一カ月の停学処分になってしまった。
おまけに、赤田は雄一の家業のすきやき屋『田能久』が融資を頼んだ銀行の頭取りの息子で、融資は差しどめになってしまった。
怒った雄一の父親の久太郎は、雄一に勘当をいいわたした。
一方、隆はエレキ合戦の審査員をしていたプロモーター石原和子に認められ、雄一と一緒に日光へ演奏旅行へ出かけた。
そんな時、澄子は石山を騙して交通事故の真相を聞きだした。
澄子は、誤解を雄一に誤ろうと、日光へ向った。
ところが、石山を騙したことをとがめられた澄子は、ふてくされて東京へ帰った。
が、そのころ東京では『田能久』が営業不能になり、家族はマンションに引っこしていた。
急ぎ『田能久』に帰って、この破産を知った雄一は、隆の協力を得てエレキ・バンドを再編成して『田能久』再建の資金を稼いだ。
この雄一の努力で、見事老舗の『田能久』は再建された。
再建祝賀パーティの夜、仲直りした石山と雄一の顔は底抜けに明るかった。
●楽曲リスト
ブラック・サンド・ビーチ、ランニング・ドンキー、夜空の星、君といつまでも、日光和楽踊り


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