6.「若大将シリーズ」大学生編VOL:42004.10.14アップ2007.10.27改訂 (文中敬称略) ●データ:‘67年7月1日封切 東宝スコープ:106分 併映作品:その人は昔 製作:藤本真澄 監督:古澤憲吾 ●興行成績 推定番組配給:3億7000万円 推定入場人員:211万人 ●主なキャスト 田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・保科澄子/(星 由里子)・石山新二郎/(田中邦衛)・江口 敏/(江原達怡)・有 田美奈子/(前田美波里)・有田日出造/(左 卜全)・大崎悦子/(松原光子) ●あらすじ 水産大学の学生雄一は、級友の青大将の石山や江口と共に、練習船で遠洋航海の最後の寄港地になるハワイに来た。 雄一たちはハワイの日本料理店『京屋』で食事をしたが、そこでチンピラに絡まれているスチュワデスの澄子を助けた。 雄一は、彼女と親しくなり、再会を約束して別れた。 練習航海を終って大学に戻った雄一たちは、大学最後の年を迎え、雄一は柔道部、石山はレスリング部の新入部員を勧誘するのに大わらわだった。 人気のあるレスリング部に比べて、新入生が一人も現われない柔道部の有様を見た雄一は、女子学生を入部させることで男子学生の勧誘に成功した。 そんなある日、澄子が大学を訪れ、雄一と再会したのだが、彼女に熱を上げる石山は、澄子と二人きりになろうと、しつこく付きまとった。 雄一が家に帰ってみると、『京屋』の有田一家が日本に来ると知らせがあった。 やがて、有田一家が娘の美奈子を連れてやってきたが、雄一の家がすきやき屋『田能久』であると知ると、『京屋』に支店を出せばハワイの日本人が喜ぶだろうともちかけて きた。 一方、四年生になった江口は就職先を探すのに懸命だったが、石山は父親の会社に専務として入社することが決まっているので、澄子の飛行機が日本に来るたびに彼女の後を 追い回していた。 ある日、雄一は父親の久太郎の代りとしてすきやきの指導に、再びハワイへ行くことになった。 その前夜、澄子と二人きりで会った雄一は、自分の未来を語り、二人は急速に親しみの度を増していった。 『京屋』で始めた『田能久』のすきやきは好評だった。 雄一は、美奈子とハワイ見物を楽しんだが、澄子を追ってきた石山も同道していた。 石山のしつこさにたまらず、澄子はタヒチの地上勤務になったと石山に嘘の手紙を書いたが、驚いた石山と雄一は美奈子と共にタヒチに向った。 勿論、タヒチには澄子は居ず、そこの海で溺れそうになった美奈子を助けた雄一は、軽い潜水病になった。 病院でうなされる雄一は、しきりに澄子の名を言い続けた。 雄一を愛しはじめていた美奈子はそれを知ると、自分の恋を諦らめるのだった。 日本に帰った雄一には、日本柔道選手権試合が待っていた。 一方、澄子は雄一が美奈子を愛していると誤解して雄一から離れていったが、ハワイで美奈子と会い、雄一が自分を愛していることを知った。 選手権試合の日、決勝に進んだ雄一はオランダからの留学生のヘイスティングと対戦し、その巨体を武器にした寝業に苦戦していた。 が、しかし、試合場に駆けつけた澄子の声援に奮起した雄一は、ヘイスティングを破って見事優勝した。 夏の一日、雄一が澄子をヨットに乗せて帆走している姿が見られた。 ●楽曲リスト タヒチの夕陽、アロハ・ワヒネ、UPPA TAUBE、あの娘に、ア・サンバ、君のために、早くおいでよ、島の朝、信じてくれよ、忘れさせて ●データ:‘67年12月31日封切 東宝スコープ:89分 併映作品:日本一の男の中の男 製作:藤本真澄 監督:岩内克己 ●興行成績 推定番組配給:4億7200万円 推定入場人員:238万人 ●主なキャスト 田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・越川澄子/(星 由里子)・石山新次郎/(田中邦衛)・江口 敏/(江原達怡)・京 奴/(浜 木綿子)・ザ・ランチャーズ ●あらすじ 京南大学陸上競技部のエースの雄一は、町内会の夜まわりにかり出され、その晩起こった小さな事件から、ガソリンスタンドに勤める澄子を知った。 彼女の可憐さに、雄一はすっかり心を奪われてしまった。 澄子の方も、大学祭で歌い踊る雄一に、次第に惹かれていった。 ある日、自動車部の江口が全日本学生ラリーに出場するはずの石山が事故を起こしその代りとして、雄一に出場を頼んできた。 雄一は、早速スタート地点である京都に向った。 そんな雄一を祇園の芸者京奴が、何かと世話をやき、応援に来ていた澄子の嫉妬心をかきたてるのだった。 間もなく、ラリーが始まった。 澄子たちの声援を背に、雄一はスタートし、快調に車を進めたが、途中、雄一の車はダンプの悪質な妨害を受けてしまった。 そのため、雄一は五位に終ってしまった。 東京の『田能久』に帰った雄一は、京奴との誤解をとくため澄子を招待したが、雄一の父親の久太郎は、ちょうど家に訪ねてきた京奴を雄一の恋人と勘違いしてしまい、大袈 裟に歓待し澄子を玄関払いするという、失敗をやってしまった。 正月の琵琶湖一周駅伝をひかえた雄一は、すっかりやる気を無くしてしまった。 一方、雄一との恋に破れた澄子は、親切にしてくれる石山との結婚を考えてはみるが、雄一が忘れられず、京奴を訪ねて、真相を尋ねてみた。 京奴は澄子に、雄一が愛しているのは澄子だと言い、澄子を励ましてくれた。 澄子は、ちょうど駅伝に出場している雄一のもとに駆けつけた。 雄一はライバルの西北大に大差をつけられ、苦戦しているところだった。 そこへ、誤解をといた澄子が、晴ればれとした声で雄一に声援を送った。 勇躍した雄一はたちまち、ライバルとの差をつめ、ゴール寸前のデッド・ヒートで、ついに西北大を破ってゴールにとび込んでいった。 ●楽曲リスト COOL COOL NIGHT、幻のアマリリア WHY DON’T YOU、別れたあの人、勇気ある人々 ●データ:‘68年7月13日封切 東宝スコープ:104分 併映作品:年ごろ 製作:藤本真澄 監督:岩内克己 ●興行成績 推定番組配給:2億8500万円 推定入場人員:143万人 ●主なキャスト 田沼雄一/(加山雄三)・田沼久太郎/(有島一郎)・田沼りき/(飯田蝶子)・田沼照子/(中 真千子)・押田澄子/(星 由里子)・石山新次郎/(田中邦衛)・江口 敏/(江原達怡)・谷 村江美子/(中尾ミエ)・悦子/(松原光子)・宇野老人/ (左 卜全)・豪海/(今 東光)・ザ・ランチャーズ ●あらすじ 京南大学若大将の田沼雄一は、恩師平山博士の助手としてリオ・デ・ジャネイロの造船所に招待され、ご機嫌な毎日を送っていた。 そのリオ滞在最後の晩、技師長の谷村に案内された日本料理店で押田澄子に出会った。 澄子は東京極東観光の営業部員で、在留邦人に日本旅行のPRに来ていた。 そして、接待中の客が急病で倒れた時、それを救ってくれた雄一に好意をもつようになった。 東京に帰った雄一は、谷村の娘江美子に谷村から預った手紙を届けた。 江美子は清明女子大に在学中で、大学バンド合戦を前に闘志を燃やしていた。 二人は、バンド合戦で負けた方が食事をおごる約束をした。 だが、雄一のバンドは青大将の演奏ミスで江美子のバンドに敗退。 声援にかけつけた澄子を前に、江美子と約束のデートに出かけなければならなかった。 夏休み、雄一は平山教授の代理で再びリオに行くことになった。 ところが機内で、父親のもとに帰る江美子とバッタリ。雄一に気のある江美子は、豪華な観光旅行に招待した。 コパカバーナの浜辺にやって来た二人は、そこでランチャーズの面々に出会ってビックリ仰天。 青大将が演奏旅行と称し、ランチャーズの面々を連れてきていたからだった。 無一文のランチャーズ。雄一は、リオのクラブでアルバイトをはじめた。 そこで澄子と再会したが、ハレンチな青大将の横やりが入って、二人のデートもむちゃくちゃ。 心と心は結ばれながら、雄一には江美子、澄子には現地の有力者宇野の孫一郎と別のカップルが出来上ってしまった。 ある日、雄一に造船会社から就職試験の合格通知が届いた。 『田能久』の跡とりが店をつがないと、父親の久太郎は烈火のごとく怒ったが、おばあちゃんが雄一の肩をもちその場はおさまった。 雄一の、学生生活最後の試合のフェンシング大会が近づいてきた。 雄一は邪念をはらうため豪海和尚の寺にこもり修業、見事優勝の栄誉に輝いた。 やがて、卒業式がやってきた。 そこには、『田能久』の婿養子を決意した江口、それに澄子から愛をうちあけられた雄一の、晴れやかな顔があった。 ●楽曲リスト ロンリー・ナイト・カミング、シェリー、ある日渚に、花のさだめ、恋のシャロック 大学生編は以上で終了 次は社会人編となります。 |