耐熱ガラスと強化ガラス

先日、ガラスのコップにお湯を注いだら、いきなり破裂しました。
あまりにも割れ方がひどかったので、購入店に行ってみました。
購入店では、輸入物なのでよくわからないとのことでした。
このコップは電子レンジでも使えて、急激な温度差にも耐えられるコップであるということ。
お湯を入れた事は問題ではないと思う。　不良品だったとしか… とのことでした。

しかし、この割れ方は普通じゃないし、たまたま怪我もヤケドもしなくてよかったけど、
子供さんのいる家庭とかでもし、同じ状況になったら…と思うとやはりこのまま、あー怖かった。
で終わらせてはいけないのではと思い消費生活センターに電話しました。

ひと通りお話をして、数日後来た回答は
耐熱ガラスというのは熱で膨張しにくくなっています。
破裂という割れ方がおこる可能性があるのは強化ガラスです。
なので、そのコップは耐熱ではなく強化ガラスではないでしょうか?
との事でした。
残りの破片をセンターに持ってきてもらえば、わかると思います。ということでした。
少し迷いましたが、行ってみました。
検査課の方はみるなり、間違いなくこれは強化ガラスです、とおっしゃいました。

強化ガラスとは、自動車の窓などに使われるガラスで
力や熱が加わったときに割れないよう丈夫さを強化したガラスでなので一応熱には強くなってはいて120度くらいまでなら
耐えられるようにできているのだそうです。

ただ、割れるときは、ささいなキズでも粉々に割れるという特徴があるそうです。
国民生活センターでも、このような事例が何件か見つかったとの事でした。

結果的に、なんらかのキズがあったかガラス内部に不純物があったかの原因によって破裂したと思われます。

そして、この強化ガラスや、耐熱ガラスを用いている場合はラベルにてその旨を表記しなければならないと決まっているそうです。

このコップにはラベルはありませんでした。
購入店にはセンターから注意をしておいていただける事になりました。

私もそうでしたが耐熱ガラスと強化ガラスについてはほとんどの人が違いがよく知らないのが現状だと思います。
専門店でない限りお店でもわからないまま売っているところもあるかと思います。

ただ、このコップのメーカーはこのコップを、食器洗浄機、電子レンジ、熱湯（100℃）、フリーザー（-25℃）使用可能で衝撃に強く，急激な温度変化にも耐える事が出来る全面強化ガラス製品として売っています。

強化ガラスだから、粉々にわれる事もあるだろうと思いながら使う人はいないと思います。個人的には、強化ガラスの食器はもう使う気にはなれません。

せっかくなので、強化ガラス、耐熱ガラスについて少し調べてみました。

強化ガラスとは…

力や熱が加わった時割れないよう丈夫さを強化したガラス。
表面を圧縮して破壊に対する抵抗性を高める処理がなされたもので、
強化されていないものに比べると破壊に至る為の力は大きくなるが、
圧縮層を超えて割れが進行すると、内部には逆に引っ張りの力が存在しているためガラス全体が瞬間的に破砕する。
このため強化ガラスが割れると粉々に割れる特徴がある。

どのような場合に割れてしまうのかというと
一つは、ガラスについたキズが成長しガラス内部の引っ張り応力層に達したような場合。
もう一つは、まれにガラスの内部に残っている不純物が熱などの影響で体積が変化し破損するケース。
また割れた時破片は細粒状になり、普通のガラスのように鋭い破片が生じない。

以上のような性質から自動車の窓などに広く利用されている。
電子レンジを使用する場合に耐熱ガラスの代わりに使用される場合があるが強化ガラスは急激な温度変化で割れる場合があり危険である

学校給食の食器として、プラスチック製は、環境ホルモンの恐れがある事から、
強化ガラスが成分溶出の心配がないということから一定の評価をされていました。
しかし強化ガラス食器については割れるときに強化磁器に比べて破損が激しく、広く飛び散り、かつ、破片が細かく尖って危険であるという指摘がありました。

1996年7月に東京都足立区で、1999年2月奈良県奈良市でそれぞれ小学生が
強化ガラス食器の破損により眼球に失明に近い怪我を負いました。
これをきっかけに経済産業省の独立行政法人製品評価技術基盤機構（旧：製品評価技術センター）が「自己情報特記ニュース」を出し強化ガラス食器の取り扱いについて注意喚起しました。詳しくは給食食器問題～強化ガラスの破損について
また強化ガラス食器の最大のポイントは割れにくいことですが逆にそのことが割れたときの危険性にもつながっています
「強化ガラス製食器」の破損事故にご注意！
突然割れる強化ガラスコップ
ガラス食器類の破裂