とどめきブログ

患者さんからすれば、万波医師は神様みたいな人なんだろうね。
仮に自分が腎臓（じんぞう）病で、人工透析を受けるような症状だったとしたら、万波医師の病院を選んだかも知れないね。
自分ではなく、親兄弟や子供がそういう症状だったら、万波医師のような人がいる病院を探したんじゃないかな。
患者さんにとっては、切実な問題なんだよね。
健康な人には理解できない。

腎臓っていうのは、体内の血液やらの水分から体外に排出すべきものを選り分けて（よりわけて）尿として排泄（はいせつ）する為の臓器。
だから腎臓が正常に機能しないと、排泄すべきものが巡ってしまう事になる。
老廃物や毒素を体外に出す事ができなくなるんだよね。
それで人工透析装置というものが開発され、患者さんはこの装置を通して自分の血液を濾過（ろか）するようにしてる訳。
これが、大変。
体中の血液を自然に循環させながらクリーンにしてゆく訳だからね。
三日に１回のペースで透析するとしても、１回に６時間位掛かるって聞いた事がある。
患者さんは、普通の社会生活・家庭生活を送るのが困難になる訳よ。
毒を排泄する機能が無いから、食べ物飲み物を間違うと命取り。
生涯定期的な治療を受けなければならず、日々の生活にも細心の注意が必要となるの。

でも健康な腎臓を移植してもらう事ができれば、この苦境から解放される。
腎臓病の患者さんはみんな、移植手術を待ってる訳ね。
うん。


でもね、万波医師。
患者さんの為にやる事が、必ずしも正しいとは限らないんだよね。
摘出する必要の無い腎臓を、摘出してはいけない。
「あなたの腎臓は機能が劣っている。体内に置いておいても充分な機能は果たさない。だからこれを摘出し、腎臓が全く機能していない患者さんに移植しようと思うのだが、宜しいだろうか？」
正直にこう言って、同意を得られれば、人道的にはＯＫなんだろうけどね。
だけど、法的には問題が有るんでしょ。
その他にも、問題は色々とね。

もし自分が腎臓病だとしたら、万波医師のいる病院に行くだろう。
そうは言っても、万波医師の病院に行く時は、病気が悪化してからになるよね。
人工透析を受けなくても大丈夫な症状であれば、絶対に万波医師の病院には行かない。
健康な腎臓を取られちゃうかも知れないからね。
診察を受けに行く時も、心配しちゃう。
「この病院は万波医師の息は掛かっていないかな」
って。

「腎臓は２個あるから、１個取っても大丈夫なんだよ」
それを言っちゃあ、いけないよ。
両腕が無い患者さんがいたら、その患者さんの為に、健康な人の腕を１本取って移植する？
「腕は誰にでも２本あるから、１本取っても大丈夫」
そう言う？
違うよね？
それを取られる側の人の事も、考えなきゃね。

それから、
法律（臓器移植法かな？）がわざわざ設けられているには、それなりの理由が有る訳よ。
ノー・ルールで移植が実施される事になるとさ、臓器売買が横行する事になるのよね。
金銭で解決する事を禁じても、闇での臓器授受が行われれば同じよね。
自分の会社の社長が腎臓病だから、平社員の人は腎臓を一個渡さなければならない、とかね。
生活に困窮する人ならば、
「私の腎臓を提供するから、家族の生活を保障してくれ」
なんて人も出てくるだろうしね。
こうなると、自然に臓器市場なんて言葉が罷り通るようになり、臓器の標準価格が決まるようになる。

こうなったら、もう大変。
金儲けの為の殺人が発生する世の中になるんだよ。
あー。
恐ろしい。
生き残れるのが金持ちばかりになる。
医師が結託すると、証拠の無い殺人事件が横行するんじゃないかな。
世の中がこういう風潮に流れるような事をしちゃあ、いけないよね。


万波医師のやった事の全部が、明らかになった訳ではない。
何をどうしたか？
患者との間でどういう遣り取りが有ったか？
報道と事実とは食い違っていたりするからね。
だから、善悪とか良否とかをコメントするのは避けたいんだけど、
ルール違反は、いけないよね。