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High Flyer ハイ フライヤー 高く 飛べ。 社長の夢幻飛行日記。 

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元・経営コンサルタ… taka_urayasuさん

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真理6956@ 巨乳はスキですか? 昔から胸大きくて一つ悩んでいた事があっ…
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剥けてない@ あー!!そこそこ!!!! オレ童.貞だし、どこを舐めたら感じるの…
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ビタミンZ@ お姉タン(´・ω・`) http://ashikoki.mlstarn.com/d6JzSL5/ ↑…

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2007.06.04
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6月1日の日経一面「ネットと文明」という記事がある。グーグルは、今売上高一兆2千億円、時価総額18兆円という規模の会社だ。この大きさだと、グーグルにとっては、新日鉄(時価総額5兆7千億円)を対象に、株式交換の手法で、確実にTOBで買収できる。とはいえ、ネット検索企業と鉄鋼業とはシナジーないけど、アルセロール・ミタルは、同業としていつでも競合相手の新日鉄を敵対的にでもいいから買収して競合機能をそぎおとすという「戦略的M&A」策に打って出ることも全く荒唐無稽というわけではなくなっているのが現実だ。なぜなら、アルセロール・ミタルの時価総額は9兆4千億円であるから、十分strategic buyerの資格ありだからだ。もちろん、M&Aは財務指標だけで決めることはできない。いろいろの要素をかみ合わせて最後に経営者の強力な「買収意思」というか、もっというなら、帝国を構築する「支配意図」がないと、M&Aには踏み切れない。それにアルセロール・ミタルがそんな買収を世界中で繰り返してきた後なお内部統制とガバナンスが行き届いていて組織として戦意が高い組織なのかどうか、それは、わからない。
日本の全鉄鋼会社が大合併すればミタルの3角合併のTOBに対抗することができるかもしれない、ということになるが、閑話休題、それはさておき。

グーグルという、この巨大ネット検索企業は、1998年設立なので、満8歳、人間で言うと小学3年生。でも、もうこれも時代遅れとばかりにこれに投資していた老舗VCが見切りをつけて別の高速動画のベンチャー企業に乗り換えたという報道もあった。VCとしては新しい事業の目をみつけてその成長性にかけるのだからグーグルの成長性に見切りをつけたということだろう。グーグルのすさまじい成長力以上の成長性とは、何か。

この記事は「検索(サーチ)から推薦(リコメンデーション)へ」という潮流を指摘している。たとえば、ガリバー(中古車販売大手)の車選びサイトでは、好みの車種を選ぶとお薦め車種を相関マップとして並んでオッファを出す。「走り重視」の人には同じ傾向の車をまとめて自動表示する。検索履歴から傾向分析する。同じことは、イギリスのラストFMも同じで、この会社の無料ソフトをネットで取り込みあとはパソコンに保存して好きな曲を流し続けると、サーバーが好みの音楽傾向を分析して把握、300曲を超えた時点で自分専用のラジオ機能が使えるようになり、以後サイトからは自分専用に自分の好みにあった未知の曲ばかりが流れてくる、という信じられないようなサービスだ。検索エンジンは、自分から欲しい情報を探しに行く「セルフサービス」型で、推薦エンジンは、「欲しい情報が向こうからやってくる「ウエーター型」。

これは大きい差だし、全くアプローチの方向が真逆だ。多変量解析とデータマイニングの技術がポイントだ、と私は思うが、それを可能にする技術よりも真逆の発想がポイントだ。

もっというと、この推薦エンジンは実はいろいろの仕掛けがしてあって利用者の好みや要望、期待にぴったりのものを選択することになっているが、実は、その適用の結果が本当に期待にあったものなのかどうか は、実は、誰にもわからない。期待感は検証不能だからだ。つまり、期待にあうのではないかという仮定で、ある基準にそってセレクトされたものにすぎないから、実際本当は「期待はずれ」ということも大いにある、はずである。未来予測だから例外があるのだし、未知の要素で新しく好きになったものまで今取り込むわけでもない。つまり、あらかじめ「仕組み」というか「期待の期待」を説明することで「期待にそっているはずだという」思い込み期待感があらかじめ形成されてくるので、あたかも(少し期待はずれでも)まあこれが私の期待の範囲内ということになるのである と私は思う。

もうひとつの「期待を期待する」仕掛けというのは、未来選択の車や選曲を「常に」「複数」用意することである。単数一個の選択だと、期待にあっているかいないかのデジタル2者択一となってしまうので、合っていない確率がランダムだと2分の一あるが、そうではなくて、つねに複数の将来選択肢を用意することで、アナログ的に連続したどちらでもない領域で期待合致の幅を広げておく手配をしておくのだ。そのやりかたで複数というより、「多数の」(これが魔法のポイントである。)将来選択肢を用意してそのいくつかが「期待合致らしき」ものであれば、「期待の期待感」を満足させるという心理的構造になっているとよめる。本当は、数学的なないし統計的な実体など、どうでもいいのだ。それが実は推薦ないし「推奨エンジン」の実体だと、私は思う。推薦エンジンが話題を呼ぶと社会的にその構造に合致しないような期待をもつことがおかしいと自分で思うようになり、「ちょっと違うのでは」という自由な発想が阻害され、ますます期待の期待感が強化されるという仕掛けで、それがガリバーやラストFMだろう、と私は思う。
(データマイニングの専門家の友人に聞くと、文章間に散在する言葉の集合体で分析する技術があるというが研究途上で実用化はされていない由)。

さて、検索エンジンと推奨エンジンとでは、実はマーケティングの方法が全く違う。検索エンジンは、探す人が能動的に自分から自発的に手を動かして(PCやインターネットを操作して)情報に近づいていく。推奨エンジン利用者は、逆に自分から手を下してわざわざ探しにいかずに人を信用してその判断や推奨に身をゆだね、それで自分よりも何らかの形で優位な人から「気持ちのいい」情報を入手することで満足する。

このアプローチの差は、金融商品の場合、決定的となる。「検索エンジン」を使うのは、デイトレーダーだ。自分から情報を探す、工夫をする、計算プログラムまで作る、なんとかして分析しようとする、マメなひとだ。他方、「推薦エンジン」となるのは、ファイナンシャルプランナーや、保険代理店だとか、銀行窓販ということになる。多くのひとたちは金融商品を推薦エンジンを利用して購入する。複雑でわかりにくいから、理解して判断する時間コストを考え、推薦エンジンを使う。検索エンジンなど使う人はいない。保険代理店で保険を買うとき、保険会社の信用ではなく、代理店主の推薦を買うのだ。
富裕層マーケットは、実は銀行という「場」で推薦エンジンに身をゆだねる快適さを買っているといってもいい。
いわゆる来店型代理店も、推薦エンジンの類型だ。

こうしてみてくると、金融商品の販売チャネルの圧倒的多数は推薦エンジン型だということがわかる。だから、保険商品などのウェブサイト作りこみにやたら手を入れて金をかけて豪華で「凄い」サイトで客を誘引しようというのは、客が「検索エンジン」の使い手だと誤解しているのである。サイトをサーフィンしたりなんとなく探し物をしている人は「検索エンジン」の手錬(てだれ)ではないのだから、もともと見るだけで、それで売れるわけがない。勘違いで、こういうサイトを無駄に開いている保険会社もありますね。

そして、さきほど言った推薦エンジンの心理的構造からすると、そこには必然的に複数の(ないし多数の)将来選択肢、つまり品揃えが絶対必要条件になることがわかる。品揃えは、やはり客寄せに必要な道具だてだ。専門家(らしき人)が多数の中から選択した、という様式美が推薦エンジンの本質だ。

ところが、品揃えは在庫を意味するのでコストラインは高い。だから専門家が一点買いした一品銘柄だけを推奨エンジンとして推薦する、というモデルは、存在しうる。サンドラッグなどはそうだね。違うか?

そうだとすると、金融商品の「新商品」の販売チャネルにダイレクトやネット販売を考えるとき、こういう「専門家の一点買い銘柄品」になりすます戦略は、あり、だと思う。それが専門家経由によるが故の、安上がりのブランド補完性となる。私は、これこそが金融商品というむつかしくも複雑な商品であって原価や効果の説明しにくい商品を扱うときの極意ではないかとひそかに思っている。金融も自由化されたが、マーケティングはまだまだ幼稚で、分析も未熟だと思う。








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Last updated  2007.06.05 16:11:07



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