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カテゴリ:音楽
■ちょっとした事情があって、所有レコードを倉庫にしまってあったのだが、今日それを自宅に一時持って帰ってきた。いやあ、レコードって大きいですね。そして1枚1枚存在感がありますね。数えたわけではないけれど、数百枚のレコードを何回かに分けて車に積んで持ってきましたよ。懐かしい、愛おしいでずいぶん時間がつぶれた。中には記憶にないものもあって、これ誰だっけとか、へーそういえばそんなグループもあったなぁなんてひとりで時空を飛び越えていた一日でした。
■加藤和彦のことを昨日書いて、今日色々なレコードを見直してみて、彼がプロデュースした作品について少し触れてみたくなった。印象的なものは2枚あって一つは下の泉谷、そしてもう一枚は岡林信康の「ストーム」。後者はまたいつか機会があったら書くことにする。 01 翼なき野郎ども ■泉谷しげるは多才な人である。今作発表前までの彼はいわゆるフォーク歌手のひとりでギター1本で拓郎をちょっと野蛮にしたというような印象だった。しかし加藤和彦と共に作ったこの作品での彼のイメージチェンジは強烈だった。とにかくM1のイントロからぶっ飛んだ。完全なロックバンドをバックに「とびきりの女に会いに行こう」と叫ぶこの曲から新しい泉谷がまるで魔法にかかったように躍動している。 ■M3、M7では二人のエイジが登場する。前者はカインの夜から生まれた、世間にいらつくならず者、後者はまだ生まれていない未来の少年。 泉谷はまだ見ぬこの少年に夢を託す。この世の光になってくれと。このあたりの展開は詩人泉谷の面目躍如たるところだ。 ■ちょうどRCがロック化したのと同時期の作品である。ジャパニーズパンクの登場にはまだ早いが、パンクの精神はもうこの人の中にはすでにあった。ともすれば一辺倒になる作風を加藤がモダーンなアレンジで調整しているという感想を持つ。M5みたいな曲はやはり泉谷だけでは成り立たなかったんじゃないか。 ■久しぶりに今日このアルバムを手にとって、中を覗いてみたら、彼の描いたイラスト集が出てきた。多才な人だと書いたが、この絵が実にうまい。個展を開いた事もあったんじゃないかな。かなり映画に詳しい人で、役者としてもこのあと、数多くの作品で活躍する。暴力的なイメージが強いけど、本人は結構優しいんだと思う。東北生まれといいながら、実は東京人だったりしてね。 ■この作品のライナーは中山容という作家が書いている。これも一読に値する。歌詞も全曲中山氏が英訳をつけている。次回作「都会のランナー」も同様である。この2作とも加藤プロデュースで甲乙つけがたい出来である。その後、泉谷はもう少しひねくれポップ路線に向かう。そこでは鈴木さえ子、鈴木慶一、白井良明などが彼をバックアップする。歴史的には「80のバラッド」「都会のランナー」が彼のエポックとされるが、個人的には「39'8」が大好きなんだ。 ■おまけ。昨日アップした加藤和彦3部作、私、確かに持っていました。「うたかたのオペラ」はちゃんとあれでしょ。へへへ。 ■速報です。来年いよいよ30周年を迎えるMOON RIDERSの3年ぶりの新作が5月11日リリースだそうです。詳細はこちらから。セルフレーベルからの初の新作、5月まで頑張ろうと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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