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カテゴリ:音楽
今日の1曲 Carry That Weight
重い物を運んだよ。重いだけでなく、持ちにくいったらありゃしない。 物を運ぶことを仕事にしている人たちは、それを運ぶことにやりがいを感じるのであろうか、なんておかしな格好な物なんだ、なんて持ちにくい物なんだ、たとえば3mくらいある球体を前にした時、さてどうやってこれを運ぶかって事にやりがいみたいなものを感じるのであろうか。 「持ったよ、あれ。臍で支えたよ、おれ」 そんな自慢話を事務所でするんだろうか。 物を運ぶことを仕事にしている人はその距離についてこだわりを持つのだろうか。螺旋階段とか、もえるんだろうか。小休止できないような急角度の階段に闘争心を燃やすのだろうか。すげえ坂道に張り合いを感じるのであろうか。 「血管切れるかと思ったよ、でも落とさなかったよ、おれ」 後輩にこう語るのだろうか。 ともあれ、私はYAMAHAのスピーカーを2階まであげた。そして今日冷蔵庫を自分の足の上に落とした。冷蔵庫を甘く見ていたのかもしれない。気安くサンダルで運ぶ時点でなめていたのかもしれない。指もちょっと切れた。おかげでタイピングもたどたどしい。冷蔵庫は重い。洗濯機は業者に頼もう。 でも、重い物や持ちにくい物はだいたい終わった。後は細かい物ばかりだ。このあいだは紙袋に目一杯レコードを詰め込んで運んでいたら道路の真ん中で紙が破れた。アスファルトにばらまかれたレコードジャケットはちょっとシュールだった。途方に暮れた顔と一緒に写真に撮っておけば良かった。 今日頭の中ではずっと「Carry That Weight」が流れていた。人生は重い物を運ぶ旅である。引っ越しは続いている。いつになったら私に「Golden Slumbers」がやってくるんだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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