1862273 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

トカトントン 2.1

トカトントン 2.1

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

Dehe

Dehe

Calendar

Favorite Blog

読んだ!観た!聴い… さなえ1024さん
SOMETHING TO TALK… Crazy Loveさん
Avec Mes Enfants Barbara21さん
ふたり暮らしの手帖 サリィ斉藤さん
ひろるるん♪ ひろるるん♪さん
つきあたりの陳列室 inalennonさん
エデンの南 SEAL OF CAINさん
サッカーと野鳥と音… ペアダ19さん

Category

Recent Posts

2006/01/21
XML
カテゴリ:音楽
sensou to heiwa■昨日から加藤和彦に夢中だ。この「戦争と平和」という作品は2002年制作。34年ぶりに、またしても期間限定で復活したあの伝説のグループの新作である。この作品の凄さはよくわかっているはずだったのだが、今日またじっくり聴き直してみて、あらためて感心しきり、感動しきり。

■映画や小説で涙を流すことはこの歳になると珍しいことではなくなるが、音楽を聴いてそんな気持ちになることは何か嘘くさいなと思うわけですよ。それは劇的場面のBGMとして、ひとつの物語を装飾する手段として効果的に使われるからこそ威力を発揮するもので、純粋にその音楽そのものに対して涙を落とすなんてことはちょっと考えられないなと思うわけ。

■でもね、この作品集を聞いていてM7の「ヨイトマケの唄」、M10の「ライカはローリング・ストーン」の2曲には直接的に心を揺さぶるスーパーな歌の魅力が溢れていて、聴いていて熱いものがいつもこみ上げてきてしまう。

1.芸術家,科学者,そして宗教家 2.あの素晴しい愛をもう一度 3.11月3日 (雨ニモマケズ) 4.感謝 5.Somos El Barco 6.巌流島 7.ヨイトマケの唄 8.あわて床屋 9.今日の料理テーマ鯨のステーキ・グリーン・ピース添え 10.ライカはローリング・ストーン 11.カオリ No.5 12.悲しみは言葉にならない 13.花はどこへ行った 14.花 (すべての人の心に花を) 15.白い色は恋人の色 16.平和について 17.Mia Cara Simonetta (愛しのシモネッタ)  18.老人と子供のポルカ  19.日本一の聞かせっパ男

■「ヨイトマケの唄」はご存じ美輪(丸山)明宏作詞作曲のエンヤコーラである。有名なリフの部分はよく耳にしたが、私はこの歌を丸々1曲聴いたことがその頃までは一度もなかった。もしも、あなたもそうだとしたら、是非とも彼が歌うフルコーラスを聴くべきだ。いかに差別的言語が含まれていようが、この曲を風化させてはならない。親子とか人生とか時代とか人間とか歴史とかを映像や文章以外に音楽という表現でも伝えることができるんだという典型的なサンプルだと思う。

■「ライカはローリング・ストーン」はもちろん、あのディランの曲がモチーフになっている。フォークギターをかき鳴らし、○○は僕のローリングストーンと自分の宝物を歌うという歌詞。2番では吉田拓郎、3番では泉谷しげるが乱入してディランさながらに怒鳴りながら歌う。拓郎はマーティンのギターが泉谷はカルチェの時計がローリング・ストーンなのだと。ふたりともプロデューサー加藤和彦によって世に送り出された弟分。そしてとりわけ心を揺さぶられるのが加藤和彦の歌う4番の歌詞なのだ。

あこがれだったスタイルも みんな本気でてに入れた
それを笑顔で見守った 彼女も今じゃAntique
ああ、あらためて、ありがとう それがワイフのいいところ
あらためてありがとう おまえはボクの宝もの
おまえはボクのローリング・ストーン

歌詞だけ見れば陳腐かもしれないが、安井かずみを失った加藤和彦が万感の思いを込めてさらっと歌いあげたこの曲を聴いて、この人のこれまでに勝手に感情移入してしまう。しかもかなり強烈に。メンズクラブにバンド募集をかけて、学生時代の思い出に作ったヨッパライがヒットしてしまって、1年フォークルをやって、ミカバンドを作って、そして彼女と出会って・・・

■このCDには歌詞カードと共にダライラマからのメッセージが封入されている。音楽を通じて世界に愛と平和をもたらそうとしているフォークルへの賛辞である。かつてのジョンレノンのように直接的に煽ったり行動を促すような曲はないのだが、ここに選ばれた曲のメッセージ色の濃淡のバランスが絶妙。誰もが知っているM2,15の美しい旋律。その2大名曲に匹敵する新曲M12。宮沢賢治の雨ニモマケズに加藤が曲をつけたM3の説得力。この曲のおかげで私はこの詩を暗唱できるようになった。反戦フォークの名作M13に喜納昌吉のM14。これらのえらく正統的な選曲の合間に、さもお遊びですという感じで置かれた各曲もただ単に息抜きに終わっておらず、ボーナストラック3曲も含めて自虐あり、皮肉ありの風刺精神は34年前のデビュー時のスタンスそのままである。

■このアルバムは坂崎幸之助の参加無しには成り立たなかった。彼の超絶フォークギターテクは加藤和彦をずいぶんと助けたし、そのコーラスワークもまるで本人かと思わせるほど加藤の声質に似せている。なによりこのバンドに対するリスペクトが溢れ出ていて復活の手助けに一役買おうという精神が潔い。本当にいい人だ。M4はおそらく北山、加藤が彼のために書いた曲なのではないだろうか。

■細野晴臣と加藤和彦は現在の日本の音楽状況を作り上げた2大巨頭であるというのが私の持論である。前者がアメリカ寄りのフォークロックを、そして加藤和彦がビートルズをはじめとしたイギリスのポップ加減をジャパニーズポップスにとりいれた最初の人物であると思う。

■たしかに「イムジン河」は聴かないで済ますには惜しい曲である。しかしこの曲だけが彼らの突出した発見だったわけではない。このアルバムに入っているすべての曲がそれに匹敵するとっかかりを持った楽曲であって、その曲の数だけ聴いている者は何かを考えるきっかけを与えられる。加藤和彦という人の持っている「粋」な部分があの頃もこの頃もほとんどぶれないで存在しているということはいくらか脅威でもある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006/01/21 10:02:58 PM
コメント(10) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事


Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
背番号のないエース0829@ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
Dehe@ Re[1]:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) Mr.Zokuさんへ 情報ありがとうございまし…
Mr.Zoku@ Re:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) 今年出た[Deluxe Edition]は聴かれました…

© Rakuten Group, Inc.