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カテゴリ:テレビ番組
■情熱なんかないのになんでボクなんか。番組スタッフの向けるカメラに彼は言う。趣味は読書、苔の採集。たしかに熱い人というイメージからはほど遠い彼だが、こと役作りに関しては他の誰よりも熱心にその役柄に対し真剣に取り組む姿勢がうかがわれる。
■ロバート・デニーロが映画によって何キロも太ってみせたり、痩せて見せたりするように、堺雅人もまた役柄によって体重をコントロールできる。愛煙家らしいが、つい先ごろまでは料理人の役(南極料理人・8月公開予定)を演じるためタバコをやめ、ふっくらと見えるように肉体を改造したという。何よりも役柄を優先するという俳優魂。 ■早稲田時代の演劇研究会に顔を出し、後輩たちにひとこと。そこでも決して熱く語る人ではない。何枚もの布団が積み上げられた部室は学生時代の彼の寝床だったという。小劇場のプリンス、今では日本映画の助演には欠かせない存在。あくまで主役を食う脇役というのが彼のベストポジションだと思う。 ■大好きな本屋での買い物に密着。この日のセレクトをポーズボタンで確認すると「天皇陛下の全仕事」「歴代陸軍大将全覧 明治編」「制服概論」「論語物語」「オバマショック!」「論理哲学論考」「寝ながら学べる構造主義」の7冊。みんな文庫か新書、マンガは買い方がわからないそうだ。町山智浩氏や内田樹氏を読む堺君にちょっと親近感。 ■雑誌の連載もこなす彼だが、原稿はまず手書き。鉛筆で字を書き、消しゴムで消すという行為を見るのはなんか久しぶりだ。清書はワープロだそうだが、自分の手で字を書く中年以下の人はわたしの周りにはあまりいない。 ■2004年以降、彼の出ていた映画、芝居、ドラマはほとんど見ている。どんな役にも全力で当たる彼だが、なんといっても山南敬介のインパクトは強烈。沖田君、ここだ!から始まって横目で沖田君と囁いて首をはねられる第33回「友の死」はわたしにとって永遠の堺雅人。いまだにあの回を見直すたびに出てくる涙と鼻水は花粉症の比ではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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