トカトントン 2.1

■ミュージックマガジン増刊は創刊４０周年記念として、６９～０８までのアルバムランキングベスト４０。いち早くワールドミュージックに目を向けたこの雑誌らしく、英米のロック一辺倒ではないジャンルの垣根の緩い選定となっている。しかし結果を見れば特別目新しいものにはなっていない。

■６９年から１年ずつ編集部で前もってリストを作り、その中から４０人の選者によって１位から４０位を投票してもらうという企画。１位は４０点、４０位は１点でその合計得点が多い順のランキングとなっている。（選者４０人の選択基準はどうなっているのかについての記述はない）

■雑誌の名前から「ニュー」が取れてかれこれ２０年以上たつと思うが、創刊当時のわたしはミュージックライフ派だった。その後７１年頃にロッキンオンが出てきて、それと並行してニューミュージックマガジンを（本屋で）読んでいた。渋谷陽一の中村とうように対する挑発も今となっては懐かしい。

■風来坊さんのブログに触発されて自分での各年度別ベストアルバムを考えてみた。リストがあるのはありがたいが、それによって選べない数多くの名盤もあるのはたしか。

1969　キング・クリムゾン 「クリムゾン・キングの宮殿」

1970　クロスビー、スティルス、ナッシュ＆ヤング　「デジャ・ヴ」

1971　ジョニ・ミッチェル 「ブルー」

1972　イエス 「危機」

1973　ピンク・フロイド 「狂気」

1974　サディスティック・ミカ・バンド 「黒船」

1975　ジェフ・ベック 「ブロウ・バイ・ブロウ」

1976　レッド・ツェッペリン 「プレゼンス」

1977　ローリング・ストーンズ 「ラヴ・ユー・ライブ」

1978　ディーヴォ 「退廃的美学論」

1979　パンタ＆HAL 「マラッカ」　

1980　トーキング・ヘッズ 「リメイン・イン・ライト」

1981　大滝詠一 「ロング・バケイション」

1982　ロキシー・ミュージック 「アヴァロン」

1983　ベン・ワット 「ノース・マリン・ドライブ」

1984　ムーンライダーズ 「マニアマニエラ」

1985　プリファブ・スプラウト 「スティーヴ・マックイーン」

1986　矢野顕子 「峠のわが家」

1987　ピチカート・ファイブ 「カップルズ」

1988　RCサクセション 「カバーズ」

1989　ユニコーン 「服部」

1990　岡村靖幸 「家庭教師」

1991　フリッパーズギター 「ヘッド博士の世界塔」

1992　R・E・M 「オートマチック・フォー・ザ・ピープル」

1993　スチャダラパー 「ワイルドファンシーアライアンス」

1994　小沢健二 「ライフ」

1995　オアシス 「モーニング・グローリー」

1996　サニーディ・サービス 「東京」

1997　レディオヘッド 「OKコンピューター」

1998　

1999　ジム・オルーク 「ユリイカ」

2000　椎名林檎 「勝訴ストリップ」

2001

2002　

2003　

2004　フランツ・フェルディナンド 「フランツ・フェルディナンド」

2005　くるり 「NIKKI」

2006　コーネリアス 「Sensuous」

2007　ゆらゆら帝国 「空洞です」

2008　鈴木慶一 「ヘイト船長とラヴ航海士」

■７０年代から８０年代前半はどれを選ぼうかけっこう悩んで楽しかったが、９０年代中頃になるとリストの中に自分が聞いていたアルバムすらない。よって何年かは空欄あり。

■フォーク、プログレ、グラム、パンク、ネオアコ、ファンク。こうして書きだしてみると、その都度その都度なつかしいもんですね。風来坊さんありがとうございました。