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カテゴリ:テレビ番組
■ガストでハンバーグステーキを注文してからそれが出される前にお喋りをするとしたら、どんな話題が一番良いのだろう。それは向かい合った相手との距離感にもずいぶん左右されるわけだが、初対面の相手に向かってあんな話をする女の子にはちょっと気をつけた方が良い。
■この人の書くドラマには毎回このような坂元ゾーンみたいな場面が必ず用意されていて、私はその都度、意識を集中してどんなセリフも聞き逃さないように細心の注意を払いながら正座してそれを見ている。これはある意味小説を読む喜びに少し似ている。 ■既視感の原因はこの初回の大半が北海道を舞台にしていたことによる。ダムに飲まれそうな街で寄り添うふたりは蛍と緒方直人にも見え、事情は違えど、東京に向かうトラックの助手席で手紙を読みながら(声優・満島ひかりがまた素敵)嗚咽する主人公には純の面影が重なる。もちろんその手紙には泥はついていなかったが、隣りに座る寡黙な運転手は古尾谷雅人に見えなくもない。 ■おそらくいつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまうのは登場人物の誰かの個人的な感慨なのではなく、このドラマを見ている私たち誰もが持てる権利なのではないか。もちろん泣くに値しない展開になるか、それでも細部に涙腺を刺激される何かが宿っているのかはこれから先の物語の進み方に依る。 ★連想した長いタイトルの私のお気に入りの3曲。 「やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった」四人囃子 「あなたがわかってくれなかったからぼくはとってもさびしかった」松村雄策 「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう」岡村靖幸 ■坂元裕二の最高傑作は「それでも生きてゆく」だと思う。そういえばあのドラマの序盤にも柄本明は君臨していた。東京ラブストーリーのようなこの曜日、この時間から始まるのに相応しいものとはとても思えないが、先の展開が読めない分、いつかこの初回を思い出してきっと泣いてしまうのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/01/19 10:10:46 PM
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